赤毛のアンちゃん

赤毛の柴犬アンちゃんは2014年11月、14年5カ月の生涯を閉じました。『決してリードは放しま宣言』発信中のブログです♪

【BEST1】オードリーが好き③ハリー・ポッターとアズカバンの囚人    [7/3掲載]

2004-12-25 20:34:50 | (2)オードリーが好き

2004年下半期のベストムービーには、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を選考しました。楽しむ事が大前提の映画、を十分満たしてくれています。手放しで「面白かった!」といえる5つ★との出会いでした。

シリーズの3作目で、監督はクリス・コロンバスから『天国の口、終わりの楽園』のアルファンソ・キュアロンにバトンタッチ。逝去したリチャード・ハリスのダンブルドア校長以外の主要キャストは続投している。また、新登場キャラのシリウス・ブラックには『レオン』のゲイリー・オールドマン。物語の中心となる魔法の村・ホグスミードや吸魂鬼・ディメンターの描き方に要注目。(この手の映画に理屈はいりません。楽しめばいいんです。)

その名を聞くだけで誰もが震え上がるアズカバン刑務所。そこには史上最強の凶悪犯と言われるシリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)が収監されていた。ところが彼は脱獄し、しかもハリー(ダニエル・ラドクリフ)の命を狙っているという……。

公開から8日目の土曜日、やっぱりほぼ満席。今回も最後の最後まで楽しませてもらいました。(写真)
■作品評価 ★★★★★(★5つ・・・観なきゃ後悔する)

★第77回アカデミー賞の特殊効果賞部門にノミネート資格のある作品が発表された。「アビエイター」「スパイダーマン2」「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「デイ・アフター・トゥモロー」「アイ,ロボット」、「スカイキャプテン/ワールド・オブ・トゥモロー」の7作品で、「Mr.インクレディブル」と「ポーラー・エクスプレス」の2つのアニメーション作品は、特殊効果がたっぷり使われているにも関わらずエントリーされなかった。正式なノミネート作品は来年1月25日に発表、受賞式は2月27日に行われる予定。

今夜はここまでです。年末には、年間ベストムービーを発表します。


【BEST2】オードリーが好き⑥華氏911 [9/12掲載]

2004-12-25 18:54:37 | (2)オードリーが好き

この作品を含めて★5つがついたのは、たった2作品だったのですが、なぜ2位だったのかは明快です。それは、「映画は楽しめるものが優先されるべき」という私のこだわりだけなんです。その点、この映画にそのスタンスを望むべくもないでしょう。決して創り手もそういう姿勢では創ってはいないはずです。

ずいぶんと話題になった映画です。反戦、平和、権力批判など社会風刺がテーマのように見えるけど、本当のとこはどうなんだろう。どこまでがドキュメンタリーなのか。観てみないとわからない。だから観てみよう、ということで映画館へ。

9月11日、あの同時多発テロから3年目のこの日。行ってよかった。
「あなたなら、自分の子どもを戦争に出せますか?!」テーマはこの一点。かけがえのない息子をイラク戦争で亡くした母親の代弁である。もちろん観どころは各人あるはずだが、やはり観ずに語れるほど軽いものではない。
マイケル・ムーア監督が「一日も早くテレビで放映するために、アカデミー賞へのノミネートを辞退する」と言った理由も理解できた。(上映時間:2時間2分)(写真)

■作品評価 ★★★★★(★5つ・・・語るなら観るべき)

【BEST3】オードリーが好き⑨笑の大学 [10/31掲載]

2004-12-25 18:33:50 | (2)オードリーが好き

BEST3には、最近の日本映画のガンバリを代表している一本かもしれませんが、『笑の大学』を選考しました。★4つではありますが、2004年下半期の作品の中ではイチオシの邦画でした。

ちょっと変わった映画のようなので、結構楽しみにして行きました。久しぶりの邦画です。『笑の大学』っていうどこかで聞いたようなタイトルだが、三谷幸喜(原作・脚本)が星護(監督)と組んで、舞台作品を映画化した。なんとも映画らしい映画でした。

舞台は、昭和15年戦時下の警視庁保安課取調室。劇団の座付作家・稲垣吾郎と検閲官・役所広司の鬼気迫るやりとりの中にも、三谷作品らしく「笑い」もほどよく盛り込まれて、完成された脚本の一本とも言えます。

言論弾圧があたりまえの時代背景は、実体験のある方には理解できるだろうが、あまりそのあたりについては深く掘り下げずに、しかし映画の中で繰り広げられる二人の言葉の端々に織り込まれている。二人芝居の手法をたくみに取り込んだ秀作といえそうです。(上映時間:2時間11分)(写真)

■作品評価 ★★★★(★4つ・・・観る価値あり)

【BEST4】オードリーが好き⑪ハウルの動く城 [11/22掲載]

2004-12-25 07:15:31 | (2)オードリーが好き

上映時間ぎりぎりに入ると、もういっぱいのヒト、ひと、人。さすがに盛況です。わくわくして観たのは、宮崎駿監督作品『ハウルの動く城』(写真)
これからご覧になる方のために、前作は思い浮かべないで「ハウル、ハウル」って思って観てください。まったく違う作品に出会えるはずです。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ原作の「魔法使いハウルと火の悪魔」(徳間書店刊)に宮崎駿が、いまの時代が抱えるテーマを織り込んだ作品がこれ。主人公はひとりの少女、18歳と90歳の。

