赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

リベラル石破政権の運命

2024-10-02 00:00:00 | 政治見解
リベラル石破政権の運命


10月1日に石破内閣が発足しましたが、どうも前途は多難な気配です。その理由は3点。

第一が、党内の保守岩盤層に受けが悪く、「片肺飛行」の可能性が極めて強いこと。そして、早期解散総選挙は党内右派の落選を画策していること。

第二に、石破増税の可能性を警戒してマーケットの反応が悪く、円高株安で日本経済に先行きが見通せなくなってきていること。

第三に中国とメディアに親和する左派政権にもかかわらず、メディアが一斉に石破内閣批判をはじめたこと。これは岸田政権が100日間だけはメディア批判を受けなかったことと大違いなのです。


早期解散総選挙は党内右派の落選の画策

日本会議発行の『平河町通信 第57号』には、――『本性』を現わした 石破政権の不安な先行き――として以下の文言があります。
――石破内閣の閣僚を見渡すと、案の定、一部を 除いて、自民党左派で固めれられた感がありま す。心配なのは選択的夫婦別姓ばかりか、女系天皇をも否定しない閣僚の存在です。それらを「封印」したはずの、 石破首 相の地金が出た印象です。――

X(旧ツイッター)でも門田隆将@KadotaRyushoさんは以下のように論じています。
――総務相はかつて安倍晋三氏を“国賊”と批判し、処分された村上誠一郎氏。人事を見ると高市早苗政権樹立を阻んだ功績ある政治家がずらり。石破陣営の違反を隠し、TVでデタラメをばら撒いた媚中議員や高市勉強会を潰す為にわざわざ積極議連の会合をぶつけて邪魔をした裏切り議員など枚挙に暇がない。保守・現実派に背を向けた史上最低“怨念”政権の選挙が楽しみ――

島田洋一(Shimada Yoichi)@ProfShimadaさん。
――岩屋毅氏は、北朝鮮に寄り添う日朝議連の幹部にしてLGBT利権議連会長。防衛相時代、韓国軍の危険なレーダー照射問題に全く対処できなかった。外相など論外。――

加藤清隆@jda1BekUDve1ccxさん。
――旧安倍派の〝裏金”ばかりが問題にされたが、あれは単なる記載漏れ。以前ならほとんどが訂正で済んだ。これよりもずっと悪質なのが外国人によるパー券購入問題。事実上外国人による20万円の寄付と同じ。岸田は首相個人と派閥で年7〜8回もやった。パー券購入の大部分が中国人。本来なら政権が倒れる話。――

保守論壇の人びとの嘆きは相当なものです。いかに保守の岩盤支持層から石破氏に嫌悪感が持たれているかおわかりになると思います。当然、次の選挙の際には保守岩盤支持層による支援は薄くなります。

一方、石破氏は、まだ総理大臣に指名される前から解散総選挙を行うことを発表しました。これは、「総裁選の盛り上がりがさめないうちに衆院選をやったほうがいい」という理由だけではなく、裏の理由に、いわゆる裏金議員と言われる旧安倍派、旧二階派つぶしがあることに間違いはありません。選挙になればメディアが執拗に彼らを叩きます。再選されるのは選挙基盤が強靭な人だけで、彼らのほとんどが落選します。

この意味するところは、党内保守派の多い旧安倍派の一掃です。すなわち、党内の右派を落選させて、左派だけで政権運営をやっていく腹積もりなのです。ただ、これが吉と出るか、凶と出るかは誰にもわかりません。


マーケットは石破政権に警戒感

先日のブログで「石破政権誕生の瞬間、ドル円が146円台→142円台へと急速に円高が進み、日経平均先物が1500円ほど下落しました(9月27日金曜日)」とお伝えしました。

9月30日月曜日の報道
――石破総裁の誕生後、初の取引を迎えた東京株式市場。日経平均株価は一時2000円以上下落し、波乱の船出となりました。==記者「値動きを表示するボードは、ほとんど一面、下落を示す緑色に染まっています」==きょうの東京株式市場は、9割以上の銘柄が下落する全面安の展開となりました。日経平均株価は一時2000円以上下落し、先週末より1910円安い、3万7919円で取引を終えています。――

この原因となったのが、総裁選における石破氏の考え方です。消費増税、緊縮財政(円高政策)=円安はダメ、金融所得増税、所得増税、法人増税などで、マーケットが警戒するのは当然です。

10月1日になって、日経平均株価は上昇に転じましたが、「米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米経済は堅調と強調したこと」が主因のようで、石破政権の経済政策にはマーケットは依然、警戒感を持っているようです。


石破政権への意外なメディア批判

新内閣発足時、メディアは新内閣を叩かないのが原則です。「100日間の蜜月」があるようで、安倍元総理、菅元総理のときは例外として、メディアはご祝儀報道に徹します。親中の岸田内閣発足時のメディア論調と内閣支持率の高さを思い出せば納得できるはずです。

ところが、同じ親中で、しかも左派メディアと親和性のある石破内閣なのに、メディアは石破氏の総裁就任の翌日から石破批判を始め、総理就任の当日には、解散総選挙の話に批判の大キャンペーンを貼り出しました。

これは、裏金議員の落選運動、統一教会関係議員の落選運動が尻すぼみになって、野党の躍進と政権交代が難しくなったことへの怒りとも受け取れます。

メディアが石破政権に期待していたのは、党内のリベラルな議員(右派から言わせると売国議員)を多く登用して立憲民主党のような政策をとって、日本を再び左側に持ってきてくれることでした。

そして、メディアは、執拗に裏金議員、統一教会に関与した議員を追及することで、彼らの落選を誘い、その代わり野党候補を当選させ、あわよくば政権交代をさせるという夢を見ていたのです。

しかし、その当てが外れ、準備が間に合わないように選挙が仕込まれてしまいました。これが、メディアが激怒し、掌返しで石破批判に転じた理由です。いわば、同士討ち、近親憎悪といってもいい。これは昔から左翼リベラルの特徴で、左翼が大同団結できず、いつも分裂を繰り返す原因になっています。


以上の話を総合して考えてみると、石破内閣はあまり長持ちしそうにないような気がします。

長い間、日本の振り子は左に振れていましたが、それを長期の安倍政権が右に振らすことで、やっと日本人の考え方が正常化されつつありました。それを石破政権は再び左に振らそうとしているのですが、それが果たして可能なのか。硬直した老人世代は別として、若い世代にはおそらく受け入れられないと思います。

なぜなら、若い世代はナショナリズム、国を愛することを当然として受け止めている人が多数派を占めているからです。

もう少し我慢すれば、左に振れた振り子はまた右に振れます。

世界情勢の変化、とりわけ来年の2025年には中国が崩壊するようですから、中国に依拠するメディアも政治家も右往左往し、恥をかくことになります。かつてソ連が崩壊し、行き場を失い、拠り所を失った人びとが多数出てきたように…。


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