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田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

My Favorite Analog!~小澤の「アルルの女組曲」

2012年07月29日 | 音楽三昧

レコードプレーヤーの改修(アームの付け替え)でイメージ通りの音が出るようになったので、久しぶりに小澤征爾指揮、フランス国立管弦楽団によるビゼーの「アルルの女組曲」を聴いた。

このレコードは、小澤征爾氏の数ある録音の中でも高い評価を受けているものだが、改めてその演奏・録音の素晴らしさに感動した。

作曲者のジョルジュ・ビゼーはフランス人で、父が声楽教師、母がピアニストという恵まれた環境に育ち、9歳でパリ音楽院に入学するという神童振りを発揮した。

オペラ「カルメン」の作曲者として広く知られ、劇付音楽「アルルの女」、交響曲ハ長調などの優れた音楽を残したが、37歳の若さでその生涯を閉じた。

このレコードには、アルルの女第一、第二組曲の他、カルメン組曲の抜粋(ハバネラなど6曲)も収録されている。


個人輸入

2012年07月28日 | 音楽三昧

専門家にもよくわからないという昨今の円高。週末27日の相場は、78.3円/ドル。

ここまで円高になると、趣味関連の商品なら少々のリスク覚悟で海外から購入してもいいか、という訳で今回も、レコードプレイヤーに取り付ける「アーム」と呼ぶ特殊な機材を海外から買うことにした。

幸い、お目当ての商品(英国製の古いものだが未使用品)がeBay(米)に出品されたので、これを追い回して購入することができた。

当初の出品価格は700ドル。たぶん750ドルで落札できると思い、相当の円貨を輸入業者の(本邦の)口座に振り込んだが、締め切り前日になり750ドルを越えてしまい、やむなく900ドルまでとし差額を送金した。

結果、何と898ドルで落札できた。これに輸入業者への手数料10%、米国からの送料(2,500円)に消費税を含め、85,000円ほどで済んだ。

これを本邦で購入しようとしても、先ず、商品(新品)がない。中古で程度の良いものが出品されることもあるが、10万円を越えてしまう。

という訳で、前回(スピーカーを米国から購入)同様、良い物を適価で入手できたが、これも昨今の円高のおかげである。

ちなみに、現在、本邦で購入可能な同等品(写真)は、何と34万円もする。とても庶民が手にできる値段ではない。


新着ドーナツ!~ナット・キング・コール「恋こそはすべて」

2012年07月19日 | 音楽三昧

このジャケットの写真をご覧になって、即座に誰かおわかりになった方は相当のお歳です。少なくとも、60歳代後半乃至70歳代と思われます。

小生ら同年代の(年寄りの)青春時代、一世を風靡したナット・キング・コールです。

最近、あるオーデイオ雑誌で、彼のヒットが高音質のSACDにリマスターされて発売になったと紹介されていたので、ネットであちこち探しましたがどこにもなく、入手できませんでした。入荷待ちというお店が多かったので、発売後すぐ売り切れたものと思われます。

そこで、次善の策としてHQCD版(旧版を物理的に高音質化したCD)を購入しました。

そして、飛び出してきた彼の甘い歌声の数々に、しばし陶然としてしまいました。にわかに、55年前(の高校生時代)にタイムスリップしたおもいでした。

どの時代にも、そこに生きた人間の心にしみる歌があると思うのですが、小生らの青春時代に、胸を熱くした彼の歌があったことはとても幸せなことです。

WHEN I FALL IN LOVE

When I fall in love
It will be forever
Or I'll never fall in love

In a restless world like this is
Love is ended before it's begun
And too many moonlight kisses
Seem to cool in the warmth of the sun

When I give my heart
It will be completely
Or I'll never give my heart

And the moment I can feel that
You feel that way too
Is when I fall in love with you


新着ドーナツ!~田部京子「ブラームス・後期ピアノ作品集」

2012年07月03日 | 音楽三昧

先にご紹介した森麻季さんの「シュトラウス・4つの最後の歌」と合わせ、どちらも作曲者の最晩年に、さまざまな生と死をみつめて作曲された曲を選んでしまいました。

その直後に、かなり重い病気で入院・加療を余儀なくされたわけで、その巡り合わせの妙に感嘆した次第です。

このピアノ曲集は、ブラームスが59歳の年に、一挙に作曲されたといいます。

評論家の広瀬大介氏はライナーノーツで、この音楽を、「様々な要素が同居する精神を内に抱えつつも、それを包み込むほどの大きな人間としての存在感。変幻自在な小品からは、さまざまな面を見せながらも、人を魅了して止まない、だが飾ることのないブラームスの等身大の存在が描かれている」と書いています。

