goo blog サービス終了のお知らせ 

ちくわブログ

ちくわの夜明け

停電の夜

2011-03-24 03:30:28 | 東日本大震災
わたしが住んでいる場所は計画停電の第2グループです。
初め1~2日の頃は情報もあまりととのっていなく、けっこう唐突な感じで行われたイメージです。もちろん何も知らずにバッツン てことはないですが・・・・

ここにきてやっと情報の収集方法も安定し、いつでもネットで最新の情報が手に入るようになりました。
しかしこれはこれでなかなかヤッカイなものです。
だって一切の電源が落とされるわけですから、もちろんパソコンなんか触っていられません。
パソコンが触れないと、仕事も諸作業も全てできなくなるわけですから、停電を中心にスケジュールを立てねばなりません。


ある夕方。
停電となり、iPhoneでネットやツイッターくらいしかやることがなく、それにも飽きて身を横たえていました。
やがて日が落ち、外の暗さと共に部屋の中も真っ暗になりました。

色んな思考がうごめき、なんだか暗くどよーんとした心持ちになってきて・・・



あの地震の日から、テレビでは殆どそれに関する報道ばかり流れてきて、見なければ気がすまないが、見ると暗い気持ちになるという悪循環。
真っ暗の中、脳裏にはテレビやネットで見た映像、画像が。
見たこともない激しい津波や燃え上がるコンビナート、オモチャのように屋根が飛び上がる原発、被災者の方々・・・

いつの間にやら寝てしまい、どういうわけか悪夢を見る始末。
おまけに胃腸がボロボロで体調は崩す・・・

これはこの日に限ったことではなく、なんだかあの日からずっと、悪い夢を見てるような・・・それこそフキンシンだけど、起きて見回すこの真っ暗な部屋が夢に思えるような、そういった気持ちがずっと続いています。

けっこうそういう方、いるのではないでしょうか。


某日。
夜の停電に合わせて、家の外に出てみました。

いつもの景色が、まるで血の通ってないような、輪郭のないような景色に感じられました。
街頭も消え、信号も消え、光は非常灯と車のヘッドライトのみ。
近所と言う慣れた景色が、少し怖く感じられます。


このようにカメラを持って歩いたわけですが、自分は非常にいいカメラを持っていながら、「ほとんど」オートで撮っていたんですね。
しかしこうなるとオートフォーカスが効かないわ、カメラが光量を感知しないでものすごいスローシャッターになるわで、マニュアルにせざるを得ませんでした。

ここまで特殊な状況にならないとマニュアルで撮らないという自分もアレですが、今、自分の街がカメラの感知しえない状況にあることに、ちょっとした戦慄をおぼえました。
基本、わたしの脳より優秀なんですよ。こやつは。


近くの高架橋を登って街を見渡すと、あらためて違う街に来たような感覚に陥りました。
市外からの光と、それすら届かない死んだような住宅街。


人いんのかよここ・・・・
こんな時に通りで人とすれ違うとドキッとします。

帰り、ガソリンがなくなってしまったのだろう、女の子が一人原付を押して歩いていました。

なんだろうなーこの光景は・・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震の日

2011-03-15 05:21:50 | 東日本大震災
今回被災した方々の無事と、被災地の一日も早い復興を祈ります。
無事であるわれわれは、自分の生活のリズムを取り戻し、日常に戻る中で被災者、被災地への思いだけは忘れずにいきたい。


わたしはあの時、ちょうど山手線・渋谷駅のホームで電車を待っていました。
地震が発生し、ものすごく揺れるので天井がミシミシと鳴りはじめました。
ホームに並んでいた人々はクモの子を散らすようにマークシティ側に非難。とりあえず家が心配になり「ああ、フィギュア倒れまくってるだろうな」とは思いつつ、実際どれだけ揺れてるのか分かりませんでした。あまり危機感を抱かず、ラッキー とばかりに乗車位置先頭に足を進めました。

しかしあの地震です。電車が来るわけが無い。
次いで同じく強い揺れの地震。
さすがに怖くなってわたしも非難しました。

電話、メールは繋がらず、心配させたくないなーという思いだけが募りました。

電車がしばらく来ないことが確定し、マークシティを抜けて外へ出ることに。
すでに立ち往生の人々が渋谷の交差点を見下ろす形で何人もいました。
上に道が通っている場所なので「下にいないで下さい!危ないから!!」と警備員が大きな声で注意する。
近くのスターバックスはお客さんを早々に出して閉店準備をしていました。

