プラネタリズム

ども、遊星です。世の中のもろもろを風景にして書き連ねる

新宿御苑にて~その3~

2006-12-21 22:29:47 | 日記・随想
歴史をたどってもわかるように、新宿御苑の前身である内藤新宿試験場・新宿植物園の時代は、我が国の近代農業にとって、重要な役割を果たしました。

現在食用にされているイチゴは、品種的な分類ではオランダイチゴの部類になり、日本への渡来は江戸時代末期、1830年代に、長崎に伝来したものに由来している。

しかし、栽培が定着したのは1900年に近くなってからで、イチゴの栽培の歴史は、たかだか100年余りなのである。

イチゴの品種改良に重要な役割を果たしたのが、明治31年に御苑の責任者となった福羽逸人である。

福羽は明治22年(1889)にフランス・アメリカからイチゴの品種数種を持ち帰り、日本の風土のなかで選抜し、ゼネラルシャンジーという品種を親として、その名も
「福羽」というイチゴを1899年に登場させた。

この福羽イチゴは、昭和40年代まで営利栽培され、現在栽培されているイチゴの品種の源流ともなっているほどで、言わば我が国でのイチゴの育種のパイオニア的存在なのである。

新宿御苑にて~その2~

2006-12-19 21:10:33 | 写真・風景
新宿御苑のある場所は、江戸時代は信濃高遠藩内藤家の下屋敷だった。
明治に皇室の庭園として造営され、第2次大戦後、新宿御苑として一般に開放された。

新宿御苑となる以前、この土地は日本近代農業の振興を目的とする「内藤試験場」として整備され、その後、「新宿植物御苑」となってからも、果樹・野菜などの栽培研究は継続され、我が国で初めての温室を用いたラン等の花卉の栽培も行われた。

(つづく)


新宿御苑にて

2006-12-17 13:37:52 | 写真・風景
新宿御苑のイチョウに誘われて、200円払って御苑の中へ。

桜の時期は来たことはあったが、この初冬の時期もいいものだ。

折しも御苑は100周年ということらしい。
公式ホームページによれば、もともと明治期に皇室苑地として出発し、近代農業振興を目的とする農業試験場(内藤新宿試験場)を経て、明治12年(1879)には宮内省所管の「新宿植物御苑」となり、明治39年(1906)に「新宿御苑」と成ったらしい。

言われてみれば、園内には様々な植物が植えられ、温室には熱帯の植物やランなども育てられている。

けっこう歴史をたどって見ると面白い場所かも知れない。



人はなぜ指を組むのか

2006-12-13 22:11:47 | 日記・随想
日本の電車に関して言えば、座席に座った人はだいたい本を読んでいるか、ケータイをいじっているか、眠っていますね。
で、眠っている人のほとんどは、腕を組んでいるか、指を組んでいます。
これはどうしてだろうと、長らく疑問に思っていました。

で、こんな本を図書館で借りて読んだのですが

「ヒトはなぜ指を組むのか」(青木書店)

結局、なぜ人は指を組むのかということについては、疑問は解決しませんでした。

で、最近はこういう考えを持っています。

指を組むことや腕を組むことで、体の表面積を小さくして、余計な体温の低下を防いでいるのだと。

指というのは、基本的に常に空気に触れている(着衣に覆われていない)部位であって、しかも、表面積の比較的大きい部位です。

おそらく、
(1)指を組むことによって、一時的に手の表面積が小さくなり(空気に触れている部分が少なくなり)、体温の発散を防ぐことができるためでは?
ということと、
(2)「睡眠」と「体温の上昇、下降」とは密接な関係がある
ということから、何らかの説明ができそうですが、まだ全体の理論構築までには至っていません。

夢の値段のつづき

2006-12-10 14:33:05 | 日記・随想
さて、宝くじのからくりの話のつづき。

まずは例題。6人がそれぞれくじを引き、ひとつに当たりがあるとします。
くじを引く順番によって、当たりを引く確率はそれぞれどうなるでしょうか。

答えは、どの順番で引いても当たる確率は一緒です。
最初の人が当たりを引く確率は、1/6。
最後の人が当たりを引くのは、1~5人目までがはずれを引く確率と一緒なので、
その確率は、
5/6 × 4/5 × 3/4 × 2/3 × 1/2 = 1/6
で、やはり1/6です。

宝くじを買う時は、何か幸運にあやかりたいものなので、群集の心理として、
過去に当たりが出た売り場から買いたいと思います。

当たりが多く出るという宝くじ売り場に、行列ができるのは次のメカニズムによります。

(1)過去に当たりが出たということで売り場が有名になる
(2)売り場に人が行列をつくる
(3)そこの売り場の売り上げがあがる
(4)宝くじを多く売った分だけ、当たりが多く出る
(5)当たりが多く出たということで、また有名になる
この繰り返しです。

先の例題から考えれば、どの売り場から買っても、宝くじの当たる確率は一緒です。

さて、宝くじは全国の自治体が発売し、その収益は公共事業等に使われる、ということが宝くじにも明記されています。

つまり、我々が「夢の対価」として払ったお金が、公共事業という現実的なものに巧妙に変換されているわけです。

そう考えれば、宝くじ売り場に行列をつくる人々は、公共事業に投資するために行列をつくっている人々、とも見れますね。