https://www.youtube.com/watch?v=Pr043NoSe9s
かつてここにはヤンバルの森の中でも豊かな生態系をはぐくむ森があった。それが今はこの有り様だ。N1ヘリパッド建設現場の2か月前の様子を知る人は胸が痛まずにいられないだろう。ヘリパッド一つが45メートルの接地帯と幅15メートルの無障害物隊で直径75メートルの円を描く。N1は2基のヘリパッドがメガネのように隣接している。それがいま木が伐採され切り開かれた状況となっている。
直径30センチ以上ある樹木を含めて、大量の伐採された木が山積みにされいた。抗議にやってきた市民の力で作業を止め、N1ヘリパッドの建設予定地で初めて集会が開かれた。明日以降、この場所に多くの市民が集まって、ヘリパッド建設工事を実力で阻止しようという呼びかけに、強い意思を込めて呼応する声が上がった。
N1では谷間に面した場所で赤土流出防止柵の設置作業が行われていた。杭を打って足場板で二重の柵をつくり、間に砂利を詰めた土のうを入れる。N4ヘリパッドの建設現場でも設置されていたが、20日にN1表ゲートから入った杭や足場板はこのための材料だったようだ。
赤土流出防止柵の設置作業が終われば切株が掘り起こされ、谷間を埋める形で整地作業が行われるのだろう。伐採された大量の木はどう処理されるのか。N4ヘリパッド建設のときはノグチゲラのえさ場したり、チップにしてまくなどとしていたが、N1ではそういうまやかしすらやりそうにない。
沈砂池や赤土濾過装置もないようだから、汚濁水をたれ流しても分からないだろう、とたかをくくっているのか。いずれにしろN1の工事はこの段階まで進んでいる。手をこまぬいて眺めていたらヘリパッドは年内に完成する。もはや現場で抗議して工事を止めなければいけない状況に来ている。
N1のヘリパッド建設現場やH地区に通じる工事用道路の建設現場では、直径30センチ以上の切株が数えられないほどある。こういう大木を含め数千本の木が伐採されている。沖縄島北部=やんばるの森は9月15日に国立公園に指定されたばかりだ。そういう森がかくも簡単に破壊されている。
知床や白山、霧島、富士箱根伊豆など、ほかの国立公園でも同じことをやるのか。沖縄なら何をやっても許されるのか。国立公園など米軍基地の前には何の価値もないのか。いったいこの国はどこまで腐っているのだろうか。
N1のヘリパッド工事現場からH地区に伸びる道路は、N1表ゲートから進められた既存道路の路盤整備よりも厚く砂利が敷き詰められている。切株を残して砂利を敷いているせいだろう。道路脇には伐採した木の幹や枝、切株が無雑作に積まれ、ところどころに希少種の植物を移植した場所があった。
あまりのいい加減さ、でたらめな作業の様子に唖然とする。米軍の提供施設内だから誰にも見られない、メディアも報道しない、と思っているのか。とにかく急いでH・G地区に通じる工事用道路を造ろうと、環境保全を無視しているのが明白な状況だ。
https://www.youtube.com/watch?v=KulBTtNH-sc
安慶田副知事が、沖縄県の調査が入るまでH地区に通じる工事用道路の建設を中止するよう沖縄防衛局に指示している。それをあざ笑うように22日も工事用道路の建設が進められていた。中止どころか、県の調査が入る前に完成しよう、という意思が明白だ。沖縄県もずいぶんバカにされたものだ。
抗議に来た市民が重機のまわりに立ち、工事用道路建設は長時間にわたり止まった。23日以降、警察・機動隊の弾圧が強まるだろう。抗議する市民の数が少なければ、強制排除されてしまう。ヤンバルの森を守れ、というならそれなりの行動をしないといけない。映像を見れば明らかなように、毎日大量の木々が伐採され、森が破壊されているのだ。