5月の群馬交響楽団の定期演奏会は、井上道義(指揮)を迎えて、ショスタコーヴィチとバーンスタインの曲を演奏するプログラムですが、バーンスタインの2曲を聴きたかったので、高崎市まで出かけました。また、ピアノの福間洸太郎さんの演奏も楽しみです。
(出 演)
指揮:井上 道義
ピアノ:福間 洸太郎 (バーンスタイン 交響曲第2番「不安の時代」ソリスト)
管弦楽:群馬交響楽団
指揮者の井上道義さんは、オーケストラアンサンブル金沢の音楽監督を最近まで務めていたので、2回だけですが、同楽団を指揮した演奏会を聴いたことがあり、今回が3回目です。ピアノの福間洸太郎さん(1982年生)は、クリーヴランド国際コンクールに優勝し、NAXOSレーベルに録音をしていたので、名前は知っていました。実演を聴くのは初めてです。
(曲 目)
ショスタコーヴィチ / バレエ組曲《黄金時代》 作品22a
ショスタコーヴィチ / 交響曲第1番 へ短調 作品10
<休憩>
バーンスタイン / 交響曲 第2番「不安の時代」
バーンスタイン / 《ウェスト・サイドストーリー》から「シンフォニック・ダンス」
(感 想)
ショスタコーヴィチは、ルドルフ・バルシャイ指揮による交響曲全集は持っているものの、あまり馴染めない作曲家です。曖昧な調性や行進曲風のリズム、音色が固い打楽器の多用(木琴など)、ティンパニの強奏など、僕との相性はあまり良くありません。最初に演奏されたバレエ組曲《黄金時代》は、第2組曲は親しめましたが、最後のほうなど狂騒状態が続き聴いていて疲れました。
交響曲第1番の第3楽章はロマン派的な色彩の強い曲想で、オーボエやチェロが歌う旋律など、なかなか美しくてよいものでした。休みなしに第4楽章へ突入しますが、できれば第3楽章で区切ってくれればなおさらいいのにと突拍子もないことを考えました。最後のティンパニの強奏ばかりが目立った第4楽章が終わり休憩へ。
バーンスタインの2曲は、曲、演奏ともに好感が持て、初めて聴いた交響曲第2番「不安の時代」は、W・H・オーデンの詩に触発されて書かれた曲ですが、映画音楽的だったり、モダンジャズ的だったりして柔軟なものでした。福間さんのピアノが、磨かれた硬質な音色と、リズムへの乗りのよさがあって当夜のハイライトだと思われました。
バーンスタインの「シンフォニック・ダンス」は、ウェスト・サイド・ストーリーからの組曲で、知っている旋律やリズムが奏でられて面白く聴きました。井上道義さんと群響は、重量級の曲を含む長時間の演奏を行い、終了がいつもより遅く、かなりサービスしてくれました。個々には、ところどころでソロをとっていたコンサートマスターの伊藤文乃さんの演奏も記憶に残りました。
【参考に聴いたアルバム】
ショスタコーヴィチ交響曲全集。ルドルフ・バルシャイ指揮ケルン放送交響楽団(CD11枚組)