海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

スパッド台船への抗議行動が続く。

2014-09-09 20:55:47 | 米軍・自衛隊・基地問題

 9日は旧暦の8月16日で大潮だった。午後12時34分が干潮だったので、それにあわせて辺野古崎南側のスパッド台船に抗議行動が行われた。前日いくつかトラブルがあり、海を歩いてスパッド台船を目ざすのは危険だということで、急きょ取りやめとなった。

https://www.youtube.com/watch?v=HnIr2oZy41s

 辺野古の浜で潮待ちをしている間、金網のフェンスの向こうでは、米海兵隊の水陸両用車が、騒音と排気ガスをまき散らしながら走行訓練を行っていた。この浜には海亀が産卵に訪れる。しかし、キャタピラで深くえぐられてしまえば、砂の中に卵があっても押し潰されてしまう。海を埋め立てる以前に、日々行われている演習が沖縄の生物を脅かし、生息環境を破壊し続けているのだ。

 スパッド台船に向けて出発する前に、浜で集会が開かれた。ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員の激励と諸注意のあと、カヌー隊代表の決意表明があった。大潮の干潮で海上保安庁の保安官たちはスパッド台船の周りに立っている。海域を守るのではなくスパッド台船を守っている。そのことを見てほしい、という呼びかけがなされた。

 スパッド台船を占拠して海底ボーリング調査を止めよう!と気勢を上げてガンバローを三唱し、カヌー隊とプカプカ隊あわせて50名近くが辺野古の浜から出発した。

 海上保安庁は水深が浅いのでボートが低速でしか動かせない。そのために海上保安官たちは浅瀬に立って待ちかまえ、中にはこちらと同じようにカヌーに乗っている保安官もいた。スパッド台船の周りにはフロートだけでなくオイルフェンスも追加設置され、外側のフロートと合わせると三重の障害物が設置されていた。

 スパッド台船の周辺は浅い所では膝くらいの深さしかない。カヌーも降りて手で押せば簡単にフロートを越えられる。フロートに沿って20艇以上のカヌーが並び、プカプカ隊と一緒に突入の合図を待った。海保の態勢や動きを見ながら作戦を微調整し、フロートはさんで20分ほどにらみ合いが続いた。その後、笛の音を合図にいっせいにフロートを越えていった。

 フロートの両端に近い所から入ったカヌーのいくつかは、スパッド台船の背後に回り込んだ。正面からはカヌー隊やプカプカ隊に加え、ほかのメンバーもフロートを越えて歩いてスパッド台船を目ざした。台船を囲んで各所で、阻止行動参加者と海保の間で激しいやりとりがあった。

 22名というこれまでで最も多いメンバーが不当拘束されたが、1時間程度で解放され、船で辺野古の浜や港に戻った。海保の弾圧をくぐり抜け、5名が最後のフロートを越えてスパッド台船やその近くまでたどり着き、海底ボーリング調査に抗議した。

 浜では多くの皆さんが海に入って、カヌー隊やプカプカ隊に声援を送っていた。こうやって海上での抗議行動を見守ってくれる人たちがいるから、表向きは海上保安庁も最初の頃のような暴力的弾圧を自制せざるを得なくなっている。しかし、スパッド台船に近づいたメンバーには手荒い「確保」が行われている(※)。カヌー隊代表の決意表明でもあったように、海上保安庁が守っているのは、海域でもなければ海で行動する人たちの安全でもなく、スパッド台船であることが白日の下にさらされた。

 埋め立て業者の下請けのような仕事をし、海の破壊に手を染めることに、疑問を抱いている海保の職員もいるだろう。しかし、良心の呵責を感じたとしても、その行為は埋め立てに向けての調査を支えた加担者として、沖縄県民の記憶に残り続ける。全国動員されてヤマトゥから来た海保たちは、沖縄に米軍基地の荷重負担を強いていることに、恥ずかしさを覚えないのか。海を守ろうとする人たちを弾圧するために、海保はこれまで訓練をしてきたのか。

 抗議行動を行っている間、上空ではMV-22オスプレイが低空で飛行していた。アメリカのために使い勝手のいい新基地を建設して進呈し、米軍を沖縄にとどめようと一生懸命なのが安倍政権だ。日本「本土」防衛のために沖縄を「捨て石」にする構図は69年前と何も変わらない。10年後のこの海の風景がどうなっているか。それを決めるのは今、私たちが何をするかによる。

※海保の暴力的弾圧によって、顎関節捻挫と首の怪我で全治2週間の怪我をしたメンバーも出ている(9月9日付琉球新報)。

 

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