萩原浩司著 「写真で読む山の名著」(山と渓谷社)は、ヤマケイ文庫のなかから50冊を選び、写真を使って紹介したものです。著者は、1960年栃木県生まれで、大学卒業後山と渓谷社に入社し、雑誌や文庫の編集長を歴任した方で、2013年から5年間NHKBSの「実践!日本百名山」の解説者として出演しています。
50冊の本について、ポイントがつかめるように簡潔に紹介してあります。特長は、その内容に相応しい著者撮影などの写真を使っていることで、山岳本だけに効果的です。50冊の中から2~3冊読んでみたい本が見つかったので、次はそれらを読むつもりです。
表紙。2010年に創刊されたヤマケイ文庫は、130冊以上刊行されていて、名著といわれているものを多数含んでいるようです。以下、紹介の50冊の中から、僕が気になったものを記します。
田部重治の「山と渓谷」は、日本の山岳文学を代表する古典的な名作だそうです。「山と渓谷社」の社名は、この本からとられたそうです。
文章は北アルプスの大縦走記録「槍ヶ岳から日本海まで」の一節ですが、添えられた写真が素晴らしい。
『山に登るということは、絶対に山に寝ることでなければならない。』という記述が印象的です。著者(萩原浩司)撮影の写真もよい。
大島亮吉は、『岩と雪の時代を駆け抜け、前穂北尾根に逝った若きアルピニスト』と紹介されています。北アルプスのスキー登山から峠の逍遥まで幅広い内容になっていて、僕にも親しめる部分がありそうです。
当たり前そうだけど、含蓄の深い文章と素晴らしい写真。
『春に行ってよかった山へは、秋にもまた行こう。』という一節は、心うたれるものがあります。写真が輝いています。
日本百名山の著者としてよく知られている深田久弥さんの著作。ちょっと身近に感じます。
四国にも雄大な景色があります。
外国の著書も紹介されています。表紙は、ガストン・レビュファがアルプスを背景に立っているもので有名だそうです。
レビュファは、アルプスのガイドとしても活躍したそうです。
市毛良枝さんと不破哲三さんの著作には、比較的身近な山も登場するので、読んでみたいと考えています。