サンフランシスコのビルの一室。ジャーナリストのマロイ(クリスチャン・スレーター)に語るルイ(ブラッド・ピット)の半生は驚くべきものだった。
18世紀末,ニューオリンズの裕福な農場主だったルイは妻子を失い生きる希望を失っていた。
自暴自棄の生活を送るルイにヴァンパイアのレスタト(トム・クルーズ)が魅せられ,永遠の時を生きる相手としてルイをヴァンパイアに変えてしまう。
しかし,人間の心を捨てきれずに思い悩むルイ。
ルイの慰めにと今度は幼いクローディア(キルスティン・ダンスト)をヴァンパイアに変えて迎えるレスタト。
クローディアを溺愛することで,3人のヴァンパイアの家族としての平和が保たれてきたが,何十年経っても成長しないことに疑問と苛立ちを抱くようになったクローディアが,この家族の幸せを壊してしまう。
去年ネッ友さんのところで,中学生の頃熱中して読んだ萩尾望都の「ポーの一族」の話題になって,その時この「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の話が出た。
人物の設定が似てるよね・・・ということで。
私もかなり前にこの映画を見たときそう思った。
最近娘が「ポーの一族」を全巻買って来て読み返したら,今度はこの映画がまた観たくなった。
年末新しいパソコンを買うために電気屋に何度か通ううち,このDVDが980円で売っているのを発見!即,買ってきた。
お正月もひと段落してやっと今日ひとりで観たわけだが・・・
「ポーの一族」のメリーベルがクローディアにあたるわけだけど,メリーベルはあんなに強くない。か弱くて可憐なの!
・・と強く否定したくなるほどクローディア役のキルスティン・ダンストの迫力がすごい。トム・クルーズも頬がこけるほどやせて,凄みのある美しさなんだけど,キルスティンには負けてるんじゃないの~~と思ってしまう。
ブラピ,アントニオ・バンディラス,クリスチャン・スレーター,出演者もすごく豪華だが,
もともとはデップにオファーがいったのにデップが蹴ったとか,クリスチャン・スレーターの役はあのリバー・フェニックスが演るはずだったとか,興味深い裏話も以前なにかで読んだ。
もしデップが演じてたらどんな美しくて恐ろしいヴァンパイアになっていただろう。。。そんなことを考えながら観てしまった。
夫も今日,赴任先に戻って,久しぶりにひとりの時間を楽しんだ。
ひとりの時間というのはとても大事なもの。
でもそれは「自分は一人じゃない」という裏打ちがあってのものだ。
私の好きな「ひとり」はつかの間のもの。
時間が来れば家族のいるあわただしくて少しうっとおしい生活に戻る。
中学生の頃,「ポーの一族」のヴァンパイアの美しさに魅了させられたけど,
主人公のエドガーの抱く哀しさのようなものには思い至らなかった。
永遠の命を持つということは,計り知れない孤独なものなんだと今やっと思う。