プラネタリズム

ども、遊星です。世の中のもろもろを風景にして書き連ねる

バイオな話(2)

2006-02-28 23:00:47 | life
遺伝子組み換え作物における、遺伝子組み換え技術については、クローン技術と同様に、神の領域に踏み込んだものと言え、実際に消費者団体等からの批判にさらされています。

ただし、遺伝子組み換え技術によって、人間に有用な性質を持った作物が生まれていることは確かであります。

それでは、遺伝子組み換え技術に反対する人たちの、その理由は何なのでしょうか。
おそらく、遺伝子組み換え作物が生態系を乱してしまうのでは、という、「得たいの知れない不安感」があるのでしょう。
実際に、国内で遺伝子組み換えナタネが、道ばたで自生していることが確認されています。

そもそも、DNAの二重らせん構造が明らかとなったのはほんの50年前のことなのです。

人間に都合の良い部分だけを利用して、あとで自然からしっぺがえしをくらう。
これはまさにこれまでの歴史が繰り返してきたことでしょう。

バイオな話(1)

2006-02-27 22:49:44 | life
遺伝子組み換え作物が、安全かどうかなんてことは、私にはわかりません。

ただ、遺伝子組み換え技術というのは、人間に都合の良い、「夢のような」技術であることは確かです。

ただしこの、「夢のような」という言葉は、科学においては、ちょっと注意が必要なわけですね。

かつて、「夢のような化学物質」とよばれたものがありました。フロンガスです。

フロン類は、化学的性質が安定なため、さまざまな用途に用いられましたが、オゾン層を破壊するとして、製造・輸入が禁止されたのは周知のとおりです。

また、「夢の薬剤」とされたDDTについては、殺虫効果を発見した科学者がノーベル賞まで受賞していますが、その後、残留性が非常に高いことから問題視され、現在、日本国内においては製造・使用が禁止されています。

ネオテニー説について(1)

2006-02-26 22:38:14 | life
「進化」とはなんだろうか。

大辞林(三省堂)によれば、

「生物は不変のものではなく、長大な年月の間に次第に変化して現生の複雑で多様な生物が生じた、という考えに基づく歴史的変化の過程。種類の多様化と、環境への適応による形態・機能・行動などの変化がみられる。この変化は、必ずしも進歩とは限らない。」

とある。進化論と呼ばれるものはいくつもあるが、必ずしも一つの進化論で、すべてが説明できるとは限らない。

昆虫の擬態などは実に巧妙で、長い年月の末に獲得したものとはいえ、「自然選択説」や「突然変異説」などで語られるほど生やさしいものではないだろう。

では、「進化」の反対は何であろうか。

地球の生物が、長い年月の末に現在の多様な生態系に至ったとすれば、現在の我々もまた地球の歴史の一部である。

そしてまた、現在も我々は進化の過程にあるといえる。

「進化」の語義からすれば、「進化」は一方向にのみ進み、「退化」もまた「進化」の一部である。

進化の過程に退化が存在しうるからである。

その意味では、「進化」の反対は「退行」である。

例えば、サルからヒトへ進化したときに、尻尾は退化したとされる。

この「サルからヒトへ進化した」ということについて、サルの幼形がそのまま成熟してヒトになったというのがネオテニー説である。

ネオテニー説は、ヒトの脳の容積や、ヒトの体毛が無いことなど、ヒトの特徴について、発生生物学的に説明してくれる。

その意味では、少々ショッキングな言い方であるが、我々は、「未熟なサル」なのである。




F1開幕までのあれこれ(1)

2006-02-24 21:47:50 | 乗り物
ベルギーGP、開催中止が決定(F1-live.com)

FIA、ベルギーGPの代替開催を否定(F1-live.com)

3月12日の開幕バーレーンGPまで、あと少しとなったF1。
駆け込み参戦となったスーパーアグリチームが、まず、グリッドに2台を無事並べることができるのか、が目下の関心事です。

FIAの発表により、サーキット施設の改修計画が思うように進んでいないことから、9月17日に予定されていたベルギーグランプリが中止されることが明らかとなった。

また、別のサーキットでの代替開催も考えていないことも報道されています。

富士スピードウェイでの開催というのも期待されるところですが、日本では今年も鈴鹿サーキットでF1が開催されますので、同一国での複数回のF1開催というのは現実的に見て、無いでしょう。

メール打ちすぎで障害:英国だけで年間380万人

2006-02-23 22:35:13 | Weblog
メール打ちすぎで障害:英国だけで年間380万人(HOTWIRED)

