alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

朱丹渓の痰の治法

2018-06-04 | 中国医学の歴史
代、朱丹溪著『丹渓心法』十二経見証。
 
 モンゴル帝国時代、大家の朱丹渓(しゅたんけい:zhū dān xī:1281-1358)の「十二経見証」は、経絡弁証を研究する基礎文献になります。大家、劉完素、張従正、李東垣、朱丹渓の共通点は、五運六気理論を重視したことと、経絡弁証を使っていたことです。鍼灸だけでなく、漢方も経絡弁証なのです。
 また、劉完素の「火熱論」から始まり、李東垣の「陰火」理論、朱丹溪の「相火」理論など、内傷病による陰虚火旺の治療が特徴的です。
 
以下、朱丹溪著『丹渓心法』瘟疫五より引用。
「左手脈が右手より大きく、浮緩脈で大きく、重按すると無力である」
左手脉大于右手,浮缓而盛,按之无力。
 
「大病で虚脱し、もとは陰虚である場合、丹田(=石門・関)に艾灸し、補陽する。陽が生じれば、陰が長ずる故である。」
大病虚脱,本是阴虚,用艾灸丹田者,所以补阳,阳生阴长故也。
以上、『丹溪心法』瘟疫五(附大头天行病)より引用終わり。
朱丹溪先生は、陰虚火旺にお灸して治療していました。
 
さらに、朱丹渓先生の独創の多くは、「痰証」の治療にあります。
 
以下、朱丹溪著『丹渓心法』痰十三より引用。
「よく痰を治すものは、痰のみを治療せずに、気を治す。気がながれれば、一身の津液は気にしたがう、また、気めぐれば、痰もめぐるのである」
为善治痰者,不治痰而治气,气顺则一身之津液,亦随气而顺矣
以上、朱丹溪著『丹渓心法』痰十三より引用終わり。
治痰には、気をながして経絡を通じさせるのが先になります。

最新の画像もっと見る