2017年4月から6月にかけての海上行動は、辺野古岬と長島の間に張られたネット付きオイルフェンスに対する抗議から始まった。カヌーや抗議船がフロートを乗り越えることを止めようと金属の棒にネットを張ったが、しょせんは沖縄防衛局の浅知恵だった。波と風に耐えられず、ネットはボロボロになり、金属の棒を支える木枠も次々に壊れた。結局、この方法は失敗してネットを撤去せざるを得なくなった。
4月25日、日本政府・沖縄防衛局は、大浦湾の瀬嵩側の浜でK9護岸着工のセレモニーを行った。初めて海に石が投下され、辺野古の工事と抗議行動は大きな節目を迎えた。
それからカヌーチームは連日、瀬嵩の浜を出発してK9護岸の建設現場に行き、鉄の棒にロープが張られた大型フロートを越えて抗議をくり返した。
海保の弾圧に抗して、K9護岸が伸びていくのを少しでも止めようと、カヌーチームと船団による抗議が続けられた。海に投じられる石材は十分に洗浄されておらず、周辺の海域が白濁して汚された。
K9護岸は仮の工事として100メートルまで伸びたところで、希少サンゴが先にあるため工事が止まった。しかし、投下された石材に押しつぶされ、海底に住む生物は圧殺された。春から初夏にかけて、海を破壊する捨て石の音が大浦湾に響いた。
大浦湾でのオイルフェンスの設置に対する抗議も行われた。6月後半には辺野古側の鉄塔前で、取り付け道路の工事が始まった。浅瀬の岩場に根固め用袋材や捨て石が投下され、新たな場所での海の破壊に抗議を行った。
沖縄戦慰霊の日の翌日、6月24日にはゲート前で座り込み行動に取り組む皆さんと連帯し、瀬嵩の浜で護岸工事に対する抗議集会を開いた。集会に続いて海上パレードも行われた。