SFの主だった賞を独り占めした本書「ねじまき少女」
久しぶりのSFにワクワクしながら読み始めました。
石油が枯渇し、温暖化により海水面が上昇した未来、動植物が遺伝子組み換え技術の影響による疫病の蔓延で死滅し、多くの国々が崩壊するなかで、堤防で首都を守り、種子バンクで食料を確保しているタイ国が舞台。 疫病に耐性のある遺伝子組み換え植物を売り込もうと画策する西欧企業のスパイと、賄賂で儲けようとする通産省の勢力、輸入品による疫病から守ろうとする環境省の勢力などが入り乱れる中に、日本製のアンドロイドが取り残されて大騒動の物語が始まります。
それなりに楽しめるお話でしたが、屋台が並び自転車が走るスラムの描写は今現在の東南アジアの光景そのままのようで、石油が枯渇するまでの間に変容するであろう街並みや人々の考えや生活様式が、今と同じになってしまうというのは、どうもオカシイように思えます。 それが賞を独占したと思うと、面白いSFがなかなか見つからないのも頷けるような気がしたり・・・
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