田部さんが奏でる、少々難しいが、静かで美しいブラームス最晩年の傑作に、こころ静かに耳を傾けることができる幸せを感じています。


ようやく

2012年06月01日 | 音楽三昧


昨年5月以来作業を続けていた「The Great Pianists of The 20th Century」のNAS(音楽図書館)への取り込みがようやく終わりました。

今回の作業は、CD2枚分の音源を1枚にまとめ、曲名に作曲者を併記するなど、ちょっと手の込んだ操作を行なったため、予想以上に時間がかかってしまいました。

このボックスは、20世紀を代表する74人の偉大なピアニストの演奏をCD200枚に収めた全集ですが、今回、日本人で唯一リストインしている内田光子さんを最後に無事作業完了となりました。

これらのピアニストの半数以上の方々はすでに故人となっており、ここに収められた音源は、ますます貴重なものになるでしょう。

そんな意味もあってか、今ではプレミアムがついて新品なら43万円もするというから驚きです。小生は、当時(1999年発売)たしか7万円ほどで購入した記憶があります。

いずれにせよ、作業終了に伴いこれらの貴重な音源に日常的に、手軽に接することができるようになりました。


My Favorite Analog!~プロコフィエフ「ピ-ターと狼」

2012年05月28日 | 音楽三昧

これはまた随分と懐かしいLPです。
ブリトゥンの「青少年の管弦楽入門」とのカップリングです。

これらの曲は、単に、管弦楽の紹介にとどまらず、その構成の巧みさと芸術性においてクラシックの名曲とされています。

ジャケットの絵にあるように、「狼」では、それぞれの登場人物を、特長ある楽器とテーマによって表現します。例えば、主人公のピーターは軽快なヴァイオリンで、小鳥はフルートで、また、アヒルを食べてしまう悪い狼は4台のホルンで表わしています。

こうすることによって、それぞれがより立体的に表現され、曲を鑑賞するだけでなく、物語にも強く引き込まれます。

通常、楽曲のナレーションが入りますが、このレコードでは、「狼」を黒柳徹子さん、「入門」は小山田宗徳氏がつとめています。レコードの制作時期(69年頃)からすると黒柳さんは30歳代で、とても若々しい声をしています。

尚、演奏はフランス国立パリ管弦楽団、指揮はロリン・マゼール氏がつとめています。演奏、録音ともにすばらしいです。


新着ドーナツ~森麻季「4つの最後の歌」

2012年05月22日 | 音楽三昧

日本を代表するソプラノ歌手、森麻季さんがリヒャルト・シュトラウス晩年の名作、「4つの最後の歌」をはじめ、さまざまな「生」と「死」をみつめた歌曲に挑戦しています。

これまでリリースされていたCDは、バロック前後の宗教曲やオペラのアリアなどでしたが、今回は趣向を変え、彼女の傑出した歌唱力や表現力が生きる歌曲集です。(エイペックス AVCL-25750 HYBRID)

リヒャルト・シュトラウス
4つの最後の歌
 ・春 ・9月 ・眠りにつくとき ・夕映えの中で

歌曲
 ・明日には ・夜 ・解き放たれて ・万霊節

リスト
歌曲
 ・愛の夢第3番「おお、愛しなさい、愛しうる限り」
 ・ローレライ

ペトラルカの3つのソネット
 ・第104番「平和な心は得られず」
 ・第047番「祝福あれ、かの日、かの月、かの年に」
 ・第123番「地上での眼にした天使の姿」

「4つの最後の歌」は、大勝秀也指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団との共演。他の歌曲は、山岸茂人氏のピアノ伴奏によります。

テーマがテーマだけに、サクサクのドーナツとはいきませんが、それぞれ曲の意味をかみしめながらじっくり聴きたいと思っています。


My Favorite Analog!~Mozart:歌劇「イドメネオ」

2012年05月09日 | 音楽三昧

一応、LPの愛聴盤というふれ込みなのですが、何とこれは「死蔵盤」です。購入してはみたがあまり馴染みのない曲でもあり、長年棚を暖めていた4枚組のオペラです。

今回、カートリッジ(音拾い器)を新調したことでもあり、思いついて聴いてみて驚きました。と言うのも、このオペラは、先にトルコ旅行で訪れたトロイアにゆかりのあるオペラだったからです。

物語~トロイ戦争に敗れたトロイアの王女イリア姫(写真右のイラスト)は、人質としてクレタ(ギリシャ)に囚われているが、敵国の王子を密かに愛していることに気付き愕然とする。一方、王子に想いを寄せるクレタの王女は嫉妬に狂い、イリア姫につらくあたる・・・

