あの有名な『大文字焼き』を初めて見に行った。
正式には五山の送り火というらしい。僕はあまりにも無知で、
大文字焼きだけかと思っていたら、他にも妙法、船形、左大文字、鳥居形と
合計５つの送り火があり、それで『五山の送り火』というのだと、
最近になって知ってしまった。
先祖霊の鎮魂儀式として、平安時代から伝わるという話もあり、
祇園祭りと並び、京都を代表する、歴史的な重みのあるイベントである。
特に今年は震災で多くの人が亡くなったこともあって、
その供養に、送り火で燃やす護摩木(ごまき)と呼ばれる
ご神木に全国から多くのメッセージが書き込まれた。
夜8時の大文字の点火から始まり、
10分おきに次々と点火されるが、それぞれ30分の時間のみ
見ることが出来る。その意味で短くも儚いところがまた特別感をもたらす。
そして、ちょうと絶妙なタイミングと位置に、
満月が妖艶な光を輝かせており、大文字と見事なコラボを
繰り広げたのには感動した。
浴衣姿の多くの見物客、観光客で賑わいを見せ、
花火大会並みの人混みとなっていたが、メインの大文字焼きは比較的
広いエリアから見物出来るということもあって、京阪線の出町柳駅近くの
河原からゆっくり見ることが出来た。残念ながら、他の文字は見えなかったが、
初心者としてまず大文字焼きを押えられたので十分だ。
2011年、節電もあいまった、記録的に暑い夏の
束の間の安らぎであった。
