ビター☆チョコ

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ダークナイト

2008-08-11 | 洋画【た】行

ゴッサム・シティは、バットマンことブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)が
ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)の助けを得て犯罪集団をおさえこみ、平和を取り戻したかのように見えた。
しかし、バットマンの登場は「悪」の
進化を促進し、ジョーカー(ヒース・レジャー)という極悪の犯罪者を生むことになる。

バットマンの正体を知るのは、限られた一部の人のみ。
「法の外」でマスクをかぶって闘うことにバットマンことブルースは限界を感じてもいた。
そんな時、ゴッサム・シティに救世主が現れた。
新しく選出された地方検事のハービー・デント(アーロン・エッカート)だ。
すばらしい正義感と行動力を持つ男。
彼は市民に「ホワイト・ナイト」と呼ばれ親しまれ、彼ならマスクをかぶらない真のヒーローになれるのではないかと
バットマンは思い始める。

再び混乱に陥ったゴッサム・シティを救うため、3人の男が動き出す。

今さら説明するまでもない「バットマン・ビギンズ」の続編である。
前作の最後に登場を示唆されたジョーカーという謎の犯罪者が、のっけから大暴れする。
ジョーカーという男、一見ピエロにも見える奇抜なメイクで、その姿から素顔や素性を窺い知ることはできない。
。。。。というか。。本当に人間なのかと疑ってしまうような冷血非道ぶりだ。
仲間でも、用済みになったら眉ひとつ動かさずに消してしまう。
神出鬼没、どこにでも現れ
まるで人の心を読んでいるかのように、なにごとにも裏をかく。
ジョーカーが欲しいのはお金でも権力でもない。
ただただ、人が苦しむのを見るのが楽しいのだ。
その楽しみのためなら、自分の死だって恐れない。
理由や目的のない悪ほど恐ろしいものはないのだ。

もはや悪魔としかいいようのない頭脳のキレと倫理観の欠如が
バットマンやゴッサム・シティの市民を恐怖へと追い込んでいく。

理屈の通じない相手に
いったいどうやって正義を貫くのか。
バットマン、ゴードン警部補、デント検事の闘いは
それぞれの思惑もからんで、ジョーカーに翻弄され、改めて正義の意味を問われることになるのだ。

2時間半という限られた時間の中で次々と起こる事件。
ひと段落ついたと思えば、それは全くの思い違いで
また新たな展開が起こるのだった。
「息をつく間もない」というのは、こういうことを言うのか。。と思うような密度の濃い時間だった。

バットマン
ゴードン警部補
デント検事
ジョーカー
誰が主役なのか混乱するほど、それぞれの個性が際立って見えた。
緊張が続く時間の中で
バットマンの理解者であるアルフレッド執事(マイケル・ケイン)とフォックス社長(モーガン・フリーマン)
がスクリーンに姿を現す時が、唯一、ほっと和める時間なのだった。
この配役の絶妙さが、この映画に厚みと温かさを与えてるのだと思う。

そして。。。やはりジョーカ役のヒース・レジャーのことを思わずにはいられない。
正直、「ヒースの遺作」ということで公開を待ちわびていた。
しかし。。。ヒースの姿はどこにもなかった。。
後姿、背格好。。ああ。。あれはヒースだ。。と思う一瞬はあったものの
スクリーンの中にいたのは、最強の犯罪者ジョーカーだった。

過去にジャック・ニコルソンが演じたというジョーカーを観ていないのでなんとも言えないのだが
たぶん今回のジョーカーは、ヒースが一から考えて作り上げたものなのだろう。
ヒースが作って演じたジョーカーは、底知れない恐ろしさをまきちらし
ヒースの演技は、大成功を収めたのだと思う。
ただ。。私には、なんだかジョーカーが。。ヒースを連れ去ってしまったような気がして仕方がないのだ。
なにがヒースの命を奪ってしまったのか、私にはわかる術もないけど
エンドロールに流れる
「ヒース・レジャーに捧ぐ」のクレジットを見ながら、泣けて泣けてしようがなかった。

涙をこらえて
ツンツンする鼻をすすりながら外に出ると
もうとっぷりと日は暮れていた。
夏の週末の夜は、どことなく華やいでいたのだけど
夜の暗さが、いつもよりも身に沁みた。






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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (Pamy)
2008-08-11 23:12:24
こんばんは、チョコさん♪

チョコさん、きっと「ダークナイト」を
ご覧になるだろうと思って感想記事まってましたよ!

