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ブルース・リー映画の世界 (前編) “ドラゴン”4連発

これまでブルース・リーに関して幾つかのブログでふれてきたが、今回は純粋に彼の映画に関して2回に分けて語ってみたい。彼はメジャーな映画作品としては5作品をこの世に残した。製作年度順に下記記載する (最後のカッコ内は僕の好きな順番)。

1971年 「ドラゴン危機一発」(The Big Boss) (5)
1972年 「ドラゴン怒りの鉄拳」(The Fist of Fury) (3)
     「ドラゴンへの道」(The Way of the Dragon) (1)
1973年 「燃えよドラゴン」(Enter the Dragon) (2)
1978年 「死亡遊戯」(The Game of Death) (4)

「燃えよドラゴン」
この映画はあまりにも有名で、アクション映画史上における輝かしい金字塔/傑作である。その後「燃えよデブゴン」など、世界で様々なパロディー映画の元になり、”ドラゴン”、又は”燃えよ”とタイトルに付くオマージュ映画の数々を産んだ。これは彼の主演第4作で、香港の映画会社ゴールデンハーベスト社(後にジャッキー・チェンやMr. Booなどを輩出した会社)とハリウッドのメジャー映画スタジオ、ワーナーブラザーズの合作映画であり、まさに初めてのハリウッド級大作となった。映画としては実に完成度が高いが、晩年過酷な日程の中、まさに命を削りながら執念で作りあげた映画である為、肉体的には少し痩せ始めており(と言っても凄いが)、かなりの殺気と悲壮感が全編に漂う作品になっている。但し、ブルース・リー映画をあまり見たことが無い人には最初に見るべき作品ではある。

「ドラゴンへの道」
香港映画として初めてイタリア/ローマロケを敢行し、ブルース・リー自らが主演・監督・脚本・武術指導を担当した主演第3作だが、僕の最も好きなブルース・リー映画だ。映画全体としては燃えよドラゴンのような完成度は無いが、少しお茶目なブルース・リーが見られる貴重な映画で有り、彼のピーク時の肉体美を見ることが出来る作品でもある。またチャック・ノリスと最後20分にも及ぶ壮絶な格闘シーンはブルース・リー映画の中でもベストワンだ。

「ドラゴン怒りの鉄拳」
主演第2作のこの映画は、日露戦争に勝利した大日本帝国が統治していた上海を舞台にした作品で、かなりの反日映画だが、ブルース・リーのインパクトがそんな要素も吹っ飛ばしてしまう、正義の怒りに満ちた傑作だ。ここでは特に日本の空手道場に単身で乗り込んで、敵を次々に素手で、キックで、ヌンチャクでなぎ唐オていくシーンは圧巻だ。彼のトレードマークであるヌンチャクと”アチョー”の怪鳥音が初めて登場する記念すべき作品でもある。

「ドラゴン危機一発」
主演第1作で、タイにロケを慣行して低予算で制作した素朴な映画だが、若き日の初々しいブルース・リーを見ることが出来る貴重な作品。アクションも派手さは全く無いが、彼の天才的なまわし蹴りやパンチの切れ味は充分に堪能出来る。競演の女優マリア・イーがかなり可愛いが、彼女はこの作品以外数本に出た後結婚して映画界を引退してしまった模様だが、本作の日本公開当時の1974年頃は、日本でもかなり彼女の人気は高かったらしい。こんな低予算な映画ではあったが、香港で公開された当時、興行収入記録を塗り替えて大ヒットし、ブルース・リーは一躍香港の大スターの仲間入りを果たした記念すべき作品である。

コメント一覧

antenna88
Akiさん、いつもコメントありがとうございます! 日本では燃えよドラゴンが最初の公開作品で、この大ヒットにより、それまで香港で製作されていた過去3作が日本にも輸入された形でした。だから、日本のファンが彼を知った時、彼はもはやこの世の人ではなかったのです。ちなみに裏話として、貴殿の好きなジャッキーチェンは僕も大好きですが、彼は燃えよドラゴンでは、リーに首を折られるエキストラ役、ドラゴン怒りの鉄拳では、スタントマンとして映画に登場しています。ただ、ジャッキーが鼻を何度も骨折し、彼のトレードマークでもある"デカイ鼻"になる前なので、イマイチどれが彼だかわかりにくいです(笑)。ジャッキーチェンはリーとは違う意味で、下積みも長く苦労人だと思いますが、また彼もリーと違う形で世界のアクション映画のスタイルを変えた偉大な人物だと思ってます。あとご存知かもしれませんが、ドラゴン怒りの鉄拳の続編はジャッキー主演の映画です(これは酔拳などよりもっと前の初期作品ですが)。
Aki
勉強になります。
今回のブログを読んで分かったのが、「燃えよドラゴン」が最初のブルースリー映画じゃなかったのですね。 確かにハリウッド以外の映画で、途中のシリーズが評判良く、後追いで過去の作品を上映するというケースがままありますが、ブルースリーの映画はまさにその路線だったわけですか。 しかし、貴殿も述べている通り白人から見れば黄色い猿でしかなかったアジア人が認められたのもブルースリーのおかげですね。

私の場合香港カンフー映画といえばジャッキーチェンになるのですが、彼の場合はブルースリーとは路線を画しているので、それはそれで味があると思います。 ただ、ジャッキーもブルースリーという香港カンフー映画のヒットがあってこそなので、偉大なのはやはりブルースリーですね。

映画撮影時の裏話をしらないので、肉体のピークとか過酷な状況の中での撮影、ということを念頭においてこの映画を見ていなかったのですが、このブログを読んで見てみたくなりました。 最近はどうか分かりませんが、香港映画の撮影は競争社会ということもあり過酷の様ですね。 休みなどないと聞きますし。 アクションスターはそれこそ身を削りながら撮影しているので、かなりの精神力がないと難しいと思います。 それから比べるとハリウッドはまだまだ優雅かと思います。(ただし最近の戦争モノの映画はリアリティを求めるため、俳優の訓練所を設けているほどですから、これはかなり厳しいと思いますが)

この様な「をたく」ネタ、今後も期待しています。
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