Act II: Don Carlo 1986 (Don Carlo/Eboli/Rodrigo) Part 1
ヴェルディ「ドン・カルロ」から・・・スペイン皇太子ドン・カルロはかつての婚約者であり今は政略結婚により父のスペイン皇帝の王妃となり継母であるエリザベッタを忘れられない。
宮廷の庭で、カルロはエリザベッタと思いこみ、公女エボーリに愛を告白してしまう。
公女エボーリはスペイン宮廷第一の美女でプライド高く、宮廷内での権謀に長ける女性、以前からカルロに勝手に恋をしているが、カルロが自分に愛を告白したと喜ぶ。
しかし、エリザベッタに間違われたと知ったエボーリの怒りは大きく、カルロとエリザベッタの間を誤解し、中傷する。
エボーリの怒りはヴェルディは高音の弦楽器が悲劇的な効果を書いているように思える。
一途な女の悲しさと愚かさが表現されていて、悪女ながら大変悲しいのだ。
そこへカルロの親友、ロドリーゴが出てきてエボーリを「悪女」とののしりカルロを護ろうとする。
「殺すなら殺してごらん!」というエボーリの悲痛な声に、ロドリーゴは短剣を落とす。
「私の力がいかに大きいか思い知るがよい!」と怒りを爆発させて退場するエボーリ、とまどうカルロ・・・。
この悪女エボーリは、神々しい王妃エリザベッタと対照的に政治力をもつ、いわばキャリアウーマンである。
自分の美貌や権力をもっても皇太子カルロに愛されない悲しみが強い態度や言葉が、かえって痛々しい。
カルロにテノールのカレーラス、ロドリーゴにバリトンのカップッチッリ(私は彼のファン)、エボーリにメッゾ・ソプラノのバルツアが歌う。
指揮はカラヤン、オーケストラはウイーン・フィル・ハーモニー。ザルツブルグのライブ。
☆登場人物はすべて歴史上の人物である。
☆☆ さらりんさまに捧げます♪
さらりんさまの「ドン・カルロ」評、感動しました。
またそれを載せたいとおもいます。