売れない作家 高村裕樹の部屋

まだ駆け出しの作家ですが、作品の情報や、内容に関連する写真(作品の舞台)など、掲載していきたいと思います

『幻影2 荒原の墓標』第28回

2014-07-26 23:53:27 | 小説
 今回は『幻影2 荒原の墓標』第28回です。
 美奈たちは長野県の南木曽岳に登ります。
 以前にも書きましたが、上ノ原の登山道の付近が、先日の台風8号で大きな被害に遭いました。
 最近大雨による被害が、日本各地で起こっています。
 大規模災害が起こりそうな異常気象をいち早く予測し、被害を最小限に抑えることができるようになればいいと思います。


            7

 八月二三日、北村、三浦、優衣、美奈の四人の即席パーティーは、長野県の南木曽岳に向かった。天気は予報通り、晴天だった。ただ、午後夕立の可能性があるという。
 七時一四分、美奈は高蔵寺駅から電車に乗り込んだ。朝六時過ぎに起床した。美奈にとっては深夜ともいえる時間だった。弁当は昨日の出勤前に握り飯などを作り、冷蔵庫に入れておいた。
 昨夜も仕事が終わってから、恵たちとファミレスに寄った。軽く食事をとりながら、明日は事件の関係者と南木曽岳に登るということをみんなに伝えた。
「え、大丈夫? 危険じゃない?」 と恵が心配そうに尋ねた。
「三浦さんも一緒だから、大丈夫ですよ」
「そっか。愛しの君が一緒なら、平気よね」
 みんなはもう三浦と美奈の関係を知っている。美奈が年内をめどに、オアシスを退職することは、すでに美貴や裕子にも伝えてあった。いつまでも内緒にしているのは、やはり友として水くさい。美貴も裕子も美奈を祝福してくれた。
「ただ、本当に事件と関係があるかどうかは私にもわからないんです。もしお兄さんのことで何かわかれば、裕子さんにも伝えますね」
「よろしくお願いします」
 南木曽岳でもし秋田宏明についてわかることがあれば、それはよくないことだろう。しかしそれがたとえ悲しい知らせであろうとも、裕子は兄のことを知りたかった。
 明日は美奈は朝が早いので、食べ終わるとすぐにお開きとなった。

