ひょうきちの疑問

新聞・テレビ報道はおかしい。
2020年のアメリカ大統領選以後はムチャクチャ

お金とは何だ 30 株とは何だ

2018-10-13 22:00:56 | お金とは何だ

土曜日

働いてコツコツ貯めた自分のお金で、自分の会社をつくる。これが原型である。
次に、会社の設立に自分だけの資金では足りない場合、友人と共同経営して、50万円ずつ出し合い、100万円で会社をつくる。
この場合、一人でつくるか二人でつくるかの違いだけで、自己資本であることに変わりはない。
資本金を1人で出そうが2人で出そうが人数が違うだけで、そこに資本金としての違いはない。
この会社の利益(配当金)を出資者にどう配分するか。
その権利が株式である。

会社に出資をした時、世の中のお金の量は増えない。
増えないという意味は、足りない50万円を銀行から借り入れた場合と比べて、という意味である。もし銀行から借り入れれば、借り入れた分、世の中のお金は増えたことになる。
そこに大きな違いがある。
株式と銀行借り入れの違いはそこにある。
前者が直接金融(現物金融)で、後者が間接金融(コピー金融)である。

会社設立資金として株式投資をする場合には、銀行のような信用創造は発生しない。
既存の会社が新株を発行する場合(増資)にも、信用創造は発生しない。
さらに他人の所有する株を購入する場合にも、信用創造は発生しない。この時は株の所有権が移転するだけである。このときも、AさんとBさんの株と現金が交換されただけで、世の中のお金の量は変わらない。
そしていずれの場合も、株の購入は、お金をその企業に預けたわけではないから、会社に債務は発生せず、返済義務も発生しない。だから世の中のお金の量は変わらない。

問題になるのは、株価の異常な高騰である。
これがバブルである。
100万円だった株が、1年後に150万円になった場合、その50万円はどこから来るのか。
100万円で買った株を150万円で売った場合には、その株を買った人が売り手に150万円を支払ったわけであるから、これも世の中のお金の量には変化がない。だからここにも信用創造は発生しない。

とすれば値上がりした分の50万円はどこから来たのか。
少なくともここで言えることは、株取引そのものにはお金の量を増やす機能はない、ということである。
株価が値上がりし、その会社の資産が大きく膨らむということはよくあるが、そのことによって、世の中のお金の量が増えたことにはならない。
株取引自体はあくまで等価交換であり、そこにはお金の量の変動はない。

株式資産が膨張した分は、それ以外のところのお金が減少したということである。

ただここで注意しなければならないことは、たとえ株価が150万円だったとしても、誰かがその株を一斉に売り払おうとした場合には、150万円で売ることができるのはその中のほんの一部の株に過ぎず、それ以外の株は150万円以下の値下がりした値段でしか売ることができないということである。
だから株式資産の総額が、株価 × 株式数で表されるというのは、本当はウソである。


いくら株価が値上がりしても、そのことだけによって世の中のお金の量が増加することはできない。
問題は株を買うお金がどこから来たかということである。

(ただ前にも書いたように、株主が会社の負った借金を返済しなくてもいいという株主の無責任性は、これとは別のところで、権利と責任の非対称性として存在する。)


お金とは何だ 29 富の危険性

2018-10-13 11:38:54 | お金とは何だ

土曜日

富そのものが、利益を生む。
しかしその利益は不労所得である。
人を働かせて自分の利益にしたものである。
だから富はもともと危険なものである。
同じ人間に生まれても、富を譲り受けた者は、それだけで人を使うことができる。

肉は腐って富にはならないが、穀物は肉に比べると保存が効く。
お金になると半永久的に保存できる。
保存できる利益が富である。

しかも銀行が扱う富は、もともと自分のものではない。
他人の富を集めて、人に貸し出すものである。
これが金融業である。

富がもともと危険なものだとすれば、
銀行はその危険な富を集めて、さらにそれを拡大するのが仕事である。
それは不労所得の拡大を意味する。

こうやって債権は拡大され、その利益はもともとの富の持ち主に還元される。
これは富の分配ではなく、富の収奪である。

他人の富を集め、それを貸し出すことができるのか。
そのことは何を意味するか。
富が人を支配するということである。
しかももともとの富の2倍、3倍の力をもって、人を支配するということである。

このことは、多くの宗教の説く「富の分配」の教えとは対極にある。
「富の分配」は喜捨や寄贈である。これには返済はともなわない。
しかし銀行債権の発生には必ず債務がともなう。債務には返済の義務がともなう。さらにそこから利息を取る。
「貸す」という行為の意味は大きい。
通常、借りたもの以上の価値を生み出すのは難しい。
だから、富の貸し出しによって、
貧しい者から、富める者への富の移転がますます進む。


お金とは何だ 28 不良債権の無限連鎖

2018-10-13 11:07:23 | お金とは何だ

土曜日

ユーチューブの動画は、このブログに埋め込むことができる。
一見すると、1つの動画が、ユーチューブでも見れるし、私のブログでも見れる。
だから同じ動画が2つあるように感じる。
しかし、もしそのユーチューブの動画が削除されれば、私のブログに埋め込んだ動画も同時に削除される。

銀行が貸し出した債権も同じようなものである。
複数の債権があるように見えても、その実態は1つである。1つが削除されれば、そこから生み出された複数の動画もすべて削除される。
銀行からお金を借りた人が、それをまた別の人に貸せば、そこにまた新たな債権が発生するが、それによって債権の量が増えたかといえば、その債権は非常に脆弱で、1つの債権が不良債権化すれば、それに連動する他のすべての債権も不良債権化する。

1.1つの債権が無限に連鎖して新しい債権を発生させていけば、
2.その中の1つから発生した不良債権も無限に連鎖して不良債権化していく。
不良債権の無限連鎖である。

1が行きすぎればバブルになり、
2が起こると恐慌になる。
これにやられると、平成30年間の日本のように、経済は破壊され、長いこと立ち直れない。

1の銀行の信用創造により、債権が拡大すればするほど、1つの不良債権の発生により、
2の恐慌が発生するリスクは高まる。

単なる住宅貸し付けに過ぎないサブプライムローンが不良債権化しただけで、全世界が不良債権だらけになり、全世界を不況が襲う構造はこれである。
金貸し業が、古来嫌われていた理由はここにある。