JR東日本の「大人の休日倶楽部」会報誌の2019年10月号は、「国産小麦をめぐるパンの旅」が特集の一つで、興味深く読みました。北海道から群馬県まで各産地の小麦とその生産者、パンの作り手を紹介しています。さらに地産地消のレストランも載っています。僕はパンが好きでよく食べますが、音楽も聴くほどに味わいの増すもので。
MIKE CUOZZO (マイク・コゾ-)
MIKE CUOZZO WITH THE COSTA-BURKE TRIO(jubilee 1956年録音)
マイク・コゾ-(ts, 1925~2006年)は、2枚のリーダー作を残しただけですが、どちらも慈しみたくなるアルバムです。彼はジョー・マーサラ・バンドやエリオット・ローレンス・バンドに在籍していたので、相応のキャリアはあったのですが、よくリーダー作を残してくれたものです。
コゾ-は、1957年に兄と共同で住宅開発会社を設立し、後には自動車の販売も行ったようです。ツァーに出ることはありませんでしたが、1990年代まで地元のクラブでテナーサックスを吹いていたようです。メンバーは、マイク・コゾ-(ts)、エディ・コスタ(p)、ヴィニー・バーク(b)、ニック・スタビュラス(ds)。コスタ(p)とバーク(b)のプレイも注目されます。
曲は、スタンダード曲の「Fools Rush In」、「Lover Man」、「That Old Feeling」、「I Cover The Waterfront」、「Easy to Love」にヴィニー・バーク作が3曲で「Ten A. M.」、「Blue Jeans」、「Bounce For Mike」の全8曲。バークがマイク・コゾ-に曲を捧げているのが意外でしたが、コゾ-はミュージシャン仲間に信望が厚かったのかもしれません。
マイク・コゾ-のテナーサックスに癒されるアルバムで、レスター・ヤングやスタン・ゲッツ、たまにベン・ウェブスターを思い浮かべるような演奏をしています。「Fools Rush In」では、コゾ-(ts)はよくスイングした軽快なプレイを行い、コスタ(p)、バーク(b)のソロには個性が感じられます。バラードの「Lover Man」や「I Cover The Waterfront」では、ゴゾーは、しっとりと、詩的情緒を漂わせてソロをとっていますが、サウンドにベン・ウェブスターに似たところがあります。
【大人の休日倶楽部会報誌 2019年10月号】
表紙
国産小麦を5種類紹介してあります。外国産に比べタンパク質の含有量が少ないので、国産小麦はパンに向いていないとされてましたが、ここ30年でパン職人の努力やパンに向く性質を持つ品種が次々に現れているそうです。
岩手県の「もち姫」。世界でも例を見ない、もち性小麦だそうです。
栃木県の「ライ麦」。ドイツでの生産が盛んで、日本では希だそうです。
群馬県「農林61号」。うどんに向いているそうですが、カンパーニュ(田舎パン)のような、重たくて素朴なパンに向いているそうです。
地産地消の料理を楽しめるレストランと地域の歴史を感じる名所の紹介です。盛岡市の「穀」、高崎市の「サニーキッチン」というレストランには行ってみたい。