
コラム(329):メディアは古い価値観を脱却せよ
河井克行衆議院議員(前法相)とその妻である河合案里参議院議員が参院選での買収の疑いで逮捕されましたが、この問題はメディアが大騒ぎして、多くの国民が逮捕の瞬間を待ち望むような問題なのでしょうか?
誰かの心を著しく傷つけたわけではなく、多かれ少なかれ政治家たちは何らかの選挙違反をしています。
河合夫妻が選挙違反容疑で逮捕されるなら、与野党を問わず国会議員や地方議員、また、買収や供応を要求する有権者をことごとく逮捕しなければならないことになります。
むしろ、ここで報道すべきは、選挙制度そのもの、政治の在り方そのものを問わなければならないということです。
ところが正義の鉄槌をふりおろすのがメディアの仕事と言わんばかりの者たちにとっては、この逮捕案件は格好の材料であり、政権打倒のまたとない機会ととらえているのです。
先ごろの芸能人の不倫騒動も、寄ってたかって袋叩きにするというやり方が非常に野蛮な行為に見えてなりません。そこまで吊し上げ晒し者にする必要がどこにあるのでしょうか。
みんなの前で土下座をさせ罵声を浴びせるやり方です。この手法はふだん多くの日本人が毛嫌いしているお隣の国の国民性と全く変わりません。日本人はいつから人を引きずり下ろすことに熱中する国民になってしまったのでしょうか。
メディア報道の悪影響によって、何を考え、何を語り、どう振る舞うことが美しいのかという精神性が過去のものとなったように思えてなりません。
いま必要なことは、メディアによって築きあげられた迷妄の価値観を体系的に廃棄し、人びとの倒錯した価値観に終止符を打つことだと思います。
すべてを白紙に戻した上で、明るい社会を創出するための新しい価値観=私たちは何のために生まれそして死んでいくのか、人びととの関係はどうあるべきか、誠実に生きること、自分の生き方に責任を持つこと=を構築していくことが、不信と不安で息苦しい現在社会と決別する唯一の方策だと思います。
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