駅前の喫茶店に入ろうとするも、ここでもビルそのものへ立ち入り禁止となっていました。

街ではスクランブル交差点を中心に人がかたまりつつあり、あらゆる建物は立ち入り禁止に。ビックカメラすら入れない。


時間を潰すアテがなくなったわたしは、いくらなんでもそろそろ電車が来るんじゃないか、と思い、再び駅に戻りました。
改札はすごい人。しかしホームには驚くほど人がいない。

小一時も待ってればじき来るだろう、と思い、ホームに座って待つ覚悟をする。
となりにもサラリーマンが座り、ワンセグでニュース速報を見ていました。
この頃、やっとメールが繋がり、友人が両親の無事を確認してくれ、ツイッターのDM経由で知らせてくれました。

今回、後にも先にも、そして今にもツイッターが情報の中心となりました。私的なものも公的なものも、フィルタリングすればこの上ない情報ツールとして役立ちました。

さて、どうにも電車の来る気配がない。駅放送でも「めどは立っていません」ときた。
再び外に出ようと改札に行くと、構内のビジョンに地震速報の画面。そこでやっと、ああ、けっこうな地震なんだ、という自覚が出てくる。


じわじわと不安になりながらも、寒いのでコーヒーを飲める店を捜す。
幸いマークシティ内のお店はほとんど開店しており、その中のエクセルシオールカフェへ。やや並びましたが、すぐ入れました。

しばらくツイッター等で情報収集。そこでJRは終日運転見合わせという事実を知りました。
こりゃダメか、今日中には帰れないかな・・・と、いったん道玄坂の事務所に戻る。

道玄坂はすごい人だかりで、なかなか前へ進めません。そして点在する公衆電話には行列が出来ていました。

事務所はまったく無事。
しかし・・・・わたしと同じく帰れなくなった者がPCで見ていたNHK、TBSのUSTを覗き見て唖然とする。
まさか、ここまでとは・・・
信じられない光景に目を疑いました。

それからはツイッターとUSTで情報収集というか、もうそれ以外手がつかない状態に。
そうこうするうちに京王線再開の情報が入り、事務所に残る数人におつかれさまをして、家路につくことにしました。

とにかく疲れた、休みたい・・・

しかしマークシティ内から京王線の改札に向けて、ものすごい行列が。
うんざりしましたが、朝になってもいいから、と、その列に加わりました。
近くでは「並んでもしょうがねェだろこんな長い行列」「5分もたってないのに何いってんのよ!」とカップルがケンカ。家でやれ。
しかし意外なことに、20分も並んだらすぐに乗ることができました。ぎゅうぎゅうのすし詰め状態でもなく、わりと快適。

最寄り駅に到着。駅では駅員さんが改札で「今日はもういいいんで、そのままお通り下さい」と笑顔で案内していました。
考えてみれば、彼らも家のことが心配だろうに、その上さらにこうやって誠実な仕事を・・・・


徒歩で1時間ほどかけて自宅に戻る。
部屋は思っていた以上の惨状で、足の踏み場もありませんでした。

鉄製でギッシリと本の詰まった棚や、FRP製のダース・ベイダーマスクが床に。これ、寝てたらやばかったかもな・・・・

そう思い、被災地に比べれば自分はまったくいい方だこんなもの、と自分に言い聞かせつつも、呆然と1時間ほど突っ立っていました。
それから気持ちを奮い立たせて復旧作業。なんとか、『宝物』と言えるような物の被害はありませんでした。
フィギュアの部品がなくなってたり、そのものが消えてたり、紙モノがシワや水でダメになってたり、とか・・・・普通だったらけっこうなショックですが、この惨状を前に、もはやどうでもいい気持ちでした。



そして今日。
仕事の予定は打ち合わせが2本だったのですが、両方とも中止に。
とりあえず自分にできることは、とコンビニで募金してきました。

なぜネットじゃなくて募金箱にしたかと言うと、こう・・・ネットって味気ないじゃないですか。手応えないし。だから自分の金を自分でinする募金箱にしたわけです。
レジを見るとチャラいお兄ちゃん。あー・・・女の子だったら「きゃーイケメン」と思われるかもしれないのに、と考えて止めようかともフト思ったのですが、そうもいかない。
最近、ある人から聞いた言葉 「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉が脳裏に。


しかしそれが生涯初っていうくらい自分にとっては高額で・・・
手が震えてしまい、なかなか小さな募金箱の口に入りません。
すると、それを見たお兄ちゃん。「あ  ッス」と手を添えて支えてくれた。

心が温かくなったよ。


今、いろんな人が不安に押しつぶされそうな中で、感覚が研ぎ澄まされて感情がむき出しに近くなっている。
すると自然、お互いが思いやれるようにもなってくる。
こういう「優しさ」という気持ちが、被災者の方々に、お金と一緒に届くことを願っています。
どうか少しでも、心と身体が温かくなりますように。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする