赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

メディアがネットに敗北した日 コラム(263)

2018-06-07 11:08:59 | 政治見解




コラム(263):メディアがネットに敗北した日


世の中の動きを知る手段は、新聞やテレビよりも、Yahoo!などのネット情報に移行しようとしています。しかも、傾向としては新聞社やテレビ局のオンラインサイトよりもネット配信のニュースへのアクセスが多くなっています。ネットとメディアの地位が逆転しはじめたようです。


日大アメフト事件に見るメディアの敗北

最近の具体例としては日大アメフト事件があります。この事件は明らかにネットでの映像拡散から始まりました。メディアは数日後に時間差で報道したのです。

当ブログに寄せられた識者のご意見を紹介します。

この事件はもともとSNSへの投稿から始まりました。メディアによる取材はそのあと始まったわけです。メディアが騒ぎ立てているので、あたかもメディア主導の事件のように見えます。しかし実は、ネット情報にメディアが後れを取り、後追いで騒ぎ立てているだけなのです。

最近のテレビニュースでは、視聴者が提供する映像や情報が以前にも増して多くなっています。メディアは自分たち自身の取材ではなく視聴者情報に依存し始めています。

新聞に掲載される記事はすでに賞味期限の切れた内容が活字になって届くだけです。また、彼らはネット上にある情報を探し回り、大した裏付けもなく記事にすることさえあるのです。

メディアは、いま世界で起きている出来事を瞬時に報道する力をすでに失っているのということなのです。この傾向は今後ますます顕著になると思います。既存のメディアがネットに敗北する日が近づいているのです。



メディアの能力低下は致命的

筆者が国際政治を勉強していた頃、いま保守の論壇で大活躍している先輩から「朝日新聞の外信記事だけは必ず読むように」と勧められたことがあります。昔から偏向記事が多い朝日新聞ではありましたが、ソ連圏を除く外信記事だけは割りと客観的に書かれており読む価値がありました。

また、中東問題を専門にしている研究者からは、外信記事をよく読みこんで分析すれば、「その国家の動向が八割程度は解析できる」、「スパイ活動など必要ない」と断言していたことを記憶しています。当時は、それほどに、外信記事の信頼度が高かったのです。

ところが、いつの頃からか、外信記事の手抜きが始まりました。海外に取材班を送り込んでも丹念な取材活動をしなくなり、現地メディアの報道を翻訳したものばかりとなりました。NHKがその典型で、アメリカに関する報道は、印刷部数30万部程度のニューヨークタイムスや、ニュース専門チャンネルCNNなどの報道内容を丸写しています。


情報価値のない既存メディア

現在では、外信部に見られるような手抜きの傾向はメディア組織全般に蔓延しています。膨大な量の情報の取捨選択を放棄して、メディアが関心のあることのみを取り上げることが多くなりました。しかも情報を流す際には、意図的な編集を加味するなどの操作を行っているのが現状です。これでは情報としての価値はありません。


米メディアの凋落

一方、トランプ大統領は自らの考えをツイッターで発信しています。メディアもトランプ大統領のツイッターをもとに報道せざるを得ず、メディアによる作為的な情報を混ぜることができなくなっています。しかも、トランプ大統領のツイッターのフォロワー数は毎日のように増え、現在5200万人にものぼっている現状をメディアは深刻に受け止めるべきだと思います。

ツイッターにおけるトランプ現象は、圧倒的多数の人がバイアスをかけ続けるメディアを見限った証左だということです。


新聞購読者がいなくなる日

日本や世界の国々では高齢化が進み、団塊の世代と言われた人々も70歳を超えています。また、彼らの多くは肉体的な衰えもあり新聞の活字を読まなくなっています。さらに年金生活に入った彼らの共通の行動原理として生活費の節約が始まっています。したがって月々4037円の新聞代が削られていくのは自然の成り行きなのです。

情報はテレビからで十分得られ、朝刊のトップ記事はすでに昨日のテレビで報じられた事柄ばかりです。新聞に代わる情報があふれている現在、新聞で得られるものはもう何もないのです。

社会における新聞の持つ価値は皆無と言っても過言ではありません。

新聞メディアは仮に「正義を装った扇動報道」をやめても読者を取り戻すことが困難な領域に入っていることを早く認識すべきです。



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