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赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

北朝鮮と中国の間に潜む重大問題 コラム(237)

2017-09-17 10:13:40 | 政治見解




コラム(237):北朝鮮と中国の間に潜む重大問題


北朝鮮の弾道ミサイルや核開発問題は、日米あるいは国際社会全体への挑戦と受け止められています。しかし、本当は北朝鮮の中国への強い敵愾心の表れです。


中朝間の領土紛争

最近のメディアではほとんど報道されていませんが、中朝間には深刻な領土問題が存在します。北朝鮮は「中国の延辺朝鮮族自治州はわが領土」と主張し、中国と激しく対立しているのです。

両国の対立の歴史的な経緯として、満洲国崩壊後に満洲を手に入れた中華人民共和国が1952年に延辺朝鮮族自治区(1955年に自治州)を設置したことに端を発しています。

1962年、白頭山を聖地とする北朝鮮は、中朝辺界条約を締結。白頭山の頂上のカルデラ湖天池を中国に割譲してもらい、54.5%が北朝鮮領、45.5%が中国領になりました。

後に、金日成時代の北朝鮮は、黒竜江省の一部、吉林省の大部分、遼寧省の一部が、かつての高句麗の一部であったと主張し、中国に返還を申し入れましたが、中国はこれを拒絶しました。

以降、北朝鮮は中国と距離を置き、旧ソ連に接近するようになりました。そして、中国の文化大革命期には国境を挟み、互いに激しく非難し合う関係となり今日に至っています。


金正恩氏が中国を憎む理由

金正恩氏は、祖父である金日成が北朝鮮の申し入れを中国が拒絶した事実を容認していません。金氏にとっては、失地回復を必ず果たしたいと考えるのは自然の感情です。これが中国離れとロシアへの接近を加速さたのです。

一般的に中朝間は朝鮮戦争時の「血の友誼」で成り立っているという説明がなされていますが、朝鮮戦争時の中国義勇軍の人海戦術は、中華民国軍兵士殺害を目的としたもので北朝鮮の支援が真の目的ではありません。中国の狡猾な手法に過ぎず、北朝鮮は最初からその事実を認識しています。


中国に解決能力がない

こうした中朝間の事情を認識しているのは日米の政府の一部の要人に限られています。しかし、肝心の中国は北朝鮮を自分たちの属国と見下しているので深刻な問題として直視しようとはしません。

中国が北朝鮮に対し従来通りの態度で臨むかぎり、北朝鮮による中国に対する嫌がらせが終わることはありません。中国が中心的な役割を担う国際会議の開催時に合わせ、ミサイルを発射したり核実験の規模を拡大させ、中国の体面を低下させているのはそのためです。

中国はアメリカや国際社会からの圧力と北朝鮮からの恫喝の狭間で身動きが出来ない状態が続きそうです。


従来とは違う解決策がある

メディアは北朝鮮問題のカギを握るのは中国だとし、中国の仲介によって解決するかのように報じていますが、実際には「領土問題」と言うまったく違う側面で、中国と北朝鮮の真剣な話し合いが必要であろうと思います。





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