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赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

プーチンは戦術核を使う??――ウクライナ戦争の行方① 230123情報

2023-01-23 00:00:00 | 政治見解




プーチンは戦術核を使う??――ウクライナ戦争の行方① :230123情報

今回は3回シリーズでウクライナ戦争の行方について、当ブログでは初めてご登場の政治学者に解説していただきます。

この方は、2021年に誰もが「ロシアのウクライナ侵攻はないだろう」との楽観論が主流だったころから、
「第1に、ロシアがウクライナに侵攻しても、米軍やNATOがウクライナのために戦うことはない」、
「第2に、アメリカやNATOはウクライナ軍を支援することでウクライナを助ける」、
「第3に、ロシアがウクライナに侵攻すれば、アメリカと欧州はロシアに対して強力な経済制裁を科す」

ということを言っておられた方でした。

今回、改めて、ウクライナ戦争の行方について解説していただきました。



ウクライナ戦争はどうなっていくのでしょうか? まず、これまでの経緯をざっくり振り返ってみましょう。

2月24日にウクライナ侵攻が始まりました。ロシア軍は、これまで3回大きな敗北をしています。

1回目、首都キーウ攻略に失敗しました。2~3日で首都キーウを攻略し、ゼレンスキー政権を倒す。そしてウクライナを非ナチ化する、非軍事化すると言っていましたが、キーウは落ちませんでした。

2回目、9月11日に、ハルキウ州の戦いで大敗したこと。ここでの敗北にプーチンは衝撃を受け、2つ重要な決断を下しています。一つは、9月21日に発令された動員令。動員令とは何でしょうか? 

今まで職業軍人、傭兵など、軍事のプロが戦っていた。今度は国民に召集令状を出し、一般人を動員して、戦場に送るということです。当然、国民は嫌がるでしょう。プーチンも不人気な動員をしたくありませんでした。しかし、ハルキウの戦いに負けて、「これではダメだ」と悟り、決断したのです。

もう一つ、ロシアは9月30日、ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州の4州を、ロシアに併合しました。

3回目の敗北は11月12日、ヘルソン州の首都ヘルソン市を失ったことです。9月30日にヘルソン州を併合し、11月にはもうヘルソン州の州都がウクライナに奪われている。このことには、プーチンもロシア国民を大きな衝撃を受けました。

ロシアは現在、ウクライナの電力インフラを集中的に攻撃しています。皆さん聞いていると思いますが、発電所にミサイルを撃つのです。電気を使えなくし、ウクライナの民間人を凍えさせるためです。

では、なぜ民間人を凍えさせるのでしょうか?

「ゼレンスキーのせいで俺たちは寒い。だからゼレンスキーを何とかしろ。停戦しろ」となると、プーチンは予想したのでしょう。当たり前ですが、そうはなっていません。

凍えているウクライナ国民の怒りは、ゼレンスキーには向かわず、攻撃命令を出しているプーチンに向かっています。ロシア軍が民間のインフラを破壊し、ウクライナ国民が凍えたり、飢えたりしている。
プーチンとロシアの国際的評判は、どんどん失墜していきます。

ロシア軍は、なぜ民間インフラを破壊するのか?

はっきり言えば、戦場で勝てないからです。本来なら、正々堂々と戦場で戦って、ウクライナ軍を撃破すればいい。しかし、それができないので、ミサイルで民間のインフラをどんどん破壊している。

では、2023年に何が起こり得るのでしょうか?ウクライナ軍は、ロシアが併合したと主張している、ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州を攻撃しています。今一番攻めているのは、南部ヘルソン州です。そこを奪回するために戦っていきます。

さらに、ロシアが2014年に併合したクリミアを奪回するために戦っていく。そういう戦いが起こってきます。
先ほども言いましたが、ロシア軍が戦闘でウクライナ軍に勝つことは非常に難しくなっている。

それで、非常にナーバスな見通しが出てきます。劣勢のプーチンが、戦術核を使う可能性がある。

これを聞いて、普通の日本人は「そんなバカな!」と思うはずです。「普通はそんなことしない。何のために?」と思うでしょう。冷静な判断力があれば、戦術核は使いません。何といっても習近平ですら、「核を使った脅し」に反対しているのです。ただプーチンは、私たち、要するに普通の人たちでは計れない考え方をします。

例えば、ウクライナ侵攻を思い出してください。2月24日に侵攻が始まるまで、日本でも世界でも「ウクライナ侵攻などありえない」と考えられていたのです。


(つづく)



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