 美奈は高蔵寺駅まで歩くつもりだった。しかし六時前に起きる予定が少し寝過ごし、時間が押し迫ってきたので、やむなくバスに乗った。通勤時間帯なので、バスの本数は多かった。
 電車は多治見方面に通勤する人で込み合っていた。とはいえ、名古屋に向かう電車に比べれば、ずっと楽だった。夏休み中なので、高校生や大学生は少ない。
 美奈は車両を移動して、三浦たちを捜した。三浦たちは名古屋駅から乗ってきている。三人は一つ後ろの車両にいた。美奈は三人に挨拶をした。優衣とは初対面だった。
「あれ、ミクさん、今日はいつもと感じが違いますね」
 仕事のときとは全く違う、地味な雰囲気の美奈に、北村は驚いた。山に登るので、化粧もごく薄くしかしていない。メガネをかけた美奈を見るのも初めてだった。今日はメタルフレームのメガネだ。素顔の美奈は、地味な顔立ちではあるが、どことなく気品が漂っている。ちょっとした化粧で、非常に美しく見える顔立ちだ。
「いつもは営業用の顔です。これがふだんの私です」
「いや、驚きました。でも、素顔のミクさんもすてきですよ」
 優衣は大きなタトゥーを入れているソープレディーというので、もっと派手な、けばけばしい感じの女性を想像していた。しかし第一印象は全く違っていた。髪も風俗を職業とする若い女性としては珍しく、染めていない。OLをしている優衣は、髪を濃い栗毛色に染めている。目立っているのは、小鼻の左側にあるピアスぐらいだ。しかしそれも地味な感じの美奈には、いいアクセントになっている。彼女が週刊誌を賑わせた“現代の毒婦”だとは、とても信じられなかった。
「初めまして。徳山優衣です。今日はご足労をかけて、すみません」
「木原美奈です。私こそ図々しくついてきてしまい、迷惑おかけします。よろしくお願いします」
 美奈と優衣は、初対面の挨拶を交わした。そのとき座席から立ち上がった優衣を見て、一七〇センチ以上ある恵より、さらに背が高いと美奈は感じた。
「ミクさん、本名は木原みなというのですか?」
 二人の自己紹介を聞いていた北村が確認した。本名を聞くのは初めてだ。美奈もここでは、オアシスの個室での呼び名である高村ではなく、北村先生と言った。そのへんの使い分けは、美奈も心得ている。
「はい。美しいという字と、奈良の奈で美奈です」
「木原美奈さんか。いい名前ですね」 と北村が美奈の名前を褒めた。
 電車の中で、優衣は登山は鈴鹿の藤原岳、御在所岳の二度経験があると語った。いずれも登山好きの職場の同僚に連れて行ってもらったそうだ。御在所岳は登りをロープウェイ、下りに中道を利用したが、きつかったと言った。
「下りのほうが楽そうに思えますが、脚への負担は下りのほうがずっと大きいですよ。それに、中道は景色はいいですが、御在所の登山道では最も急峻なので、下りに使うことはあまり勧めません。事故がなく下山できて、よかったですね」
 北村がいろいろ登山の蘊蓄(うんちく)を披露した。
 電車は中津川乗り換えだ。接続がよく、すぐに南木曽行きに乗ることができた。電車は木曽川に沿って進む。ほどなく南木曽駅に着いた。
 南木曽岳には、南側の尾越(おこし)のバス停の近くにある蘭(あららぎ)キャンプ場からと、北の上の原の二つの登山ルートがある。キャンプ場からのルートは急峻で、鎖場やはしごなどもあり、登山初心者の優衣にはきついので、上の原からの往復の道をとることにした。上の原ルートは行程が長く、体力を要求される。優衣は高校時代はバスケットボールをやっていたので、体力には自信があるとのことだ。
 上の原から登る場合は、南木曽駅から徒歩となる。北村、優衣、美奈、三浦の順で隊列を組んだ。優衣以外は、南木曽岳に登山経験がある。登山のパーティーでは、先頭にサブリーダー、最後尾にリーダーを、そして二番目に最も体力の弱い人を配するのが一般的だ。優衣は体力はあるが、登山の経験が少ないため、その位置になった。
 駅からしばらく車道を歩き、中央本線を跨いで一〇分ほど行くと、読書小学校の前に出る。読書と書いて、よみかきと読ませる。小学校らしい名称だ。現在の南木曽町(なぎそまち)大字読書に該当する旧読書村(よみかきむら)は、与川村(よがわむら)、三留野村(みどのむら)、柿其村(かきぞれむら)が合併してできたのであるが、それぞれから一字ずつ取り(与三柿(よみかき))、読書という字を当てはめて名付けられた。
 その後、読書小学校は二〇〇七年に、蘭(あららぎ)、田立(ただち)小学校と統合し、南木曽小学校となっている。

 

