プラネタリズム

ども、遊星です。世の中のもろもろを風景にして書き連ねる

頭脳パン

2006-01-08 19:33:29 | Weblog
「頭脳パン」というパンがある。
伊藤製パンが出しているパンで、学生のころよく食べていた。
今でも、コンビニなどで見かけると買ってしまう。このパン美味しいのだ。

考えてみれば、世間は受験シーズン。この頭脳パンにも、「ガンバレ受験生キャンペーン」として、おみくじがついている。

ただ、昔の頭脳パンと、今の頭脳パン、違っている部分がある。
今の頭脳パンには、「頭脳パンとは何か?」という説明書きが一切入っていない。
ただ、ホームページのアドレスが載っているだけである。

なるほど、詳しくはホームページを見ろということか。時代も変わったものだ。

【伊藤製パン】頭脳パン

ホームページによれば、
・「頭脳パン」とは、「頭脳粉」を使用したパンのことである。
・「頭脳粉」とは、小麦粉100g中ビタミンB1を170ガンマー以上含有したもの
・小麦ビタミンB1が頭を良くするとは、「頭のよくなる本」などの著書がある林髞慶応大学教授(故人)の学説

ということがわかる。
さらにこの頭脳パンの歴史をホームページからひもといていくと、色々と面白いことがわかってくる。

まず、頭脳粉を使用した頭脳パンがこの世に登場したのは1955年頃。頭脳粉は特殊な製粉技術から生まれているため、頭脳パンおよび頭脳粉の品質を守るために「頭脳パン連盟」が1960年に発足。
同連盟の目的は、「パンを通じて日本民族の頭脳と身体の障害克服に寄与すること」であり、当時、中小の製粉メーカー10社が加盟していた。(現在は連盟としての活動はしていない。)

現在頭脳粉は石川県の「金沢製粉」で製造、頭脳パンは「伊藤パン」が関東で製造販売している。
伊藤パンでは連盟結成当時も頭脳パンを製造していたと思われるが、40年も前のことなので、残念ながら会社に詳しい記録が無い。

伊藤パンは1992年、「頭脳パン」を復活させる。
以後、独自の商品開発を行い、数々の新しい製品を世に送り出している。
2001年には頭脳パンが受験生グッズとして注目を浴びる。
日経トレンディ(2003年9月号)によれば、頭脳パンが日本一売れる売店は上智大学11号館地下の売店、2位が東京大学購買部
で、少なくとも、頭のいい人が好んで食べているということがわかる。

しかし、商品のコピーに関しては苦労のあとが見え、「頭脳パンを食べてあたまをよくする」という意図のコピーが、当初から「誤解を与えかねない」と指摘されていたようだ。

結果的に、現在の商品では、頭脳パンの由来どころか、頭脳粉についても一切触れられていない。

だから、現在の頭脳パンの位置はちょっと微妙だ。

せめて「頭脳粉」を使用している、という趣旨の説明がされなければ、ただのへんてこりんな名前のパンになってしまいますから。

頭脳パンに愛をこめて

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