alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

頸原性頭痛(Cervicogenic headache)

2018-05-30 | 肩こり
日本を代表する頭痛専門医の間中信也先生が書かれた
「頭痛診療ツールとしての鍼灸技法の応用」
『臨床神経学』 52巻き11号、1299-1302ページ、2012年
この論文の中で、間中信也先生は、頭痛に対して「天柱治療」を提唱しています。
 
以下、引用。
「天柱穴は後頭骨の下縁・僧帽筋の外縁に位置する。
三叉神経と部求心神経は髄C2を中心に収束し、三叉神経神経複合体を形成する。この部分は脳幹疼痛制御系のコントロール下にある。
この特殊構造により、三叉神経を介して片頭痛と、神経を介して緊張型頭痛や頭痛と関連する一方、両神経系のインタラクションを形成する」
 
「天柱症候群、天柱ブロックという用語をはじめて使用したのは兵頭正義らである。兵頭は後頭部の僧帽筋起始部の後頭骨の付着部外縁を天柱という経穴名であらわすのが簡潔であり、その天柱に行うブロックを天柱ブロックと命名した」
天柱ブロックは、頭痛、緊張型頭痛、片頭痛に有効であることが2010年に日本頭痛学会で報告されています(井福正貴「後頭部痛における天柱ブロックの有効とその評価」『日本頭痛学会誌』2010:36:244-247)。
また、傍脊柱筋・筋膜痛を片頭痛の慢化の因とみなす仮説もあります(北見公一『変容片頭痛についてー片頭痛が慢化するメカニズム仮説ー』『日本頭痛学会雑誌』2007:34:174-178)。
 2006年にジョージア医科大学のメリックという医師は、417人の頭痛患者のC6-C7椎の棘突起両側に局所麻酔薬を注射し、有効率85.4パーセント(356人有効)という結果を得ました。多くの鍼灸師が、百労(第5椎棘突起の両側)が頭痛治療に有効であった症例を報告しています。
 西洋医学の分野における「天柱症候群」の概念や「頭痛」の研究を概括すると、頭痛の鍼灸臨床で、頭半棘筋などを天柱(BL10)から大椎(GV14)あたりまで触診することは重要だと感じます。

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