寒い日は、僕は夏の日を思い出す。
芝生は青々として
太陽が照れば照る程、つやつやと色っぽく光り、
肌はじりじりとやけて、おでこや首元からは汗がしたたる。
水をまくと
ホースは生きているように飛び跳ねて、
子供たちは空中に映し出される小さな虹に、はしゃぎ夢中なる。
夏の日の笑い声は今は冬の中、12月の空気の中で反芻される。
遠くでは、蝉が生きている喜びを歌っては
芸術品のような薄い羽を震わせていた。
描き出される小さな虹の麓に
君を含めた全世界が楽園のように佇んでいるのだと
願うように佇んだ夏の日。
思い出せば僕の温度は夏の日、芝生の上の熱い風。
寒い日は、僕は思い出しては夏の中。
*寒い日は暑い日を思い出す…マッチ売りの少女的な?エコな温まり方です。
ホッカイロがわりにね、おすすめですよ。(←すすめられても困る?)