一見平凡な物語ですが、神童モーツアルトの瑞々しい感性が美しい曲の数々に生かされていて、とてもすばらしいと思いました。歌詞はイタリア語ですが違和感なく楽しく聴くことができました


My Favorite Doughnuts!~Evgeny Kissin「Kissin Plays Liszt」

2012年04月10日 | 音楽三昧

昨年は、リスト生誕200年でした。
このアルバムも上記を記念して、キーシンがRCAとSONYレーベルに残したリストの演奏から、選りすぐりの名演を2枚にまとめたものです。



かって神童と呼ばれ、リサイタル会場では失神する女性が続出したという超絶技巧の持ち主であったリストが作曲した難しい曲の数々を、これも神童として幼い頃から注目を集めて来たキーシンが演奏したらどんな音楽になるのか?

極め付きの名演として知られる冒頭のメフィスト・ワルツと超絶技巧練習曲からの5曲は、神童 VS 神童の真骨頂を聴くことができます。

CD1 
 1. メフィスト・ワルツ 第1番 「村の居酒屋での踊り」
 2. 超絶技巧練習曲集 第12番 変ロ短調 「雪かき」
 3. 超絶技巧練習曲集 第11番 変ニ長調 「夕べの調べ」
 4. 超絶技巧練習曲集 第10番 ヘ短調
 5. 超絶技巧練習曲集 第5番 変ロ長調 「鬼火」
 6. 超絶技巧練習曲集 第8番 ハ短調 「狩り」
 7. 3つの演奏会用練習曲 第2番 ヘ短調 「軽やかさ」
 8. 2つの演奏会用練習曲 第1番 変イ長調 「森のささやき」

CD2 
 1. 愛の夢 第3番 変イ長調
 2. スペイン狂詩曲
 3. 献呈
 4. 歌曲集「白鳥の歌」から「セレナード」
 5. 歌曲集「美しい水車屋の娘」から 第1曲「さすらい」
 6. 歌曲集「美しい水車屋の娘」から 第5曲「どこへ?」   
 7. 歌曲集「白鳥の歌」から 「すみか」
 8. ます
 9. 魔王  
10. カプリース 第6番 イ短調

また、2枚目には、シューベルトの甘いメロデイーをリストが編曲した親しみやすい曲を、キーシンの鋭い感性で心地よく聴かせてくれます。サントリー・ホールでのライヴ録音も収められています。

蛇足:キーシンリサイタル(2009.4.19)


魔の手にかかって

2012年04月08日 | 音楽三昧

LPレコードのライブラリー化に取り組んでいますが、結局、オーデイオ店の魔の手にかかって、新しいカートリッジ(音拾い器)を購入する破目になりました。

勿論、先に試聴した高級品(40万円)にはとても手が出ないので、中の上といったところに落ち着きました。それでも年金生活者の身、小遣いでは足りずクレジットの出番となりました。

考えてみれば、消え行くLPレコードのために、今更そんな出費などしなくても良いと思うのですが、そこは音狂(オトキチ)の哀しさ、一度、良いものを聴いてしまうとすぐ欲しくなるのです。困ったものです。

ただ、これで(しばらくは)ゆったりと良い音に浸れそうです。


My Favorite Analog!~Rostropovich「Arpeggione Sonata」

2012年04月05日 | 音楽三昧

チェロの巨匠ロストロポーヴィチがシューベルトの物憂く優雅なメロデイーを深々と演奏しています。



この憂鬱で懐かしさ一杯の旋律は、日本人のメンタリテイーによくフィットして、一度聴くと忘れられない曲です。

作曲は、シューベルト。
当時、新しくつくられたチェロより少し小型の「アルペジョーネ」という6弦の楽器のために作曲したものだそうですが、この楽器はすぐ姿を消してしまったため、現代ではチェロで演奏されることが多いようです。

このレコードのもうひとつの売りは、ピアノ伴奏を作曲者として名高い「ベンジャミン・ブリテン」がつとめている点で、両者の交流の深さを物語るものとなっています。

何せ古いレコードで、今では、中古でしか入手できませんが、手元において楽しみたい一枚です。ブリッジのチェロソナタがカップリングされています。


新着ドーナツ!~内田光子の「ベートーヴェン第3・4番」

2012年03月26日 | 音楽三昧

過日読んだ村上春樹著「小澤征爾さんと、音楽について話をする」の中で、村上・小澤両氏が激賞していた内田さんとザンデルリンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を聴きたいと取り寄せました。

収録曲は、いずれもベートーヴェンで、

 ・ ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37
 ・ ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58  です。


特に、第3番が群を抜く出来だというのですが、凡才の哀しさ、小生にはあまりよい演奏にはきこえません。たぶんオーデイオ的に聴いてしまうのが原因のようで、このコンビによる5番のCDも持っているのですが、従来、あまり広がりのない地味な演奏という印象しか持ちませんでした。

勿論、有名人の誰かが良いと言ったから感心したりするのもどうかと思いますが、これに接する契機にはなったわけで、せいぜいじっくり聴いてみたいと思っています。


信じられない!

