朱の徒然

変形性股関節症の76歳

シンガポール漫遊記

2015年06月26日 | 日記

 さーて、術後初めての海外旅行!   これが、術後のある意味、最終目標でした。

 旅に出れない人生なんて、つまらない。20年前から年に1回ないしは2回の海外旅行は、私の生きる原動力でした。夫と、友人と、時には度胸で一人で出かけていました。娘とは、2回行ったね。   ああー、2年ぶりの海外、心躍ります。建国50周年のシンガポールに。

 今回は、もちろん保護者然の夫と。  まずシンガポールスリングで、機上で乾杯!

 6時間後、6つ星の「リッツカールトンホテル」へ。 

 静かなアート空間のロビーに、4月に駐在になった息子一家が迎えに来てくれていました。

 早速、息子のマンションへ。  心配した野球少年は、コーチ付きのテニス・ボーイに変身していました。      会話は英語だけでも、身体を動かすことが大好きなので、生き生きコートで走っていて、一安心。

      

 次男坊は、インターナショナル系の幼稚園だそうで、私とベットで寝転がって単語合戦してみましたが、トホホー負けそう。   昔のプロレス・エルボーを思い出して「じゃー肘って知ってる?」といって、「エルボー エルボー」とひじを突っつきあって大盛り上がり。      2歳の3男坊もやってきて、「エルボ」で暴れっこしました。

 皆、元気でよかった、よかった。すっかり「チャンギ・ボーイ」になっていました。

 夕食は、お嫁様のもてなしシンガポール料理で。  桐嶋洋子の「聡明な女は料理がうまい」を思い出しました。

 お嫁様が異国に順応することが、子供たちにとっても楽しい毎日になり、息子の幸福につながっていると、   心から感謝!

 そして、ホテルに戻り、デラックスルームから望む、マリーナ湾の夜景を堪能。

               

 翌朝からは、阪急交通社が手配してくれたコースを3日間。日中は、私たち二人だけの為の運転手、ガイド付きで、観光地巡り。   ビックリするくらいの贅沢な旅に、阪急に深謝!      (実はシンガポールには、もう何回も・・。でも、この淡路島位の小さな国は進化し続けていて、美しく新鮮)

 

 2日目は憧れの5つ星「マリーナベイサンズホテル」へ。夕方に息子一家が来てくれましたので、ここの巨大地下での飲茶料理。 飲んで食べて、楽しんで、また会おうと、「エルボー」で お別れ。

                       

  

 さてさて、まだ明るい夜は、今やシンガポールのシンボルとなった「空中庭園」へ。揺れない広いすごい!船形のへさきなので、気分はタイタニックかしら?

 でも、チト強行軍で疲れました。足は感覚を失くしそうでしたので、癒しの風呂へ。もう腹突出し運動(シット・アップ)をする体力はなく、足先の曲げ伸ばしだけして、ベットに横たわり ひたすら足の回復を願いました。

 そして、朝 身も心も復活。 ベイサンズの宿泊者だけに許されたダントツ話題の屋上の「天空プール」へ。

        

 早朝6時は、まだ暗くて静か。でも、もう人は泳いでいる。我ら夫婦も ひと泳ぎ。念願でもあったので、何とも言えず 幸せな波の揺らめきでした。

 プールの反対側で、隣の植物園を眺めていたら、太陽が昇り始めました。息子一家が住む方向に向かって、彼等の無事と幸せを祈りました。そんな気分にさせる朝の絶景でした。

 

 3日目。午前11時にチェックアウト。やはり二人だけの為の運転手とガイドに観光地を案内され、昼食、宝石店が済んで4時から、自由時間。そりゃあもう最後は「カジノ」でしょ。

 かって、マレーシアのケーブルカーで登る、雲の上の「ゲンティンハイランド」のカジノに行ったことがあります。 だから勝つぞと、私は楽しみにしていました。

 でも真面目な夫はマレーシアと違って、システムが新しく、やり方が分からないと乗り気薄。  周りを見渡すと、シンガポール100ドル紙幣をバンバン投入している中国人ばかり。 ときどきインド顔で、日本人はどこにいるか分からない。   ドレスコードでもなく、ごく庶民風の装いと雰囲気。

 

 でも、このカジノは、飲み物飲み放題。椅子も革張りで座りやすく、主に機械相手のゲームも多い。それを夫は、まず研究してみようと云うので、お互いの位置を確認して離れてみました。

