ごじゃ満開

いすみ市内外の隠れた情報と
ちょっとしたエッセイ。

さめる

2012-01-19 06:44:44 | Weblog
先日、
ランチをしに
定食屋へ入った。

お昼時だけあって
客もソコソコいる。

テーブルについて
早速注文。

ふと、
隣りのテーブルに
目をやると
キレイな作業服の
見た目50代中盤の男と
よたくれた背広姿の
見た目40代後半の男が
席についていた。

どういう関係か
わからないが、
どうやら
同じ会社とかでは
ないようだ。

作業服男は
スポニチを広げ
ハフハフ言いながら
カツカレーを食う。

背広男は
ご飯大盛りの
玉子焼き定食を
ちびちびと食う。

カツカレーを
半分程度食った
作業服男は
スポニチの記事を見ながら、

(作)「AKB・・・」

一瞬、
箸の止ったスーツ男は

(背)「・・・は?」

この「は?」が
まずかった。

(作)「AKBって知ってるでしょ?」
(背)「あぁ、はい、でもあまり・・・」

作業服男は
カツカレーを食いながら、
けっして
小さくはない声で
語り始めた。

(作)「AKBってさ、ハフッ、あ~だこ~だ」
(背)「はぁ」
(作)「っでその秋元がさ、モゴモゴ、あ~だこ~だ」
(背)「はぁ」
(作)「SDNっとかもさ、イテッ! あ~だこ~だ、っでしょ!?」
(背)「・・・はい」

なんだか
[AKBに学ぶビジネス]
みたいな類いの内容。

お行儀悪いが
真剣な面持ちで語る
作業服男。

語りは
さらに続く。

(作)「前田の人見知りがさ、ど~のこ~の」
(背)「さぁ・・・」
(作)「大島の志望はさ、ど~のこ~の」
(背)「っん、ん~・・・」
(作)「高橋だってさ、ど~のこ~の」
(背)「・・・」
(作)「私は篠田のことをね、ど~のこ~の」
(背)(  )

次第に、
“単なるファン”
であることが
判明。

押し付けがましい
AKB談議を
ただただ
聞くことしかできない
背広男の箸は
20分くらい
止ったまま。



他に
店内で聞こえるのは
誰も見ていないテレビの
かすかな声と、
厨房からの
ガチャコンガチャコンする
音だけ。



俺も他の客も
黙~って食う。



食べ終わった俺は
席を立ち、
横目でチラッと
彼らのテーブルを見た。



(作)「だって、ジャンケン大会にも・・・」



尚もまだ熱く語る
作業服男。



玉子焼きを
いまだ半分も
口にしてない
背広男。

彼の目と
大盛りご飯は
いささかドライで
冷ややかだった。

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1 コメント

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マチん話ならな~ (船長のあんちゃん)
2012-01-20 13:25:44
わかるんだけどね。かってぼとごじゃばこの話
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