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net news あなたの家計はまだ“預金だけ”?意外と「もったいない&アブない」日本人の貯金事情 (ダイヤモンド・オンライン 岩崎淳子 2018/03/28)

2018年03月29日 | ネット・ニュースなど

net news あなたの家計はまだ“預金だけ”?意外と「もったいない&アブない」日本人の貯金事情 (ダイヤモンド・オンライン 岩崎淳子 2018/03/28)~みんなリスクをとって冒険出来ない。私も同様。

「節約してるのになかなかお金が貯まらない……」「老後の資金づくり?何もやれていないんだけど……」「資産運用の情報が多すぎて、何から手をつければいいのか……」そんな家計の悩みをお持ちの人も多いのでは? ずぼらな人でも簡単にできる「家計システムのつくり方」を解説した、ロサンゼルス在住のFP主婦・岩崎淳子氏の最新刊『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』より、内容を一部抜粋してお届けする。

預金はなぜ「もったいない」のか?

「どうして預金を選ぶのですか?」

そう聞かれたらどう答えますか?「減らないから」「元本が保証されているから」と答える方が多いのではないかと思います。多くの日本人は元本が保証されることを何よりも重んじます。

平気で宝くじを何百枚も買っている人や、競馬やパチンコで数万円をスっている人でも、いざ預けた100万円が99万円になれば、「損をした~!」と落胆・激怒する――それが日本人の元本至上主義です。

でも、この考え方には、暗黙の価値基準が持ち込まれていないでしょうか?これを実感していただくために、次の例を考えてみましょう。

いま、Gさんの手元には10万円のお金があります。これから10年はこの10万円に手をつける予定はありませんでしたが、元本を割り込むのは嫌なので、銀行預金に入れることにしました。当然ながら10年後に手元に残るのは、10万円(とわずかな利息)です。

同じように10万円を持っていたHさんは、少しだけリスクを取って投資を行うことにしました。1年目でいきなり元本割れしましたが、そのまま持ち続けたところ、2年目、3年目で持ち直しています。その後、2回ほど前年度割れをする年があったようですが、全体としては好調だったようで、10年後に口座を開けたら13万円弱になっていました。

また、Iさんは、「どうせ使わない10万円だから」ということで、より多くのリスクを取りました。その間に何度か前年度割れを起こしたようですが、「そういえば10年前のあの10万円はどうなったっけ?」と思い出して口座を見てみると、なんと14.5万円に増えていました。Hさんと同様、おおむね順調に資産を増やした格好です。

HさんとIさんは、お金を預けた先が銀行“以外”だったというだけで、そのあとに「何もしていない」という点ではGさんと変わりありません。

このとき、みなさんがGさんだったら、どんな気持ちになるでしょうか?「得した」と思う人はまずいないはずですが、「損」はどうでしょうか?「何回か減ることはあっても、最終的に持ち直してなんとかなるなら、運用に回しておけばよかった」とそんな気持ちが心の中に生まれないでしょうか?

この「ちょっぴり損したかも……」という気持ちは、決して異常ではありません。この場合、お金を置く場所を変えておきさえすれば、より多くの利益を上げることができたのは事実だからです。最善の意思決定をしないことによって、得られたはずの利益チャンスを逃すことを機会損失といいます。要するに「儲けそこない」ですね。

もちろん、何が最善の意思決定なのかは、そのときそのときで、本人が主観的に判断するほかありません。

「いや、10万円を一度も減らすことなく維持するのが、私にとって最善だったんです!」

そう固く信じられるのであれば、それでいいのです。ただ、「何度か前年割れをしても、最終的にはじめの元本より増えるなら、ちょっとくらいはリスクを取ってもよかったかな……」という迷いや後悔があるのなら、それは「儲けそこない」という機会損失だったのかもしれません。

あなたの預金はいまも減り続けている

損得の判断というのは、価値基準をどこに置いているかに左右されます。基準を「元本」ではなく、「得られたはずの利益」にしてみれば、「元本は死守したけど、けっこう損をした」という考え方も十分可能だということにお気づきいただけるかと思います。

