(今日の写真はスズメ目ウグイス科の野鳥「ウグイス」である。これは日本全国の林に棲む留鳥で、北海道や山地のものは、冬に暖かい地方や平地に移動する。生息する環境は森林、農耕地、市街地と広い。
もう少し詳しく説明すれば、平地から山地の笹の繁った林に棲む。冬には市街地などの公園や庭、神社の境内などにもやって来る。
実は私の家の直ぐ近く、堰を挟んで15mほど離れた熊野宮の林の藪の中にもいる。この写真は数年前の4月、「熊野宮の林の藪」から私の庭に紛れ込んで来たものを撮ったものだ。
写真ではよく分からないかも知れないが、全身がオリーブ色がかった茶褐色だ。
「ウグイス餅」という「餅」があるが、あの色の方が実物よりも明るく鮮やかに見える。美しい鳴き声が、餅を作る人間に「より鳴き声に近い軽快な色彩感」を創造させたのかも知れない。
オスは全長が約15.5cmとメスより一回り大きいが、色は同じだ。昆虫を食べ、冬には木の実も食べる。「さえずり」は言うまでもなく「ホーホケキョ」。「地鳴き」は「チャッ、チャッ」。また「谷渡り」と称する「ケキョ、ケキョ、ケキョ」という連続する鳴き方をする場合もある。「ウグイス」と似ていて、仲間でもある「センダイムシクイ」は、ウグイスより緑色が強い。
また、このウグイスの仲間である「ヤブサメ」には「岩木山の環状道路」でよく、悲惨で残酷な出会い方をする。自転車で走ると路傍に「自動車」に跳ねられて死んでいるのが目立つのである。
ウグイスよりも5cmほど小さな鳥で、全体はウグイスに似ているが尾がずっと短い鳥だ。全身茶褐色で、喉も白っぽく、下面はやや淡い褐色をしている。「シーシーシー…」と「虫のような声」で鳴く。これは夏鳥として屋久島から北海道に渡来し、丘陵地から低山の林で繁殖する。
地上近くの藪中の枝から枝へ飛び移りながら虫などを探し、しばしば地上に降りる。低空を飛ぶので自動車と衝突するらしい。)
◇◇ 驚きだ。ウグイスの初鳴きを聞いた(1) ◇◇
実は、昨日の朝6時頃のことだ。「タ、タ、タ、タ、タ…」という「アカゲラ」のドラミングの音が熊野宮の林から聞こえてきた。「うん、今朝は何だかとても元気だなあ」と思いながらモニターに向かいキーを打つ。毎朝のブログ書きである。 昨日の朝も暖気だった。14日は強く冷たい北風が吹き荒れたが、15日はそれがウソのようないい天気だった。そして、昨日の朝は、穏やかに晴れて暖かかった。
そのような朝である。私は、「タ、タ、タ、タ、タ…」という音を聞いていたのである。「アカゲラ」のドラミングは真冬でも聞こえることがないわけではない。だが、その真冬の音は鋭く棘のある韻を含んでいる。
昨日の朝のドラミング音は、柔らかかった。そして、私の耳はその音に混じって、別な音を捕らえていた。それは鳥の鳴き声であった。
それは、か細く、微かではあったが、確かに「ホーホケキョ」と聞こえた。優しくもあり、喜びに満ちた鳴き声だったのだ。
私はキーを打つ手を、しばし止めて外に出た。そして、耳を澄ました。間遠ではあるが、確かに、「ホーホケキョ」という鳴き声が聞こえる。
だが、昨年の4月に聞いた、あの絶叫するかのような「元気」さはない。どこか、弱々しく、控えめな鳴き声なのである。『ひょっとして、これ「ウグイスの初鳴き」なのか』と思ったが、にわかには信じられず、半信半疑であった。
植物や動物の状態が、季節によって変化することを「生物季節現象」と言う。そして、その現象の観測を「生物季節観測」と言うのだ。
この目的は、生物に及ぼす気象の影響を知るとともに、その観測結果から季節の遅れ進みや、気候の違いなど総合的な気象状況の推移を知ることにある。
全国の100ヶ所近い場所で、「イチョウの黄葉」「イロハカエデの紅葉」「サクラの開花」「モンシロチョウの初見」などの「生物季節現象」を観測している。その中に、「ウグイスの初鳴き」という項目もあるのだ。
そして、この「ウグイスの初鳴き」は「春の訪れを告げるもの」として、私を含めた多くの人々から親しまれているのではないだろうか。