 等覚寺という大きな寺を越え、しばらく歩いて、やっと登山口を示す道標が見えた。その道標の横には、“南木曽岳自然環境保全地域”という、略図を添えた大きな表示があった。登山口から三〇分ほど歩き、二つめの鉄塔のところで最初の休憩を取った。体力には自信がある優衣ではあるが、最近あまり運動していなかったためか、辛そうだった。汗もびっしょりかいている。まだ標高が低いので、気温は三〇度近い。日陰では五度ほど低く、そよ風が吹くと心地よい。そこから眺められる山頂は、まだはるか彼方なので、先が思いやられそうだと優衣は覚悟した。
 北村に歩く速度を落としてもらった。優衣も歩いているうちに、だんだん山歩きのペースをつかんでいった。登山道では、他のセミの声に混ざって、ずっとヒグラシの鳴き声が続いていた。ツクツクボウシも鳴き始めていた。
 さらに一時間ちょっと歩くと、大きな木が茂るところに来た。それまでのヒノキの人工林とは、趣を異にした景観だ。山と渓谷社の登山ガイドブックでは“巨大樹の森”と形容されている。ブナを中心に、カシやミズナラなど、何百年もの年輪を刻んだような、見事な大木が続いている。
「わぁ、すごい。なんか、おとぎの世界の魔女の森にでも迷い込んだみたい」
 初めて巨木が林立する森を見て、優衣が感動した。美奈もこの森に来るたびに、その迫力に圧倒される。北村は樹齢四〇〇年以上と推定される、大きなミズナラの幹に両の手のひらを当てた。

  

「こうしていると、巨大な木の生命エネルギーをもらえるような感じがしますよ。僕はここに来ると、いつもこうして巨木からエネルギーをもらうんです。でも、あのときは死ぬつもりだったので、そんな気にはならなかったけど、帰るときはいっぱいエネルギーをもらってきました」
「その声を聞いたのは、この近くなんですか?」 と美奈が尋ねた。
「確か、ここから登山道を逸れて、少し下っていったところです。でもそこに寄るのは、帰りにしませんか? まずは優衣さんに、南木曽岳からの雄大な景色を見せてあげたいのです」
 北村が提案した。三浦は遊びに来たわけではないが、頂上に寄っていくのはかまわないだろうと思い、反対はしなかった。そこでしばらく休憩して、水分を補給したり、軽く菓子や握り飯をつまんだりした。
 それからしばらく、急な斜面を登った。倒木も多く、歩きにくいところもあった。クマザサの背丈がだんだんと高くなっていった。登山口の大きな案内板にあった、“木曽ヒノキの天然林”が多くなり、薄暗い樹林帯がやや明るい雰囲気になってきた。ときどき、コトトトトン、というリズミカルな音が何度も聞こえた。
「あれ、何の音ですか?」
優衣が不思議がって尋ねた。美奈が教えようとすると、北村が 「あれはキツツキが木をつっついている音だと思いますよ。近いところでは、春日井市の弥勒山なんかでも、たまに聞こえます」 と答えた。
「あれがキツツキなんですか? 本当にトントン木をつついているんですね。ウグイスの鳴き声や、キツツキが木をつっつく音など、山の中は自然の音がたくさんあるんですね」
 優衣は山の自然にもっと親しもうとでもするかのように、耳を傾けた。
振り返ると、木の間越しに所々で中央アルプスの勇姿が眺められ、疲れを癒やしてくれた。下山する男性二人とすれ違い、道を譲ると、 「どうもありがとう。あと少しですよ。頑張ってください」 と元気づけてくれた。
 やがて、三六〇度の視界が開ける、女岩(めいわ)のすぐ上にある展望台に出た。少し下のほうに赤い屋根の小屋が建っている。美奈はシュラフザックを担いで、その小屋で泊まったことがある。

