学校じゃ教えてくんねぇそいら辺③

軽トラの中で
昼食をとった。

(た)「ずっと雑巾がけだったね」
(俺)「ははははは」
(た)「あの先生、コワイね」
(俺)「お前らん学校だったら嫌われっちまうっぺな」
(た)「うん、やだ」
(俺)「でもよ、彼等はコワイと思ってない」
(た)「なんで？」
(俺)「相手してくれるし、やりがいを感じて充実してる」
(た)「へぇ～」
(俺)「彼らの目を見たか？」
(た)「うん、真っ直ぐ見てる」
(俺)「そうだ、指示されたことを忠実に実行しようとしてる」
(た)「・・・」
(俺)「いざ社会に出て、簡単なことも出来ないと、お金も貰えないし食べてもいけない、彼らが自分から自立心を養おうと一生懸命なんだ」
(た)「そっかぁ～」
(俺)「っじゃ、始めっか」
(た)「うん」

午後の作業に
とりかかる。

怒涛の雑巾がけは
終わっていた。

(俺)「おし、やしやしやっちまうべ！」
(た)「うん、やしやし！」

っと今度は
大勢上がってきた。

入園式の練習が
始まった。

（ありゃりゃ）

(俺)「（作業）中断しましょうか？」
(先)「すみません、大丈夫です、気にしないで作業してください」

作業続行。

なんとか頑張って
２階体育館の分は
貼り終わった。

１階作業場の分が
残っているが、
もう夕方。

この日はこれで
引き上げることにした。

翌日も予備日として
作業日程にいれてある。

たかっぱも
来たがってたが、
翌日はＮ小学校の
離任式。

俺一人で向かう。



たかっぱ、
この春
新六年生。

この現場で
何を感じたかとか、
自分だったらどうとか、
今そんな答えは
いらない。

とにもかくにも、
こーゆー“世界”
もあるということを
認識してもらえれば
それでけっこう。

今後も
タイミングが合えば
連れて行けるところは
連れて行く。



なにげに
俺も教わることも多い。