>なんだかジョーカーが。。ヒースを連れ去ってしまったような気がして仕方がないのだ。

最強の悪をヒースが完璧に演じれば演じるほど
なんだか悲しい気持ちも何故かしていたんです。
チョコさんに言われて気付きました。
ジョーカーがヒースを連れて行ってしまったような
錯覚をしていたからかもしれません。

>「ヒース・レジャーに捧ぐ」のクレジット

なんだか・・・
現実を突きつけられたみたいで
ものすごくずーんと悲しくて悲しくて
しかたが無かったです。
一人で観に行っていたら泣いていたかも知れません。

もう一度観に行こうと思っています。
返信する
涙。。。 (ri)
2008-08-12 06:29:52
「ヒース・レジャーに捧ぐ」

は、ダメですね。。。

極悪非道のジョーカーを見ていてさえ涙が出てきたのに、
あの言葉を見たとたん、胸が締め付けられるようでした。

作品も素晴らしかったですね。
他の俳優さんたちも素敵だし。
でも、どうしてもヒースに目が行ってしまうんですよね。

私も、Pamyさんと同じ、もう一度行こうと思っています。


さて、チョコさん。
先日もちょこっとお話した、
チョコさんがご紹介してくださったもの。

私の勘違いだったらゴメンナサイね!
返信する
うぇ~ん (tomozo)
2008-08-12 11:28:41
>ただ。。私には、なんだかジョーカーが。。ヒースを連れ去ってしまったような気がして仕方がないのだ。

ううう、チョコさん、悲しいよ~。

私は極力、彼のことは考えないようにしようと思って見てたんだけど、2度目に見たとき、あの留置所でのバットマンとのやりとりのシーンで、ジョーカーの化粧がだいぶはげていて、ふとヒースの金髪とあの瞳が見え隠れしたんですよ。

なんだか息が詰まって死にそうでしたよ。

そうそう、キリアンでしたね!って私、ビギンズ見てないので、全然わからなくて、睦月さんの記事読んで2度目はちゃんと再確認しました。かわいらしい(と私は思う;笑)スケアクロウでしたが、ビギンズでは怖かったの?

私もマイケル・ケイン良かったです~。さりげなくいうジョークが(ランボルギーニで出かけたブルースに「地味ですな」とか)、ツボでした♪
返信する
恐怖 (チョコ)
2008-08-12 16:27:16
Pamyさん

TBありがとうございます♪

先行上映はどうしても行けなくて
公開日が待ち遠しかったです。

ヒースを観にいったのにヒースはどこにもいなくて
いるのは、極悪のジョーカー。。。

スウィニーの時のジョニーにだって
あの恐ろしい殺人鬼の中に哀しみの表情がみえたのに
ジョーカーには、人間らしい表情がなにひとつ見えませんでした。
ヒースの作り上げた極悪の犯罪者は
あまりにも悪すぎて
ついには、ヒースの手を離れて一人歩きしてしまったような錯覚に陥りました。
それほど。。。恐ろしい演技でした。(泣)

私もたぶん、また観にいきます。
今度は1人で行きますから
こらえずに、おもいっきり泣けそうです。

Pamyさんのレビューも
のちほど読ませていただきますね♪



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長い1週間 (チョコ)
2008-08-12 16:38:16
riさん

TBありがとうございます。

riさんも先行上映に行ったんですね。
皆さんの記事のさわりだけ読んで
をを~~ヤバイってんで(苦笑)
大慌てでスルーして、
やっと、この公開日を迎えました。長い1週間でした。

そうやって観た映画は
予想よりを遥かに上回っていました。
ヒースはもちろんですけど
誰も彼も素晴しかったですねぇ~

クリスチャン・ベールが
美女を引き連れてパーティーに現れる姿も素敵でしたねぇ~~♪
アーロン・エッカート。
わりと軽い男。。の役の彼しか観たことなかったんですけど
今回はそれだけじゃなかったってことを見せ付けてくれましたね。