 彼は機械に、私は人間に興味津々。  特に妄想型の私は、すぐにターゲットを見つけました。

 ルーレットをしている、質素な身なりの痩せ細ったおじいさん。過去の人生の苦労が姿に出ています。すぐ隣には、20代と思しきハンケツ、胸だしの高いハイヒールの女。まあ、彼女が準主役。時折おじいさんはルーレットの画面方向を三木のり平顔で、口元笑ったりします。 焦った時に、パラパラとチップが落ちましたが気づきません。

 それを しばらく見ていましたが、知らない様なので、舞台を見てる観客気分である私が、そっとテーブルの端に載せました。

 もしも、ここで保護者の夫が見ていたら 「必死で勝負しているのに、 余計なことをするな!と怒られたらどうするんだ」と云ったでしょうね。  私の妄想では「大勝ちしたので、残りのチップをあげるから賭けてごらん」と言って去ってゆく爺さんなんだけど・・。

 準主役の女性は相当強いらしく、場所を変えたり、ルーレットの目を計算している風でした。どちらもラストは知りません。

 1階は大勢で喧騒。私がいたのは2階で、まあまあ静かで人まばら。隣の椅子に足を乗せて、人間ドラマは見れるし、休憩にはもってこいの場所でした。  でも、折角ここまで来たんだからと、度胸満点の私は、しぶる夫を誘って3階へ。 ガラス越しに見える部屋の前のドアマンに話しかける私の日本語が聞こえたらしく、スタッフの日本人イケメン青年が ドラマチックに登場。もう、雰囲気は韓流ドラマ。    

 ルールが説明できないのは、日本人をひいきしたと思われるからと。 で、3階はレートの高いゲームをすることが義務付けられているとのこと。 ウッヒョー! 

 結局、我ら夫婦はカジノの思い出に、会員になっただけで、ギャンブルなしで退散。( 依存症の特効薬は、ギャンブルしている他人の姿を見せることだと思いますが、帚木先生、どうでしょう?)

 

  マリーナベイサンズは、3つのビルの上に、地上200メートル上のプールを作り、地下も4階まで。

 ここでは、縦横に移動しなければ楽しめない。  体力と脚力がない人間の行くところじゃない。  私は、もう降参。   若くて、好奇心に溢れた英語か中国語が分かる人にとっては、この世の果ての面白どころ。                          ユダヤ人が設計したというこのビルは、文句なしにすごい!  

    人もいっぱい!  ああ、残念、脚が疲れると 面白くない。歩きたくない!このホテルは通路!

 

  でもでも、弱っても好奇心BAは、自分の好きな場所、魅かれるものを見つけました!

 オプション観光では分からない これぞベイサンズの真のすばらしき場所を!

 「アートサイエンスミュージアム」(芸術科学博物館)の上。 そこは湾内船着き場のあるところ。

 ベイサンズを抜けた隣、外。 つまり無料の休憩所です。

 まるで、空から降ってくる巨大な滝のような勢いのある水。 噴水の逆バージョン。   湾の向こうのビル群も見え、陰も風もあり 涼しい。   その下に置かれた、憩いのシルバーの椅子。  辿り着き ホッとして、座った時の嬉しさ。これぞ、ベイサンズが初めて見せた 優しさでした。

 そして、そして、花畑かと思ったら、池。    広い 池の中には、見事な青色と桃色の蓮の花が!   

 こんな極楽を 初めて見ました。感動!

 そっかー、ミュージアムは、蓮の形だね。この場所にきているのは、タバコ一服に来たベイサンズの従業員だけ。

 ベイサンズには、無料の椅子なんかありませんよ!ロビーにも椅子はありません。どこにもありゃしない。

 ただただ、歩くための装置は施されてますよ。宿泊カードで、エレベーターで、22階まで、それから歩いて別のエレベーターへ乗って55階まで。そこでチェック受けて、階段上がってプールへってね。もう全てに へとへと歩き。

 

 かくして、術後の 初海外は、孫たちにも会え、愉快で楽しく面白く、大満足。

 夫が 海外慣れしていて、気配りできる人で良かったわと あらためて思った旅でした。

 

   

 青い蓮   ここは浄土かえー     釈迦の昼寝気分の心地よさ

 

コメント (1)
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