off  the  ball

「清く、楽しく、オモシロク♪」
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アーセナル×トッテナム

2010-11-23 | 10-11 football

アーセナル×トッテナムのロンドンダービーは、トッテナムが3-2の逆転勝利を収めた。

アーセナルは序盤から試合のペースを掴み、前半のうちにナスリとシャマクがゴールを決め、2-0で前半を折り返す。トッテナムは前線にボールを運ぶことが出来ず苦労していたね。

しかし、後半に入ってトッテナムがベイルのゴールで早々に1点を返すと、さらにセットプレーから2ゴールを挙げて逆転。最後は守りきって勝利。

前半は完全にアーセナルのペース。ワンタッチパスがテンポ良くまわり、それぞれが連動した動きを見せてトッテナムを翻弄。1点目のナスリの抜け出しや、2点目の縦への展開の速さは素晴らしかった。トッテナムの方は2列目のレノン、ファン・デル・ファールト、ベイルにボールが収まらずで攻撃の形が作れなかったしね、、、

しかし、後半にアーセナルDFが何でもないロングボールを簡単にデフォーに競り勝たれ、ファン・デル・ファールトに拾われると、後方から走りこんでいたベイルに繋がれてアッサリと失点。人数が足りているにもかかわらず、緩慢としか言いようのない一連の動きだったね、、、そして、セスクのPA内での不用意なハンドから同点に追いつかれ、前線ではシャマクの雑なプレーが目立ち始めて攻撃が停滞、、、悪循環というのか、何というのか、、、

後半の楽しみはロシツキーが投入されてプレーが見られたことくらいかな。何気ないプレーぶりでもボールを扱っている姿が見ていて美しいよね

トッテナムは、後半の頭から右サイドのレノンを下げてデフォーを投入。4-2-3-1から4-4-2に変更。トップ下を置かなくなったことと、スピードのあるデフォーを前線に投入したことで、中盤での詰まり感がなくなってピッチを広く使えるようになった。何より、中盤真ん中に位置するモドリッチの前方にスペースが出来たことでいつもの積極的な飛び出しが見られるようになったね~。2点目のきっかけもモドリッチのドリブル突破によるものセットプレーでの得点も大きかった。ということで、レドナップの采配がウマクいった感があったね。パブリュチェンコを起用するのだけはあんまりよく分からないけど、、、

それにしてもトッテナムはファン・デル・ファールトとベイルがホント活躍しているね~


のど飴失踪事件

2010-11-23 | ガッちゃんの日々。

店内に入ってくる1人の男。青いリュックを背負い、なにやら咳をしている。わたしを必要としているのか?と思いきや雑誌のコーナーへ、、、単なる時間潰しか。追っていた視線をその男から離す。しかし、5分ほどすると、こちらへ向かってくる。

やはり、直感は大事だな、とつくづく思う。

その男は、のど飴コーナーの前で立ち止まると思案顔で手をフラフラと漂わせている。迷っているのだろう、、、のど飴を選ぶくらいで、なんて優柔不断なヤツだ。と思いつつ、ココロの隅でわたしを選んでくれることを願っているのだから、コチラもどうしようもない。

そして、ようやく男は手にする。ゆずとすだちのど飴を。

自己紹介を少しばかり遅らせてしまったが、今回の主役は「わたし」、冬に必要とされることの多い「のど飴」である。のど飴が主役になるなんて世も末だ、と文句の1つもあろうが、ガッちゃんの決めたことなので、文句があるならそちらに言ってもらいたい。

男は、そのままレジへ向かい会計を済ます。いつものことながら、わたし1人だとシールを張られてしまうので気に食わない。そんなことを思っている間に男は店から出て、今しがた購入したわたしを青いリュックの中へ放り込み、自転車にまたがる。

しばらくはこの狭いリュックの中か。当分、出番のないことに少々がっかりしながらもこの暗闇と自転車の揺れを楽しむことにする。

しかし、少し走っただけで男は自転車を降りる。

「おはようございます。」

「どうぞ。」

どうやらどこかの家に入るらしい。

リュックはその男の背中から離れ、何物かの上に置かれたようだ。

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1時間ほど経っただろうか、リュックは再び男の背中に担がれ、「ありがとうございました。」という声が聞こえる。何かしらの用事が終わったのだな。そして、一筋の光が。

リュックが開いたのだ。リュックのなかを探る男からは咳が聞こえる。まず間違いない。わたしを探しているのだ。ようやくの出番に気持ちは高揚するが、なかなかわたしのトコロまで手が来ない。まだかまだかと期待は高まる。この時の時間ほど長く感じることはない。しかし、この期待も長くは続かず、絶望に転じるまでの時間はあっという間だった。あろうことか男は探すことを止めてしまったのだ。

なんということだ!たった1つの小さなリュックの中から数時間前に購入したわたしを見つけ出すことができないなんて。断崖絶壁から突き落とされたような、とはまさにこのことだと痛烈に思い知らされた。

しかし、悲劇はさらに続いた。わたしを探すことを諦めた男は信じられない言葉を発したのだ。

「おかしいな。ひょっとして、お金だけ払って、のど飴を受け取らなかったのかな、、、。」

リュックに入れたわたしを見つけられないばかりか、存在自体を否定しだしたのだ。言わば、かくれんぼで存在を忘れられて探してもらえない状態に等しい。こうなってはどうしようもない。じたばたできれば幸いだが、それすら叶わない身。こんな自分の記憶もあいまいになるような男に目をつけられたわたしを不幸と思うほかない。

その後も時折リュックの外から聞こえてくるのは「この前、のど飴買ったんですけど、お金だけ払ってのど飴受け取るのを忘れたんですよ~。」という能天気な男の声。

この声を聞く度に、わたしの人生、いや、飴生は終わったんだなと否応なく実感させられる。

男がわたしを手に取り、集団生活から抜け出させてくれたあの一瞬、他のどの飴でもないこのわたしを手に取ってくれた優越感に浸ることのできたあの一瞬。今更ながら、あの優越感はなんだったのだ、こんな仕打ちに遭うのならば、あのまま集団生活を続けていた方が幾分マシだったと思わざるをえない。そして、どうしようもない自分の運命というものを呪いながら目を閉じる。

――――――

わたしの飴生の終わりを覚悟して眠りについてどのくらい経ったろうか。人間の時間で言えば、おそらく1週間程度だと思うが、突然わたしはグッと掴まれたのだ。そして、すぐに解放されたかと思うと、光が照らされ、今度は確実に掴まれてリュックの中から出されたのだ。突然のことだったので軽いパニック状態に陥ってしまったが、どうやら男がようやくわたしの存在を理解したらしい。

自分の飴生の終わりを覚悟していたのに、突然わたしの責務を果たせるようになるとは、何とも神様の悪戯か。男の口のなかで転がされて喜ばしいことではあるが、素直に喜べないわたしがいる。

この一連の苦悩を男が察したのかどうかは分からないが、これがおそらくはわたしを主人公に仕立て上げる結果となった事件の顛末である。