ものごとに慣れるには時間がかかります。
かけた時間は、それぞれの人のものであったはずです。
時間をかけてようやく使い慣れたOSが、販売戦略のためにサポート打ち切りを宣言されることがあります。
サポート打ち切りは、実際にはアフターケアの責任放棄です。
作る人と使う人の社会的責任関係の理性は、そこには顔を出せません。
大きな顔をしているのは作る人でもなく、使う人でもありません。
両者の関係に割り込んだ売る人が、いちばん権力を握っています。
がらりと仕様を変えたOSを、便利と思って使いなさいと押し付けるのは、新しいものは良いもの、古いものは悪いものという、一種の原理主義です。
便利かどうかは感覚次第で、使う当人でない他人が決めることではありません。
新しく使い始める人は、新しいものから出発すればよいので、古いものをわざわざ探し出して使う必要はありません。
しかし、何十年もかけて慣れ親しんだものを使うことが、人に迷惑をかけるかもしれないなどと脅しを掛けるのは、褒められることではありません。