ゲーリー・オールドマン。
マイケル・ケイン。
モーガン・フリーマン。
誰がどう欠けても、また違った映画になってしまったかもしれません。

話し変わって(笑)
リフォーム終わったんですね♪
まあ、この暑い時に大変でしたね。
のちほど、楽しみに伺いますね♪
返信する
こんにちは (Rei)
2008-08-12 16:47:10
チョコさん、こんにちは。

ヒース、お見事でしたね。
期待以上の悪役ぶりに心の中でニンマリするほどでしたが、
それゆえに切なさも一層募りますね。

役者が役作りする時って相当なエネルギーを使うと思いますが、
ましてやこのような超ど級の悪役。
“命を燃やす”という言葉が思い浮かびます。
大輪の打ち上げ花火みたいでした。
ただただ拍手を送りたいです。

TBさせて頂きました。
返信する
スケアクロウ (チョコ)
2008-08-12 16:50:32
tomozoさん

TBありがとう♪
早くも、2度目にも行ってきたのね。
うん、その気持ちわかるなー。
たぶん、私も明日、行くな。うん(確信)

そうなのよ。
まるでヒースの面影などないジョーカーなのに
ほんのチラっと感じるヒースの影を
この目は、よせばいいのに捕らえてしまうんですね。
そして、哀しくなってくる。。(泣)
ヒースが生きてたら。。。
きっと、もっと違った盛り上がり方が出来たと思うと寂しいねー。

あ。ビギンズ観てなかった?
私、キリアン狙いでDVDで観たんだけど
あの可愛いキトゥンの真逆の恐ろしさで
キリアン・マーフィーの底力を知りましたわ。
スケアクロウ、コワかったよ~
ジョーカーとはまた違うこわさ。
それなのに、今回チラっと出たスケアクロウは
なんか毒っ気が感じられなくて、そう、なんか可愛かったよね。てか、ちょっとオマヌケ(笑)
だから、ほんとのキリアンなのかなーって疑ってしまったんでした。

マイケル・ケインは、いつ、どんな時でもいいよね。
彼が出るだけで格調高くなる。
返信する
ヘビー・ローテーション状態 (悠雅)
2008-08-12 23:11:49
こんばんは。

あまりにも見どころが多く、見応えのある作品で、
どんなに頑張って感想を書いても、書き残しがあるような気がして、
自分の中にある思いを表現しきれてないもどかしさが残って、
その上に、それぞれのキャストが素晴らしくて、
ヒースはもういないんだ、という哀しみに囚われて…
いろんな思いが交錯して、溢れて、2回観てもまだまだ観足りないのです。
これは、ヘビー・ローテーション状態に突入しそうな予感です。

白塗りの顔しか見せないと思っていたら、
ほんの1シーン、数秒だけ素顔、というか白塗りじゃない顔が見えた時、
ホントにヒースなんだわ…と改めて思ったり、
エンドクレジットの献辞に、一気に涙が溢れたり、
何だかもう、ボロボロですわ(泣)。

豪華絢爛な英国俳優の出演に惹かれて映画館へ行った『バットマン・ビギンズ』が
続編でこんな作品に進化して、ここまで気持ちを持って行かれる作品になるとは…
映画との出会いって、不思議なものですね。。。
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花火 (チョコ)
2008-08-13 17:38:13
Reiさん

TBありがとうございます。
夏休みで大変な時に、もう観てこられたんですね。
Reiさんも公開を待ち望んでいたクチですね。
のちほど、Reiさんのレビューをゆっくり読ませていただきます♪

大輪の打ち上げ花火。。。
Reiさんの表現っていつも適切ですね。
華やかで目を奪われるけど
花火が消えた後は、どことなく寂しいんだよね。。
消えずに。。
何度も何度も見ていたかったですね(涙)
返信する
2度目行ってきました (チョコ)
2008-08-13 17:46:17
悠雅さん

私も2度目、行ってきました。
何度見てもあのエンドクレジットは泣けますね。
私でさえそうなんだから
悠雅さんが感じる寂しさは、そうとうなものだと思います。

しかしながら。。
ほんとうに豪華な出演者ですよね。
前作に変わって登場したマギー・ギレンホールも良かったですね。
まあ。。マドンナ役なんでしょうけど
余計な派手派手しさがなくて、しっくりとはまっていました。

この夏、ざっと見渡してみると
他に見たい映画もないので
安心して、悠雅さんと同じくヘビロテしそうな気配です。
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