ヒロインは、90歳の少女。
恋人は、弱虫の魔法使い。
ふたりが暮らしたハウルの動く城。
このばあさんが、かなり元気!
宮崎駿が描く生きる楽しさ、愛する歓び。
全世界注目の感動超大作。

予告編で、ずいぶん流れましたが、もちろんこのフレーズだけで中身を理解することはできません。観るまでは。

声の出演・・・ソフィー/倍賞千恵子
        ハウル/木村拓哉
        荒地の魔女/美輪明宏
他のキャラクターは観てのお楽しみですが、「なるほど」の適役揃いです。

その「なるほど」の代表がやはりソフィー役の倍賞千恵子でしょうか。18歳の少女と80歳のばあさんを演じることこそ、この作品のテーマであったような気がします。夢と現実にさまよいながら本当に探し求める幸せとは?それを伝えるために、対極に位置する2つの世代を登場させたのではないか。18歳と90歳ではなく、18歳~90歳のすべての人にこのことを伝えたかったのでは、と。

この映画『ハウルの動く城』のもう1つの見どころ、いえ聞きどころといえばいいでしょうか。全編を通して印象的なテーマ曲が流れ、主題歌「世界の約束」とともに映画音楽を完成させている。

「世界の約束」
歌・・・倍賞千恵子
作詞・・・谷川俊太郎/作曲・・・木村弓/編曲・・・久石譲

涙の奥にゆらぐほほえみは
時の始めからの世界の約束

いまは一人でも二人の昨日から
今日は生まれきらめく
初めて会った日のように

・・・絵ももちろんですが、この詞の中にこの映画の「思い」を聞きとることができるかもしれません。この曲の全編も本編で触れてみてください。

映画の中に設定されたいくつもの問題点「戦争」「困窮」「栄華」「差別」これはまさしく現実の世界そのもの。そしてそれでも変わらない普遍のテーマは「夢」「愛」「平和」「平等」が対極的にありながらも、背中合わせにあることを訴えているような映画であったように思える。原作を宮崎駿がジブリが込めた世界へのメッセージ―これが『ハウルの動く城』なんです。

映画を観終わって感じたものがあった。もちろんすばらしい出来であることに異論はないのだが、「何かが足りない、何かが削がれてしまったんじゃないか」ということでした。たとえば、当初公開が6月だったのが延期された。こんな大作が119分っていう中途半端な上映時間のなかで、最後のエンドロールになにか無理矢理つながれた、ような。そんな気がしてならなかったのは、自分だけだったんだろうか、って。もしそんなことがあるのなら、続編を観てみたい。(上映時間:1時間59分)

■作品評価 ★★★★(★4つ・・・観る価値あり)

★BEST3~BEST1は、今夜発表です。

オードリーが好き●2004年下半期ベストムービー5

2004-12-25 06:04:10 | (2)オードリーが好き

オードリーに魅せられて以来、映画は、感動や共鳴、そしてなによりも今を生きることの大切さを様々な表現やメッセージで語ってくれるような気がして、すっかりとりこになりました。2004年の下半期も数々の名作が生まれました。上半期に比べれば映画館で観た本数はやはり激減するのですが、それでもこんなに想い出に残る作品に出会うことができました。自分勝手に選んだ5作品をごらんいただきます。あなたのBEST5は、どんな映画だったのでしょうか。

【BEST5】オードリーが好き⑩隠し剣 鬼の爪 [11/11掲載]

あの『たそがれ清兵衛』から2年、山田洋次監督が再び藤沢周平原作の本格時代劇を完成させた。『隠し剣 鬼の爪』時は幕末、東北の小藩・海坂藩(架空の藩:鶴岡がモデル)を舞台に、下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)と百姓の娘きえ(松たか子)を主人公に物語は展開する。共演者の豪華さも満天の星のようで、チャンバラ時代劇とは一変の舞台を垣間見たような気分になった。

劇中の殺陣のシーンもそうだが、いかにもリアルに描くシーンがある。一時、陸上末續選手の走法が話題になったが、その『ナンバ走り』明治維新までの日本人は、歩くときは右足が出るときには右手を、左足が出るときは左手を出して歩いていた。着物であったことが大きな理由のようだが、武士は脇差をしてすばやく動ける利点があったようだ。今となっては不思議な習慣だが、まぎれもない日本人の一つの文化であったこともしっかり描かれていた。「愛と希望を描くリアリズム時代劇の完成」との映画評論もその通り。

以前、司馬遼太郎が希求した「名こそ惜しけれ」に触れたことがある。まさしく主人公の生き方ではなかったか、武士道ではなかったか。時代背景も違うのだが、現代にも通じる人間としての姿勢のような気がしてならない。藤沢周平の中にも司馬遼太郎のいう日本人の良心観があり、描き方こそ違え、「人間として」の視点での共通項は確かにある。

山田洋次監督にひとこと、斬新な切り口で時代劇の世界を変えていくだろうという期待がふくらんだ作品には違いないが、ラストシーンがなんとも淡白な感じがしたのは残念。もっと山田洋次の世界での描き方はなかったのか、と勝手な言い分で幕を閉じます。(上映時間:2時間21分)
(写真)

■作品評価 ★★★★(★4つ・・・観る価値あり)