田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

密約あり~沖縄返還交渉

2009年12月08日 | ドラミング

報道によると、12月1日、沖縄返還交渉当時、外務省アメリカ局長だった吉野文六氏(91歳)が、密約文書の存在確認を求める訴訟の弁護側証人として(東京地裁に)出廷。密約文書に署名したと証言しました。

これは、沖縄返還時に、本来、米国が負担すべき基地の現状回復費(400万ドル)を、日本が米国に支払う核兵器撤去等の返還協力金3億2千万ドルの中に含め(日本が)肩代わりするという密約を交わしたというもの。

これまで政府は、「その種の密約は一切ない」と説明して来ましたが、当事者の存在証言で、(歴代内閣が)国民をだまし続けて来たことが裏づけられました。

この結果、この密約文書を(外務省職員を通じてコピーを入手し)暴露したとして、国家公務員法違反容疑で有罪となった元毎日新聞記者、西山太吉氏(78歳)(山崎豊子著「運命の人」のモデル)の指摘が正しかったことが明らかとなりました。

当時、この(国家公務員法違反事件の)裁判で、両氏は被告と検察側証人として顔を合わせましたが、その際、吉野氏は、「密約はない」と証言しました。

しかし、吉野氏は、今回の証言後記者会見して、当時は、外交交渉の円滑化のため、検察側との事前打ち合わせで「偽証する」としましたが、検察官はこれを容認したと述べました。

西山氏は、今回の吉野氏の証言を「相当の覚悟を持ってしたもの」と評価し、吉野氏が退廷する際、同氏に歩み寄って握手を交わしたといいます。

まるで、よくできたドラマのようですが、すべてが明らかになるまで37年という長い時間を要しました。この間、それぞれの関係者はどのような思いで過ごしたのでしょうか。