  山頂付近の山小屋
  

「やったー、頂上だ」
 雄大な中央アルプス連峰や南アルプス、北アルプス、木曽の山々の大展望に、優衣はこれまでの疲れが吹き飛んだ。そこには山々の名前を示す案内板があり、山の名前を確認することができた。
御嶽山やアルプスの山並みが見える南木曽岳の眺望は、鈴鹿の山以上に素晴らしい。美奈は何度も南木曽岳を訪れているとはいえ、登るたびにこの景色には感動する。まだ夏休み中とはいえ、平日のためか、他に登山者がおらず、大展望を独り占めだった。休みの日に登れば、何人かの登山者に会うのだが、鈴鹿の山に比べれば、登山者は少ないようだ。
 日差しを遮るものが何もないので、直射日光は強いが、さわやかな風が心地よく、汗がすっと引く。名古屋なら三五度近い猛暑だろう。
「残念ながら、頂上はもう少し先ですよ。でも頂上は樹林に囲まれて展望がないから、ここでお昼にしましょう」
 北村が提案した。腕時計を見ると、もう午後一時に近かった。元来登山では、ピクニックとは違って、長い食事時間をとらない。休憩中に空腹具合に応じて、少しずつ食糧を補給する。長時間休憩し、一度にたくさん食べるのは、かえって身体に負担を強いることになる。美奈もさっきの“巨大樹の森”での小休止で、おにぎりを一つ食べ、それほど空腹感はない。
 優衣はお昼の休憩を心待ちにしていた。ただ、美奈が 「空腹になると、シャリバテするので、登山では、糖分が多いものを少しずつ食べるのがいいですよ」 とアドバイスし、優衣は巨大樹の森で休憩したとき、持ってきた弁当を少し食べていた。
 美奈がいつものようにコーヒーを淹れたので、みんなが喜んでくれた。しばらく休憩し、標高一六七七メートルの山頂には寄らずに、下山することになった。この展望台は、実際は二等三角点がある山頂よりもわずかに高く、一六七九メートルだ。優衣もこの大展望ですっかり満足した。
 優衣は美奈に、タトゥーを見せてほしいと頼んだ。いくらほかに人がいないとはいえ、山の上で裸になるのははばかられたので、袖をまくって、両腕の牡丹と蝶のタトゥーを見せた。
「きれいなものですね。私はあえて姉の遺体のタトゥーは見ませんでしたが、姉のものもきれいだったんでしょうね。そんなに美しいものなら、姉がやってみたくなった気持ちも、少しだけ理解できました」
 最近は街でもタトゥーを入れた人を見かける機会が多くなったとはいえ、優衣はタトゥーというものをじっくり見たことはなかった。赤やピンク、黄、青、紫などの、色とりどりの牡丹の花や蝶の艶やかな色彩に、優衣は驚いた。絵の具を使って、肌というキャンバスに、きれいに描いてあるようだ。これが生きた人間の肌に刻み込まれた絵だなんて、とても信じられなかった。
「お姉さんのタトゥーは、冥さんという女性アーティストが彫ったんですが、冥さんはとても上手なアーティストさんだそうです。きっと、とても美しい絵だったんでしょうね」
「え、女の彫り師さんがいるのですか?」
 優衣は姉の背中を飾った彫り師は、てっきり男性だと思っていた。
「今は女性アーティストは珍しくないですよ。私の絵も、全部女性のアーティストさんに彫ってもらいました」
 美奈の身体には、卑美子、トヨ、さくらの三人のアーティストによる絵が入っている。
「南木曽岳の景色も素晴らしかったけど、美奈さんのタトゥーもすごいですね。以前、週刊誌で見たんですけど、全身に入っているんでしょう? 週刊誌の写真は小さいし、白黒だったので、またいつか全身のを見せてくださいね」
「はい。でも、男の人がいないところでお見せしますね」 と美奈は約束した。
 下りは楽なように思えても、脚への負担が大きく、事故も起こりやすい。山での事故は、下山時のほうがはるかに多い。疲労がたまっているところに加え、山を下るときには、登りよりつい勢いがつき、転倒したり、滑落したりする。三浦は先頭の北村に、もう少し速度を落とすように指示した。北村が速く歩くと、その後ろを行く優衣もつられて速度を上げる。山慣れない優衣にとっては、急な下山道を急ぐことは危険だった。尾越に下るルートよりなだらかとはいっても、上の原への道もけっこう勾配がきつい。
