アナザースカイ エジプト

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カイロの車窓から

2014年03月14日 | 旅行

 

 

 

 

カイロ市内は相変わらずの渋滞。

もうすっかり慣れてしまって、イラつきも焦りもしない。

渋滞なんだから仕方ない。

いつか目的地に着くだろう。着かないのなら運が悪かった、縁がなかったと考えるようになり、心が軽くなった。

しかし、実際にカイロで生活をしている人々やツアー観光客にとって、時間のロスは苦痛でもある。

交通渋滞対策も今後のエジプトの大きな課題だ。

 

 

                                                     

 

 このような渋滞に はまると、いつも思い出す言葉がある。

「インシャー・アッラー」という有名なアラビア語のフレーズだ。

直訳すると「神の御心のままに」

誤解されて伝えられている場合もあるが、決していい加減な約束や仕事などの言い訳では使われていない。

努力して最善を尽くす。しかし、この世界ではそれでもどうしようもない不条理なことが起こる。

その時は慌てず騒がずその事態を受け入れよう、との意味があると私は解釈する。

エジプトの人々はこの言葉を大切にしている。

 

 

 

                                                                  

 

とにかくエジプトの人々はのびのび大らかだ。細かいことで、ギャアギャア騒がない。(しかし、おしゃべりはすごい!)

ところがこの道中、なんとギャアギャア騒ぐ人物が現れた!

 

 

  

              

 

渋滞の中を走行中のバス。

突然!若い男性がやってきて、すごい剣幕でバスのドアをたたき始めた。

ガンガンとガラスが割れるのではないかと思われるほどの勢いだ。

顔を見ると、なにか烈火のごとく怒っている。

何を言っているのかさっぱりわからない、マシンガントークのようなアラビア語をまくしたてている。

車内は騒然となった。一体何が起ったのか?

  

 

 

              

 

娘に通訳してもらおう。

「お前!なに俺を はねてんだ!!!お前のバスが俺を突き飛ばしたせいで、俺の身体はすごく痛いんだよ!!!どうしてくれるんだ!!」みたいなことをまくし立てているらしい。

渋滞で気がつかなかったが、はねたんだ!!

 ………… ドライバーは何も言わない………さて、どうする?!私たちは固唾を飲んだ。

 

ドライバーは、やっと口を開いて何かを言った。

怒髪天を突いていた若い男性はその言葉を聞いて、両手で心底呆れた!とリアクションをした!

そしてしばらく呆れたような顔をしていたが、諦めて去っていった???

 

ドライバーの言葉を、再び娘に通訳してもらおう。

「だって、あんたがいること、知らなかったし 見えなかったんだもん!!!」

娘の訳し方がヘンだが、そんなニュアンスだったらしい。

意外なる一件落着で、車中はドッと爆笑!

え~!あんなに怒っていたのに、こんな理由で納得する~?それでいいの?しかし男性は去っていった。

 

 

 

                 

 

しばらくするとこんな光景に出くわした。
 
若者たちが「平和的にデモを行おう!ムルシに反対なら車のクラクションを鳴らそう、レッドカードを掲げよう。」と道行く車に呼びかけていた。
 
この後6月30日より始まった反政府デモでも、随所に平和的に訴える工夫を草の根で行ってきたのは、若者たちだった。
 
若者扇動で始まったエジプト革命も、無血革命、スマート革命とネーミングされるほど当初は平和的なものだった。
 
人口の過半数は30歳以下の若者といわれているエジプト。彼らの若い知恵を利用するのも、今後のエジプトにとってたいへん重要なことだと感じた。
 
 
 
 

                                         

 

エジプトのスーパーやショッピングモールが見たいというメンバーの要望で、砂漠オアシスロード沿いのカルフールへ。

モールでアクセサリーや靴をお土産として購入したり、フードコートで一息ついたり、スーパーの食材やお菓子、雑貨などを興味津々で探訪してまわった。

パプニングがいろいろ起こった3日目のツアーは、こうしてやっと終了。

太陽の光が温かいオレンジ色に変わり、カルフールのガラス張りの壁面に差し込み始める頃、私たちはホテルへ戻った。

 

 

 

                                         

しかし息子と嫁にはまだツアーが残っていた。

娘のピラミッドエリアのすぐ近く、アブルホールストリートにある下宿先へのお泊りツアーだ。

滞在しているホテルから、歩いてでも行くことのできる距離。

あまり灯りの無い夜道を、ラクダ君たちの○○コを踏まずに歩くのがいかに大変だったかと話していた。

この言葉の意味は、私は娘の下宿へ行ってから理解することとなる。

久しぶりの兄妹、嫁の3人で深夜まで、食べたり飲んだり…語り明かしたようだった。

 

 

 

                 

 

翌朝、踊り場から見えるピラミッドに、はしゃぐ二人。 

息子がエジプトを去ってから、娘が気がついた。

玄関ドアの前の砂漠の砂が溜まったフロアに息子の靴跡が。「お兄ちゃんの置き土産だ!」と娘は笑った。

今回息子夫婦が、苦労してでも仕事の調整をしてやってきたエジプト。

エジプトでの妹が元気でいるのかを、自分の目で確かめたかったのかもしれない。

エジプトとうまくやっている、変わらない明るい妹の姿を見て安心したことだろう。

明日はいよいよ4日目。ラスマイ!一日観光は最後の日となる。静かな佇まいの町オールドカイロへ。

 

 

 

 

 

 

 

 


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