究極の高音質録音方式(DSD)によるLPレコードのデジタル化を始めて1ヵ月半ほど経った。この間、作業を終えサーバーに取り込んだLPは40枚ほどになった。
この作業は、CDの取り込みに比べ数倍の手間がかかり、目標の一日一膳(枚)には達していないが、途中で投げ出すこともなく何とか続いている。
理由は二つある。
ひとつは、よく出来たLPは、CD以上に音が良く、時代を越えて聴くものを納得させる力を持っていることだ。
例えば、1968年に録音されたアンセルメ指揮スイスロマンド管弦楽団によるベルリオーズの「幻想交響曲」のLPなどは群を抜く出来で、現代のCDによる音楽を凌駕する。
この「幻想交響曲」だが、拙宅のサーバーにはカラヤンものが2種類、ゲルギェフ、シャルル・デュトワ、ショルティ、ミンシュ、ガーディナー指揮のものなど7種類のCD(ベースのファイルが)登録されている。
これらを上述のLP(からデジタル化した音源)と並べて聴いてみると、奏でられる音楽の質の高さにおいて、LPのそれを上回るものはない。
ふたつは、ジャケットや解説など、LPパッケージの持つ魅力を楽しむことが出来る点だ。
現在、作業にかかっているCBSソニーの世界音楽大全集は、100枚余のLPから成るが、その一枚々々が近代絵画の傑作を使ったジャケットに収容されている。
これは、ブラームスとフランクのヴァイオリンソナタを収録したアルバムだが、ドミニク・アングルの著名な「グランド・オダリスク」が使われている。音楽もさることながらこの絵も魅力的だ。