Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

小さな楽園

2012-08-19 | Weblog






半袖Tシャツから長袖シャツに着替え、なるべく厚い生地のジーンズを履く
春頃に新しく買った長靴は、履き心地が良い
グリップは破れてしまっているけど、まだまだ使えるからグイっと手にはめる
蚊の襲撃が凄いので、蚊取り線香は必ず持参し
そろそろ暑さも和らいできたかという時間に、意を決して外へ出る
でも、まだまだ暑い八月だ


時々、草とりをする
いつの間にか草の背丈は伸び、畑の野菜たちよりも主役の顔になっている草を取る作業は、
小さな世界を観ること


雑草と雑草でない植物の境界線って何だろう?
雑草の花はどれも可愛いから抜くのは本当は嫌だけど、
このままでは野菜が成長できないから仕方ない、抜かせてもらうよ、ごめんね

草を抜くと、蟻や団子虫や天道虫、名前の知らない虫たちが、
住み心地良かった場所がなくなってビックリして右往左往してしまうけど
突然住み処をなくしてしまって、平和に暮らしていただろうに、ごめんね
ここは、虫たちの小さな小さな世界があるところ
どっかどっかと長靴履いて踏み入って、人間は本当に無神経で、ごめん…


なんてことを頭の中で考えながら草取りをする
その間、草に、虫に、何回謝っているか分からない
我ながら変な人間だと思うけど口に出して言ってる訳でないから、まぁいいかと
濡れ縁に座りグリップを外し長靴を脱ぐ
草取りを終える頃は、額や首に汗が滴る程に暑い
でも、とても良い気持ちの爽快感
緑の中にいることや、虫と少しの時間でも一緒の空間にいることや土に触れることは
やっぱり、人間にとって心地良いことなのだろうと
いつも濡れ縁で思う
もやもや思っていたことや悩み事も、いつの間にか草と一緒になくなっている
それに、光や風や鳥の声も、町の音も全てが聴こえて心はとても静かになる
それらは、停滞している心模様を連れていってくれる楽園みたいな存在なのかもしれないと
ありがたい存在なのだと、その都度思う
着替えた後は、シャツとジーンズも、洗濯カゴの中で感謝の汗で染まっている


土に触れることは良いことだと感じる
想像するより、驚く程、ずっと穏やかな気持ちになる
そう、虫たちがビックリしていたくらい
それらが導いてくれるから、一度でいいから触れてみてほしいくらい


虫たちは今頃、住み処を新しく見つけて眠っているだろう
僕らも虫のように丸くなって眠ろう
生まれる前に、すやすや雲のベッドで眠っていたように
コンクリートが覆ってしまう前の大地を思い出しながら
















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