しかし、日本人の元本信仰はほんとうに根強いですから、ここまでの話だけでは「何が損なのか、サッパリわからない!」という方もまだいらっしゃると思います。そういう人はここで無理に既存の価値観を破壊する必要はありません。

「『元本が大事』というのは、一定の価値基準でしか通用しないらしいぞ……」「見方を変えると、『預金のほうが損』という理屈が成立するみたいだな……」ということを、頭の片隅に置きながら読み進めてください。

さて、預金の“もったいない”は、「こうしておけば損をしなかったのに……」という後悔の心理がからんだ問題でしたが、もう一つ触れておきたいのが、預金が“減っていく”という、より切実で現実的な問題です。しかもこれは、今後はとくに日本人が懸念しなければならないポイントになると予想されます。

経済ニュースをフォローしている人はご存知のとおり、「デフレ脱却」を目指す日本政府は、日本銀行と共同で「2%のインフレ目標」に関する声明を出しています。マクロ経済政策の教科書ではないので詳細は端折りますが、これは要するに「毎年2%程度でゆるやかに物価が上がっていくように、経済の舵取りをしていきますよ」という宣言です。

大まかに言えば、物価が2%上昇すれば、今年100円で買えていたものが、翌年には102円出さないと買えなくなります。これだけ聞くと、「ふーん、それはなかなか大変だな~」というくらいの印象かもしれませんが、2%インフレが長期的に実現した場合、何よりも痛手を被るのは預金で資産を持っている人です。

物価が2%ずつ上昇するということは、ひっくり返せば、お金の価値が約2%ずつ減っていくということです。つまり、インフレ率2%の環境下で、利回りがほぼゼロの預金口座にお金を放置することは、「マイナス2%の利回り」でお金を預けるという残念な行動に匹敵するわけです。

この場合、たとえば1000万円は、翌年には980万円、翌々年には961万円、……そしてこれが10年続けば、820万円の価値しかなくなります。通帳に印字される残高は1000万円のままなのですが、実質的には180万円分の価値が消えてしまっているのです。

政府が掲げている2%インフレが、ほんとうに実現するのかはなんとも言えません。これが実現したほうが日本のためになると私は考えていますが、日本国内にもさまざまな意見があることは認識しています。

ただ、アメリカの中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は、これまでインフレ目標を掲げて、アメリカ経済がある程度のインフレ率を維持できるように配慮してきました。

今後、同じことが日本でも起きてくる可能性は十分にあるでしょう。だとすれば、「預金だけ」というのは資産防衛策としてはあまりにも危険であり、おすすめできません。

2%のインフレ環境下では、2%の利回りで資産を増やして初めて、プラマイゼロをキープできることになります。今後の日本の経済環境を踏まえれば、資産が資産を生むしくみの構築(=資産形成エンジンの改造)は、人によって程度の差こそあれ、やはり不可欠なのだと思います。

【執筆者紹介】岩崎淳子(いわさき・じゅんこ)ファイナンシャル・プランナー/米国公認会計士/パーソナル・ファイナンシャル・スペシャリスト(CPA/PFS)/Smart & Responsible代表。上智大学ドイツ語学科を卒業後、NTTに入社。米パデュー大学大学院 経営科学修士。ガートナーなど外資系IT企業にて、マーケティング戦略やアナリスト業務を経験したのち、2000年、夫の転職を機に米バージニア州に移住し、2歳児の子育てと家事を担当する専業主婦へと転身。大学で工学を教える夫が、家計に関わる余裕がなかったことから、自身の役割を「一家を支えるCFO」と再定義。仕事で培ったリサーチ・分析の能力を武器にしながら、独学でCPAとPFSの資格を取得。2011年、自身の苦労した体験に基づき、個人向けファイナンシャル・プラニングを行う「Smart & Responsible」を立ち上げ。主婦と専門家の2つの視点から、効率的な家計システム構築のヒントをアドバイスしている。現在、米カリフォルニア州在住。聖書をこよなく愛するクリスチャン。初の著書『お金が勝手に貯まってしまう 最高の家計』を出版。