 先ほどの“巨大樹の森”に来た。北村は登山道を逸れ、記憶を頼りに、不思議な声を聞いた場所に皆を案内した。
「急な斜面を下りますので、気をつけてください」 と北村は優衣に注意を喚起した。
「確か、このあたりでした。ここの木に寄りかかり、睡眠薬を飲もうとしたときに、『死ぬな』という叫び声が聞こえたのです。耳に聞こえたのではなく、心に響いた、というのがより正確かもしれません」
 ここが霊の声を聞いたところなのかと思うと、優衣は怖気(おぞけ)で身体がびくりと震えた。自分が一度その場に行ってみたいと言いだしたのに、来たことに後悔の念が頭をもたげた。山上のあの素晴らしい展望だけでやめておけばよかったと思った。霊の存在など信じないはずなのに、自分でも不思議だった。
「美奈さん、どうですか? 何か感じますか?」と三浦が問うた。
「そうですね。何か、言うに言われぬような、不安な感じがします。何だか、心を押しつぶされそうな、焦燥感のような。優衣さん、何か感じませんか?」
 顔を蒼白にして震えている優衣を見て、美奈が尋ねた。
「いえ、よくわかりません。でも、私も何だかおかしな気分です。前もって先生から話を聞いていたせいかもしれませんが。霊など信じていないはずの私が、怖いような、変な気持ちです」
 優衣は語る言葉も、少し震えていた。
「千尋さん、どうですか? 何かわかりますか?」
 美奈は心の中で千尋に問いかけた。
「今は邪悪な霊はここにはいません。ただ、その霊のものかどうかわかりませんが、かすかに残存した意識の痕跡を感じます。深い山の中の、小さな荒れ地に誰かが眠っています。ここからそんなに離れたところではありません。二五歳ぐらいで、右目の下に大きなほくろがある男性です」
 千尋はそう言った。美奈は千尋の言葉を三浦に伝えた。
「その埋められた男の怨念が、この事件を引き起こしているんでしょうか」
「はい、私はそう思います。そして、その埋められた人が、秋田さんだと思うんです。一度裕子さんに、お兄さんの右目の下にほくろがあるかどうか、確認してみます。今生きていれば二六歳と言っていたので、年齢的にも合っています」
「秋田さんというと、姉が付き合っていたかもしれない人なんですね。妹さんはゆうこさんというんですか?」
 三浦と美奈の会話に、優衣が加わった。
「刑事さん、以前言っていた心霊関係の顧問というのは、ひょっとしたら美奈さんのことなんですか?」
 会話に参加できないでいた北村が、その場にそぐわない、ピント外れの質問をした。三浦が言っていた顧問が美奈であることは当たっているのだが。
 やはり事件の発端となった怨霊は秋田宏明だったのだろうか。その可能性が高いことがわかっただけでも、今回南木曽岳に来たのは収穫だった。裕子にとっては辛いことだろうが。美奈は裕子の気持ちを考えると、つい涙を流してしまった。
 一行は午後五時前に南木曽駅に着いた。登山口から駅まで、少し距離があるので、次の電車に間に合うように、一般道では少しペースを上げた。八月も下旬となり、日没が早くなってきた。山間(やまあい)の地では、日が陰るのが早い。やはり上の原からの往復は道程が長く、時間がかかる。登山初心者の優衣が、体力があり、ペースを落とさずに歩けたのはよかった。心配していた雷雨がなかったのも、ありがたかった。
「辛いことも多かったけど、でも楽しかった。先生、また山に連れて行ってくださいね。美奈さんもまた一緒に登りましょう」
 優衣は苦しさを通り越したあとにある登山の醍醐味に、気付いたようだった。
 美奈は高蔵寺駅で三人と別れた。今度は事件を離れて、ゆっくり話をしようと優衣と約束した。北村が 「名古屋まで来て、みんなで夕食でもどうですか?」 と誘った。しかし今回は三浦にとっては捜査の一環でもあり、また別の機会にみんなで集まりましょう、ということになった。
 優衣は最初、美奈をソープレディーと軽蔑する気持ちもあった。しかし今日一日美奈と一緒に行動し、職業だけで人を判断することは過ちだということに気付いた。少なくとも、美奈に関しては。美奈なら、友人としてずっと付き合っていけると思った。


 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