鳩山間の田天体観測所

趣味の天体写真を中心に、遠征の記録や望遠鏡関係の工作などを載せていく予定です。

20cm反射の改造(5)仮組・試写

2012-02-25 21:43:40 | 工作
加工がほぼ終わったところで仮組をしてフォーカステストをします。

おそらくピントは出るはずですが、ドローチューブをどれくらい繰り出したところで
ピントが合うか確認をします。
そして、もっともよい繰り出し量になるよう鏡筒の長さを調節します。


斜鏡スパイダーも組み込み、仮組が完成しました。
スパイダーを鏡筒に止めるねじはただのナットです。
このままでは精度が低いので、後でしっかりしたねじを作る予定です。


同じく筒先からのぞいたところ。
斜鏡セルがオフセットされている様子がよくわかります。


試写した1枚です。35ミリフルサイズのノートリミングです。

写野の大きさが格段に広がりました。コマ収差も目立ちません。
フラットの補正をしていないので、ノートリミングではミラーボックスのケラレが強く出ます。
肝心のドローチューブの繰り出し量ですが、わずか1ミリのとことでピントが合いました。
コマコレクターなしではピントが出ません。
なので鏡筒を9ミリ切断することにします。

トリミングしてみました。

20cmF5反射直焦点
キヤノンEOS5DMK2 1分30秒露光×4
コマコレクター3 LPSP2フィルター


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20cm反射の改造(4)鏡筒の加工

2012-02-25 12:02:37 | 工作
R200SS用の接眼部を取り付けるため、鏡筒を加工します。

オリジナルのスライド式接眼部の焦点の筒外引き出し量を測ったところ約106ミリでした。
いっぽう、R200SS用の接眼部ではビクセン社のHPから約128ミリであることがわかりました。

したがって、新しい接眼部は、古い接眼部よりも22ミリ主鏡に近づけたところに取り付けます。
思わぬミスや加工精度の悪さなどで焦点が出なかったときのことも考え、
今回は20ミリ主鏡に近づけた場所に取り付けることにしました。
もし焦点が出なくても、鏡筒をほんの少し切断すればいいからです。

加工に取りかかります。


まず、古い接眼部の取り外しです。


取り外したスライド式接眼部。
これはこれで立派なものです。いつか何かに使えるかな。


鏡筒に油性ペンで切り取り線を描き、ジグソーで切っていきます。
赤いテープはジグソーの底面で鏡筒に傷をつけないための養生です。
すごい音が出るので、近所迷惑だったかも。


新しい接眼部をのせてみます。
スライド接眼部用の四角い穴が残ってしまいましたが、何かふさぐ手だてを考えなくてはいけません。
鏡筒端に貼ってある紙は、スパイダー取り付け穴の位置決めです。
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20cm反射の改造(3)斜鏡セル

2012-02-23 20:30:07 | 工作
スパイダーの製作に続いて、斜鏡セルを改造します。

Fの明るい短焦点反射を写真鏡に利用するには周辺光量を均等にするため、
斜鏡をオフセットして取り付けるのがふつうです。

オリジナルのセルは旋盤加工されていて、引きねじはしっかりセンターにあります。
そこで、オリジナルの斜鏡セルにアルミ板をねじ止めし、引きねじをオフセットすることにしました。


まず、5ミリ厚のアルミ板から斜鏡セルと同径の円盤を切り出します。



旋盤にくわえて、外径加工をします。
板が薄いので外爪でうまくくわえられませんので、
少し小さいアルミ板をヤトイにして3本のボルトで浮かせて取り付けます。
引きねじ用の穴はオフセットするので使えません。



完成した斜鏡セル
引きねじはM5  引きねじナットは当たり面を球面加工するのですが
技術がないので袋ナットを加工しました。



スパイダーに取り付けてみます。
押しねじの先端も球面加工するかわりに袋ナットをかぶせました。
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20cm反射の改造(2)スパイダーの製作

2012-02-21 20:57:06 | 工作
改造の最初にスパイダーを作ります。

オリジナルは1本足スパイダーですが、そのままでは使えないことがわかりましたので、
新しいスパイダーを作ることにしました。

主鏡はF5ですので、写真鏡として使うには斜鏡をオフセットして取り付けます。
図面を引いたりして検討した結果、斜鏡は主鏡の光軸に対して3ミリオフセットすることにしました。

スパイダー自体をオフセットする方法もあるのですが、
今回は斜鏡セルでオフセットすることにして、スパイダーは光軸の中心に一致させるようにしました。

スパイダーの中心の円盤部分から作り始めます。
素材は55ミリφ厚さ10ミリの真鍮円盤です。


手にしてみるとずっしりと重いので、軽くするために中央部分を旋盤で削りました。
周辺部分を残したのは、スパイダーの羽根との接続部分を確保するためです。
あまり薄くすると、押しねじのガタつきが大きくなるので、3ミリだけ削りました。


光軸修正のためのねじを切ります。
オリジナルより一回り細く、引きねじはM5、押しねじはM4です。


羽根部分は1ミリ厚の真鍮板から金切り鋸で切り出しました。
あまり厚いと星像に影響が出ますし、薄いと強度的に心配です。
写真鏡にするためにはたわみはなるべく避けなければなりませんので
本当はもっと厚い素材にしたかったのですが、手元にある真鍮板で我慢しました。


接合部分に金ノコで切り込みを入れ、仮組みしてみます。


アルミの円盤の上に載せて、ガスコンロであぶります。
温度が上がったところで、糸はんだを流し込みます。


鏡筒取り付け部分はM6ボルトから切り出しました。
こちらも金ノコで切り込みを入れ、仮組みしてからハンダ付けします。
糸ハンダをのせてガストーチであぶると、ハンダがとけて接合部分の隙間にすうっと入り込んでいきます。



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20cm反射の改造

2012-02-19 10:41:34 | 工作
前々から温めていた構想ではあったのですが、
自宅の庭先に据えてある20cm反射の接眼部を改造することにしました。

というのも、この望遠鏡(ビクセン社製)は接眼部がスライド式で、
焦点までの筒外引き出し距離が小さくて済む利点があったものの、
写真を撮影するとケラレが起こっていたからです。



写真を見てわかるとおり写野の直径は25ミリほど、APSCサイズもありません。
また、周辺部には短焦点反射特有のコマ収差が現れています。

原因は、カメラアダプターの内径が小さいことです。
写真のアダプターはフィルターを入れるための自作品ですが、
純正でも内径は大して変わりません。
およそ38ミリほどです。



内径を大きくしようにも、スライド部分の幅に限界があるので大きくできません。
コマ収差を改善するコレクターレンズも入れることができません。

ビクセン社のR200SSの接眼部と交換することができれば、
2つ問題を解決できそうです。

そう思っていたところ、ネットオークションでR200SSの接眼部が
出品されているのを見つけました。
運良く落札できましたので、さっそく改造に着手することにしました。


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