海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

キャンプ・シュワブ・フェスティバル

2008-05-25 23:50:10 | 米軍・自衛隊・基地問題
 午後からキャンプ・シュワブ・フェスティバルに行く。ゲートから入ってすぐに右に行くよう指示され、1kmほど行って車の案内をしている米兵の指示に従って道路脇に駐車する。そこからまた1kmほど歩いて会場に行く。辺野古集落と緑地帯を隔てて四階建ての兵舎や郵便局、ボーリング場、映画館などの施設が建っている地域があり、そこがフェスティバル会場になっていた。プールやテニスコート、フットボール場などもあり、軍事施設以外のものを辺野古集落近くに配置して緩衝地帯ともしているのだろう。
 会場入口脇には二台の装甲車が置かれていた。一見展示されているように見えるが、何かあったときにはすぐに入口を封鎖できる場所に置かれている。二台が逆向きに置かれているのも何か意味があるのだろう。会場内には小さなメリーゴーランドやロック・クライミング台、十件ほどの出店が並び、ステージではストリート・ダンスやハワイアン・ダンス、ロック・ミュージックなどの出し物が行われている。その横ではベンチプレス大会も行われていて、米兵と沖縄人が腕を競い合っていた。
 嘉手納基地などの広大な基地に比べ、キャンプ・シュワブは小さな印象を受けるのだが、中に入ってみれば緑の芝生が広がり、かなりの面積であることを実感する。映画館横の広場は海岸に面していて、平島や長島が目の前に見え、太平洋が広がっている。ここに住んでいれば、目の前の海を埋め立てることに米兵でも疑問を覚えるのではないか、と思うような素晴らしい眺めだ。金網を隔ててアメリカがある、というのは戦後の沖縄では使い古された言い回しだが、基地の中に入るとそれを実感する。
 賑やかなフェスティバル会場の中は、砂漠戦用の迷彩色の戦闘服を着た米兵が、拳銃を腰に下げ、トランシーバーを手に絶えず巡回していた。市民に開放するという裏では「テロリスト」に対する警戒が行われている。わざと目立つ格好をして巡回する兵隊もいれば、私服で監視をしている兵隊もいただろう。ステージの近くには二頭のシェパードも用意されていた。
 日曜日で作業は行われていなかったが、辺野古集落側の古い兵舎の取り壊し工事が行われているのを、会場に向かう途中に目にした。沖縄防衛局は5月22日に、キャンプ・シュワブで6月上旬から新兵舎の建設作業に入ることを明らかにしている。V字型滑走路を持つ新基地の建設に向けて、現在アセスメントの本調査が辺野古海域や周辺の陸上部で行われている。その結果を待たずに、陸上部の兵舎建設を先行して進めようというのだ。取り壊し作業の工期は7月31日までになっていたが、すでに更地に近い場所もあり、そこから先に建設工事に入ろうというのだろう。
 沖縄県内の世論は基地の「県内移設」反対が常に七割を超している。その県民意思を踏みにじって、辺野古新基地の建設がいよいよ着工を迎えようとしている。キャンプ・シュワブ内で工事の準備が進んでいるのをじかに確かめ、強い危機感を抱いている。新基地建設を断じて許してはならない。みんなで阻止に立ち上がりまましょう。

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1 コメント

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Unknown (かむじゃたん)
2008-05-30 14:16:10
ボクも、両方行ってきました。
辺野古の闘い、いろいろな人が参加し、
久しぶりの再会もありました。

シュワブ、なんだか「PX」もりっぱになって、
驚いた。

初めて訪れた家族を案内、「かぬちゃホテル」
から眺めてもらえば、子供だって、この海に
基地など作ってはいけないとわかる。

いつのまにか、いらぬところに道路や橋、公共施設の
りっぱなこと、金を本当にばらまいている。

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