2012年03月23日 | 音楽三昧

レコード(の溝)から音楽情報を取り出すのに使用するカートリッジによって音が変わるとはきいていましたが、これほどとは思いませんでした。

先般、拙宅で録音したデジタル音源を(USBメモリーに収容して)友人におくり聴いてもらったところ、大分音が違うというので、友人が録音したものを聴かせてもらいました。

幸い、同じレコードを所有していたので、それぞれ録音したデジタル音源を聴き比べれば、カートリッジを含む再生系の音質比較ができるというわけです。

友人が録音した音源は、解像度が高く、しかも楽器の演奏位置がはっきりわかる、いわゆる空間表現にすぐれたものでした。

アンプ部の音質差は少ないので、その差はカートリッジの違いにあると思われ、特に、メーカーによる音作りの違いによるところが大きいように思われました。

そこで、知り合いのオーデイオ店に依頼して、その店が推薦する別のメーカーのものを試聴させてもらいました。

写真がそのカートリッジですが、聴いてみて愕然とました。確かにすばらしい音です。言わば、値段(40万円)相応なのです。

それにしても、こんな宝石のようなカートリッジ(音拾い器)を購入する人がいるのでしょうか。


新着ドーナツ!~Misha Maisky「わが心のスペイン」

2012年03月16日 | 音楽三昧


世界的チェロ奏者ミッシャ・マイスキーが、愛娘リリー(ピアニスト:24歳)のサポートを得て、アンダルーサや鳥の歌などスペインを代表する美しいメロデイーを奏でます。

収録曲
 ・スペインの民謡組曲(ファリャ)
 ・間奏曲、オリエンタル、アンダルーサ(グラナドス)
 ・プライェーラ(サラサーテ)
 ・タンゴ(アルベニス)
 ・愛の言葉(カサド)
 ・ハバネラ形式の小品(ラヴェル)
 ・スペイン舞曲第1番、火祭りの踊り(ファリャ)
 ・コルドバ(アルベニス)
 ・鳥の歌(カタルーニャ民謡)
 ・アルベニス風に(シチェドリン)

マイスキーの細やかな神経の行き届いた演奏が、これらの小曲が持つスペイン情緒を美しく且つ、的確に表現しています。
ご一聴をお勧めします。

写真は、チェロのケースで眠る愛娘リリーのスナップ。


LP VS CD

2012年03月10日 | 音楽三昧

究極の高音質録音方式(DSD)によるLPレコードのデジタル化を始めて1ヵ月半ほど経った。この間、作業を終えサーバーに取り込んだLPは40枚ほどになった。

この作業は、CDの取り込みに比べ数倍の手間がかかり、目標の一日一膳(枚)には達していないが、途中で投げ出すこともなく何とか続いている。

理由は二つある。
ひとつは、よく出来たLPは、CD以上に音が良く、時代を越えて聴くものを納得させる力を持っていることだ。

例えば、1968年に録音されたアンセルメ指揮スイスロマンド管弦楽団によるベルリオーズの「幻想交響曲」のLPなどは群を抜く出来で、現代のCDによる音楽を凌駕する。

この「幻想交響曲」だが、拙宅のサーバーにはカラヤンものが2種類、ゲルギェフ、シャルル・デュトワ、ショルティ、ミンシュ、ガーディナー指揮のものなど7種類のCD(ベースのファイルが)登録されている。

これらを上述のLP(からデジタル化した音源)と並べて聴いてみると、奏でられる音楽の質の高さにおいて、LPのそれを上回るものはない。

ふたつは、ジャケットや解説など、LPパッケージの持つ魅力を楽しむことが出来る点だ。

現在、作業にかかっているCBSソニーの世界音楽大全集は、100枚余のLPから成るが、その一枚々々が近代絵画の傑作を使ったジャケットに収容されている。

これは、ブラームスとフランクのヴァイオリンソナタを収録したアルバムだが、ドミニク・アングルの著名な「グランド・オダリスク」が使われている。音楽もさることながらこの絵も魅力的だ。