昨今のスマートフォンの普及は目覚ましいものがあり、どうでしょう?今や7割くらいの人がスマートフォンをお持ちのような感覚があります。それに比べて、電子書籍の普及はそれほど進んでいないような気がします。アメリカなどでは、相当に広まっていると聞きますが…。
とはいえ、スマホでもkindleのアプリ等で、電子書籍を読むことができるようになりました。けっこう近代の名作などが無料で入手できるので、今さらわざわざ買うのもなあ~という作品をいくつかダウンロードしてみましたので、少し感想を書いてみたいと思います。
まずスマホなので、画面が小さい!文字の大きさは拡縮ができますが、一画面に入っている文字があまりに少ないと、なんだか本の体を成していない気がして、読みにくいです。あと、やっぱり読書って、「本」という形をもつものが含んでいる文字を辿る過程なのかな…ということを改めて認識。電子書籍の、いったい今どれくらい読んでいて、あとどれくらいページが残っているかを確認できないのは、なんだかツライ。電子画面に、「いま〇%」「読み終えるまで〇分」とか出るんだけど、どうもなあ…。
あの小さな機器の中に、何冊も本が入ると思うと、便利とも思うのですが、使い慣れるにはまだまだ時間がかかりそう…。
さて、昨日、日曜美術館で高村光太郎の特集をやっていましたね。私にとっては、詩人の印象が強かったものですから、彼自身が自分のことを「彫刻家」だと言っていたことは今回初めて知りました。知っているようで、よく知らない人だったんだなあ。
ゲストの平野啓一郎さんが、智恵子抄について話していたので、思わず電子書籍(¥0)をダウンロード。有名な「あどけない話」や「レモン哀歌」などの詩作の他に、「智恵子の半生」という散文がとてもグッときました。これは光太郎が最愛の智恵子を失ったあと、智恵子という一人の女性の半生を留めておこうと、二人の軌跡を赤裸々に綴ったもの。智恵子には自分の好きなように自由に生きるというような幸せはなかったが、光太郎との関係はとても崇高で理想的なものだったのではないかと思いました。
このように機動的に本を手に入れることができるのは電子書籍の利点ですね。先日も宮崎監督の「風立ちぬ」を見た後、これも衝動的に堀辰雄の「風立ちぬ」をダウンロードして読んでみました。映画作品が多面的に広がる気がします。こういうのはよいなあ!
以上、電子書籍の感想でした。あと数年もたてば、どんな存在になっているのでしょうねえ~!!