大恐慌入門 何が起こっているか? これからどうなるか? どう対応すべきか? | |
朝倉慶 | |
徳間書店 |
本文より
問題は図のように急拡大したCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場なのです。
詳しくは後述しますが、CDSは金融商品の元金を保証する保険のようなものです。
その想定元本は、現在でも5400兆円と世界のGDPに匹敵します。
CDS市場には株式市場や債券市場、為替市場といって公の市場はありません。
相対(あいたい)取引です。
それゆえCDSの売り手、すなわち保険を引き受けたほうは、損害が出たら保証しなければならないわけですが、この売り手がそれに見合うだけの資金を持っているのか公開されていないのです。
いわばいつパンクするかわからないわけです。
このCDS問題が、今回の金融危機を巨大な規模に拡大し、まさしく未曾有の規模にまで追いつめている原因といってもいいでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【私のコメント】
上記は3年前の2008.12月出版の本だが、その後このCDSについてはほとんど報道されず、代わってギリシア危機ばかりが報道されてきた。
これは本末転倒であって、ギリシア危機は派生的問題に過ぎない。
CDSについての報道は日経新聞でもほそぼそと報道されるか、非常に難解に報道されるかのいずれかで、アリバイづくりに過ぎないような報道の仕方である。
アメリカ経済の危うさをもみ消すような報道である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます