東京・ウサギSATELLITES

兎についてきた人だけが迷い込む不思議な衛星

書くか書くまいか⑥~小説追記部屋(映画もあるでよ)~

2016-10-22 | 漫画・ドラマ・アニメ・ゲーム



というわけで、相変わらずダラダラと書いてきてしまいましたが、もう少し。

丁度この感想を考えている最中に新海監督と作家の川上未映子さんの対談をテレビで拝見したのですけれども(川上さんがとても素敵な女性で軽くファンになりましたゾ)お二人とも深い深いお話しをなさっていて、‘マイナスがゼロになった’とか‘水面から顔が出た’とか(←主に作品が世に出て評価された時の反応の話し)‘美しいと思った瞬間の風景が表現されている’とか頷きながら見つつ、その中でも特に新海監督の ‘明日誰かに会うかもしれない’ ‘何年後かに大事な人に会うかもしれない’ ‘まだ会ってない人に凄い大事な人がいるかも’という言葉が印象的でした。私としては人物もそうなのですけど、まだ見ぬ未来の小説なり映画なり…が気になるところです。

それと一つの作品を見ただけで毛嫌いするのもよくないな~と反省しました。人というのは多面的であることも考えないといけませんね。。


ということで、見ないはずだった『君の名は。』ご縁があって見られて良かったです。

That’s all.

書くか書くまいか⑤~小説追記部屋(映画もあるでよ)~

2016-10-22 | 漫画・ドラマ・アニメ・ゲーム
※ネタバレが含まれますので、くれぐれもご注意下さい。小説も映画もまだな人はここでストップ!








そんな感じでラストに向けてどんどんシリアスな展開になりつつ、皆大丈夫だったか?と焦らせられる王道展開もあるのですけど、そこは割とあっさり過ぎ、問題は別のところにありました...。

それは2人の記憶。

通常ならそのままいきそうなものですが、さすが新海監督。一筋縄ではいかず。小説の時も読んでいて「(なぜに!?)」となり、なぜ三葉ちゃんは瀧の掌に一本線しか書けぬのだ!とイラッともしたのですけど、だからこそ三葉ちゃんの掌に書かれていたものが生きてくるのでしょう...。ここも「(そうきたか~)」と思わされましたけど、どんな文字よりストレートに伝わる想いがあって、素敵だな瀧君…と見直しました。

私もたまに、というか...結構掌をジッと見る人っていると思うのですけど、手相の確認もありますけど、もしかしたらそこに書かれていた誰かからの文字を思い出そうとしているのかもしれませんね…(と、センチメンタルに書きたくもなる)。


そして危機は過ぎ、数年後の二人のすれ違いが始まります。雪の日の(ぼた雪の表現がまた秀逸)歩道橋でのシーンは秒速~を彷彿とさせて、小説を読んでいなかったら怒りでうち震えていたかもしれませんが、大丈夫でした。この2人は大丈夫でした(秒速の2人もこうであってほしかったボソ)。運命がそう導いたのか、強い想いがそうさせたのか、電車のすれ違いで目認しあうという奇跡。

...こういうことって実際ありますよね、併走していた電車が同じスピードになって隣の電車の窓の向こうの人と一瞬時を共にする感じ。三葉が瀧を見つけて、瀧がそれに気付いてくれて本当に良かったです。

そこからはもう磁石が引き合うように互いの姿を求め合い、見つけて、でもすぐに寄り添うのではなく…からの希望に満ちたラストで、最後のシーンでも「(そうきたか~)」と思いましたし(タイトルの出し方とか)、RADWIMPSの曲がバーンと流れた時は息が止まりそうになりました&涙も溢れそうになるという未知なる体験をしました。

RADWIMPSさんの曲は映画内でも度々流れてきて強い印象を残していましたが、これが内容と合っていなかったりすると軽い悲劇が起きるのですけど、この映画ではとてもよく合っていて曲に寄せて作り込んだ部分もあるのではないか?と思っていたら、監督は以前から聞いていらして好きなアーティストとして名前を出したそうで、曲のためにセリフを削った箇所や尺を延ばした箇所が幾つもあったそうです。私も特に「スパークル」には監督と同じように音楽の強さ、歌詞や歌声の強さを感じ、良い曲だなと思いました。


…さて、小説を読んで映画を見てパンフレット(プログラムというらしい…)を見るという秒速を見た後の自分からは想像もつかない新海作品漬け状態なのですが(しかも現在は『言の葉の庭』につかり中)そのパンフには興味深い話しが色々と載っていて、中でも言の葉の庭の登場人物であるユキちゃん先生が出ていたことには(映画を見た時は知らない存在だったので)悔やまれつつ、本当に沢山の人の想いと手によって作られているのだな~と再確認。

映画を思い出しながら、なる程…と照らし合わせていくのは作品全体の世界が見えてきて楽しいものです。