赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

米印接近 Ⅲ

2023-07-26 00:00:00 | 政治見解



米印接近 Ⅲ :230726情報

今、世界の大企業がこぞって注目している国をご存知ですか? 中国や台湾、日本ではありません。インドです。例えば、Amazonはインドに2.1兆円を投資してデータセンターを作る計画があったり、テスラもイーロンマスク氏がインドに大工場を作ると話しています。

先日の当ブログ『続・米印接近の意味するもの』でもお伝えしていますので、重複する部分もありますが、改めて、国際政治学者に解説していただきます。



■選択を迫られたインドの決断

ここ最近の国際情勢の動きで取り上げる必要があるのは、「米印の急接近」ということです。6月22日には、インドのモディ首相が国賓としてアメリカを訪問し、首脳会談を行いました。そしてアメリカ議会で演説をしたのですが、今回で2回目だったそうです。

今までアメリカの議会で2回演説をした人というのは、チャーチル、ネルソン・マンデラに続いてモディ首相が3人目です。大変名誉な機会を与えられていたのです。これは、米印が本格的な提携関係に入ったということです。

これまでインドは、反日米路線か反中露路線かはっきりした態度をとらずに八方美人外交を続けていました。インドは中国とは対立関係にありますが、武器の大半をロシアに頼っていたこともあり、ロシアとは割と仲が良いのです。

また、インドは人口大国です。IT技術者も多数輩出しており、かつ経済大国になりつつあります。

「曖昧な態度を続けるインドをこちら側に惹きつける必要がある」そう考えた故・安倍元首相がかつてQUAD(クアッド)を提唱しました。QUADとは、日米豪印4ヶ国による集団安全保障の枠組みです。

BRICS路線で反米か?
QUAD路線で反中露か?

二つの路線の選択を迫られていたインドは、「自国の経済を発展させるためには世界の先進国と仲良くした方が得策」と判断しました。モディ首相の訪米が結果を物語っていると言えるでしょう。


■軍事でも経済でも急接近中

そして、軍事的に大変なことが決まりました。ゼネラル・エレクトリック(GE)が戦闘機用のジェットエンジンをインドで生産することになったのです。これはインドにとって、非常に大きな意味を持っています。

なぜなら、モディ首相の目標はインドを製造業大国にすること。今のインドは、技術開発においては素晴らしい国ですが、製造技術が不足しています。そこで、軍事的に非常に重要な戦闘機のエンジンを製造することは、その目標に大きく近づくということです。

さらにアメリカは軍事補給や修理拠点をインドに確保すると言っています。それだけではなく、民間企業のインド進出も始まっています。Amazonはインドに2.1兆円を投資してデータセンターを作るそうです。Appleもスマホの拠点を作りインド生産比率を現在の5-7%から25%まで引き上げるとのこと。テスラもイーロンマスク氏がインドに大工場を作ると話しています。

ウォルマートも2027年までに100億ドル上回るものをインドから調達しようとしています。すべてが中国からインドへシフトしているのです。

防衛と民間経済両方で米印が急接近していることがわかります。QUADの連携を進めていた日本にとっても
大変良いニュースだと思います。



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