携帯メールの打ちすぎで、指の痛みの障害を持っている人が、結構いるみたいです。
実は私も、親指が痛いんです。原因はわかってます。プレイステーションやってたからです。

プレイステーションのアナログコントローラーっていうのは、よく出来ていると思いますが、やっぱりちょっと親指を酷使しすぎるんですよね。

反復運動過多損傷(RSI)って言うみたいです。

マウスやキーボードの使いすぎによる、手首トンネル症候群ていうのもありますよ。
現代人の病気ですね。

カニはなぜうまいのか?(2)

2006-02-22 19:22:08 | life
ウニの可食部は生殖腺である。

日本人の我々にとってみれば、寿司ネタとしてなじみがあるが、動物の生殖巣を我々は好んで食べているわけで、考えてみれば残酷な話である。

しかも、ウニの体にはたくさんの棘があり、外観はグロテスクで、とても食用に向かない生き物に思える。

最初にウニを食べようと思った人は、とても好奇心の強い人か、とても飢えていた人かどっちかですね。

カニはなぜうまいのか?(1)

2006-02-21 22:03:50 | life
goo注目ワード ピックアップ・・・プリン丼 (goo注目ワード) - goo ニュース

カニやウニはなぜおいしいのだろう。
人間が育種したわけではないのに。

カニはもちろん、人間に食べられるために生まれてきたのではない。
にもかかわらず、カニの筋肉やカニ味噌は、なぜ人間に好まれる味になっているのか。

素朴な疑問だが、この疑問に関しては、
味の素のホームページ中の、アミノ酸大百科で説明がされています。




トリノ考(2)

2006-02-20 19:24:01 | Weblog
トリノ五輪、古い話ですが、開会式、よかったですねー。
イマジンのくだりは必要だったのかどうかっていう部分もありますが。
商業主義的なものへの批判をかわすための、平和的演出をしたかったのでしょうか。

さて、フィアットの本拠地ということで、工業的な演出や、頭から火を吹くレーサー的なスケーターの演出は理解できましたが、F1マシンそのものが出てきたのには目を疑いました。
オリンピックというものと、F1というものは、一般人の発想ではまずつながりませんからね。

ルカ・ディ・モンテゼモーロ会長も来てましたけど、かなりスポンサーとしての役割も果たしているんでしょうか。

最後のパバロッティは最高でしたね。健在な姿を見れてよかったです。
NHKの中継が一番いいところで切れたのには、脱力してしまいましたが。

吉野家、牛丼へのこだわり(8)

2006-02-18 21:32:39 | life
狂牛病をはじめとする、伝達性スポンジ状脳症は、いわゆる「共食い」によって伝染する。

ヒトではクロイツフェルト・ヤコブ病が知られているが、類似した疾患に、「クールー病」というものがある。

 クールー病はニューギニア島東部のフォレ族という高地民の間に流行した病気で、クロイツフェルト・ヤコブ病とよく似た神経症状を示す。
興味深いのは、フォレ族が行っていた習俗である。フォレ族には、部族の中に死者が出ると、これを悼んで死者の体を食べる風習が続いていた。いわゆるカニバリズムである。クールー病は、ヤコブ病にかかった患者の脳を、残った者が口にしていたことで広まったと推測できる。

病原体がどんなものであれ、狂牛病は、「共食い」に対する神様の戒めに思える。

吉野家、牛丼へのこだわり(7)

2006-02-15 21:39:37 | life
伝達性スポンジ状脳症が怖いのは、異なる宿主間でも感染する可能性があることである。
羊ではスクレイピー病、牛では狂牛病、ヒトではクロイツフェルト・ヤコブ病。
感染すると、長い潜伏期間ののち、発症し、神経器官が侵され、再起不能になる。
抗体反応もなければ、治療薬もない。

もともと、羊のスクレイピー病が知られていた。そしてスクレイピー病に侵された羊の肉骨粉が牛の飼料として給餌されたことから、狂牛病が発生したと見られている。
狂牛病に感染した牛が、廃棄処分される過程で肉骨粉となり、また牛の飼料として使われたことから、狂牛病が広まったというのが定説だ。

イギリスを中心として、肉骨粉は、ミルクの代用飼料として子牛の頃からエサとして与えられていた。
肉骨粉は、「羊、牛、豚などの家畜から食用肉を切り取った残りの部分の廃物やくず肉を集めて加熱し、有機溶剤で脱脂した肉かすを乾燥させ粉末としたもの」で、いわば廃棄物を利用した“リサイクル”である。タンパク質源として有用であったが、牛にとってみれば、これはある種の「共食い」である。