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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本初のアニメ映画 「桃太郎 海の神兵」

2013-06-19 05:42:00 | Weblog
「日本最古?!55年前のテレビアニメ発見」という新聞記事(「産経新聞」6月18日首都圏版第二社会面)があった。うっかり屋の僕は”テレビアニメ”の”テレビ”を見落として、これはおかしいのではないかと一瞬、思った。日本最古のアニメ映画は昭和20年4月公開された「桃太郎 海の神兵」であり、僕はこれと勘違いしたのだ。

「桃太郎 海の神兵」(瀬尾光雄監督白黒74分)は昭和17年、日本海軍がインドネシアのセレベス島メナドに落下した最初の落下傘部隊を題材にしたもの。桃太郎司令官の下で、イヌ、サル、キジのほかクマ、ウサギなども登場、鬼にみたてた米国兵をやっつける、という筋書きだ。僕はこの漫画映画を東京五反田の映画館で見たのを今でも記憶している。

この映画はVHSでネットでも見られるそうだが、残念ながら「戦争」がからんでいるせいかあまり、一般にはしられていない。僕ら昭和1ケタ世代は、この映画に限らず、少年少女時代の「文化」を戦後、全部取り上げられた恰好の不幸な世代である。最近、戦争絵画を沢山描いたという理由から「戦犯」扱いされていた藤田嗣治画伯が再評価されているそうだ。改めて藤田画伯のアツッ島玉砕の絵を見ると、戦争の悲惨さが見る者に訴えるものがある。軍歌にしてもそうだ。戦争末期流行した”いざこいニミッツ、マッカサー、出てくりや地獄へ逆落とし”(比島決戦の歌)といった馬鹿げた歌もあったが、これも後世に伝える戦争文化の一端だ。戦争をすべて悪として当時のものを抹殺するのは、果たしてどんなものであろうか。