海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

沖縄戦体験者が新型コロナ下で、ゲート前に行かざるを得ない状況を作っているのは誰か?それを黙って見ていていいのか。

2020-06-22 22:27:27 | 米軍・自衛隊・基地問題

 22日(月)は朝から天気が悪く、海上抗議行動は中止となったので、半時間ほど草刈りをしたあと、キャンプ・シュワブのゲート前に行った。

 今日も30名ほどの市民が、1回目のゲート前座り込み抗議行動を行った。集会では私もマイクを手にして、ガット船による土砂の補給が間に合わず、陸揚げ、投入が一時止まったことなど、海上から見た最近の様子を報告した。

 午前9時頃、生コンのミキサー車の列がゲート前にやってきた。なぜかパトカーの先導がなかった。

 

 午前9時13分頃、沖縄県警機動隊による市民の強制排除が始まった。イージスアショアの建設計画が停止・撤回された。地元の反対や技術的問題、完成時の世界情勢の変化など、河野防衛相が停止の理由として挙げたことは、辺野古新基地にも共通する。

 しかし、日本政府・防衛省の対応はまったく違う。二重基準に対する批判は、ゲート前の抗議行動でもくり返しなされている。沖縄なら民意を無視しても許される、と言わんばかりの対応に、怒りを抑えられない沖縄人は多いはずだ。ぜひ、ゲート前に来て、怒りを行動で示してほしい。

 辺野古の島袋文子さんが連日、ゲート前の座り込みに参加し、先頭で抗議を続けている。90歳を超える沖縄戦体験者が、今もこうやって新基地建設反対の行動をとらないといけないのが沖縄の現実だ。この現実を作り出しているのは誰か?それを黙って見ていていいのか。傍観者であっていいのか。

 明日は沖縄戦の慰霊の日だが、辺野古のゲート前や破壊されている海の現状を見れば、沖縄戦の犠牲者も浮かばれないだろう。75年にわたり占拠を続ける米軍基地と、48年にわたり占拠を続ける自衛隊基地。日本「本土」の防衛と安全のために、沖縄を犠牲にする構図は、1879年の日本による琉球侵略以来、何も変わっていない。

 この日1回目の資材搬入では、生コンや砂、栗石、鉄筋などのほかに、排水管らしき物も搬入された。

 テイケイの警備員が仕事を終え、引き揚げるところらしく、レンタカー2台に乗って基地から出てきた。閉め切った車内は満員状態だった。新型コロナ対策は大丈夫なのか?

 午前10時半頃、豊原の高台から辺野古側埋立工区の様子を見た。K8護岸にはランプウェイ台船・屋部5号が接岸していたが、土砂の量が少なかったのか、すでに陸揚げを終えて離岸を始めているところだった。

 あとで見るとK9護岸でも土砂の陸揚げは終わっていて、この時間帯に土砂を運んでくるダンプカーは見られなかった。ただ、ガット船は3隻が大浦湾に入っていたので、ランプウェイ台船への土砂の積み替えが行われたあと、投入作業は行われている。

 N5護岸では根固め用袋材の設置が行われていた。

 ②工区にある岩は、昨年から緑のネットが張られたままとなっている。アジサシの営巣を防止するためで、その周辺にも土砂が迫っている。

 大型クレーンの足場の修復が終わり、K4護岸の外側に2台のクレーンで消波ブロックの設置が行われていた。

 午前11時4分頃、瀬嵩の海岸から大浦湾の様子を見た。この日は朝、ガット船が3隻(清明、第二十八旭丸、聖嘉)が大浦湾に入り、ランプウェイ台船に土砂の積み替えを行っていた。

 K9護岸には空のランプウェイ台船が接岸したままだった。K8護岸は土砂を積んだ次の台船が用意されていたが、K9護岸はまだ積み替えの最中だった。20日(土)はガット船が大浦湾に入らなかったとのことで、土砂の補給が遅れがちとなっている。

 本当なら沖縄戦について調査をしたい、そう思いながら辺野古や高江の行動に時間を取られて、何もできないまま時間が過ぎてしまった。そのことが腹立たしくてならない。

 


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