ただ、「初鳴き日」とは、春にウグイスがさえずるのを初めて聞いた日のことなので、これは、厳密には「特定日」にはならないのではないかということである。つまり、非常に「個人的」なことであり、それを「何月何日」という形で「集約」して「抽象化」することには無理があるということである。
昨日の朝に、私は確かに「ウグイスの初鳴き」を聞いたとすれば、私にとっては「2009年3月16日」が「ウグイスの初鳴き」日になるということであろう。
日本の地図上で、ウグイスの「初鳴き日」の同じ地点を結んだ線を「ウグイスの初鳴日の等期日線図」と言う。それによると、弘前辺りは4月の20日から30日にかけて、この「初鳴き」を耳にすることになっている。
となれば、私が昨日の朝に聞いた「ウグイス」の鳴き声は「空耳」ということになる。事実であるならば、季節は確実に1ヶ月早く推移していることになろう。
「空耳」なのか「早い季節の推移」なのか、私は今朝も、これに悩んで「耳を澄ま」した。だが、聞こえてくるの鳴き声は「カラス」ばかりであった。
そういえば、今年も「カラス」が熊野宮の境内林に「巣造り」を始めたようだ。
巣材を咥えて運ぶ姿が数日前から、よく目につくようになった。「カラスの巣造り」も、「生物季節現象」の一つだろう。やはり、異常に早い「季節の推移」を示しているということが正しいらしい。(明日に続く)
もう少し詳しく説明すれば、平地から山地の笹の繁った林に棲む。冬には市街地などの公園や庭、神社の境内などにもやって来る。
実は私の家の直ぐ近く、堰を挟んで15mほど離れた熊野宮の林の藪の中にもいる。この写真は数年前の4月、「熊野宮の林の藪」から私の庭に紛れ込んで来たものを撮ったものだ。
写真ではよく分からないかも知れないが、全身がオリーブ色がかった茶褐色だ。
「ウグイス餅」という「餅」があるが、あの色の方が実物よりも明るく鮮やかに見える。美しい鳴き声が、餅を作る人間に「より鳴き声に近い軽快な色彩感」を創造させたのかも知れない。
オスは全長が約15.5cmとメスより一回り大きいが、色は同じだ。昆虫を食べ、冬には木の実も食べる。「さえずり」は言うまでもなく「ホーホケキョ」。「地鳴き」は「チャッ、チャッ」。また「谷渡り」と称する「ケキョ、ケキョ、ケキョ」という連続する鳴き方をする場合もある。「ウグイス」と似ていて、仲間でもある「センダイムシクイ」は、ウグイスより緑色が強い。
また、このウグイスの仲間である「ヤブサメ」には「岩木山の環状道路」でよく、悲惨で残酷な出会い方をする。自転車で走ると路傍に「自動車」に跳ねられて死んでいるのが目立つのである。
ウグイスよりも5cmほど小さな鳥で、全体はウグイスに似ているが尾がずっと短い鳥だ。全身茶褐色で、喉も白っぽく、下面はやや淡い褐色をしている。「シーシーシー…」と「虫のような声」で鳴く。これは夏鳥として屋久島から北海道に渡来し、丘陵地から低山の林で繁殖する。
地上近くの藪中の枝から枝へ飛び移りながら虫などを探し、しばしば地上に降りる。低空を飛ぶので自動車と衝突するらしい。)
◇◇ 驚きだ。ウグイスの初鳴きを聞いた(1) ◇◇
実は、昨日の朝6時頃のことだ。「タ、タ、タ、タ、タ…」という「アカゲラ」のドラミングの音が熊野宮の林から聞こえてきた。「うん、今朝は何だかとても元気だなあ」と思いながらモニターに向かいキーを打つ。毎朝のブログ書きである。 昨日の朝も暖気だった。14日は強く冷たい北風が吹き荒れたが、15日はそれがウソのようないい天気だった。そして、昨日の朝は、穏やかに晴れて暖かかった。
そのような朝である。私は、「タ、タ、タ、タ、タ…」という音を聞いていたのである。「アカゲラ」のドラミングは真冬でも聞こえることがないわけではない。だが、その真冬の音は鋭く棘のある韻を含んでいる。
昨日の朝のドラミング音は、柔らかかった。そして、私の耳はその音に混じって、別な音を捕らえていた。それは鳥の鳴き声であった。
それは、か細く、微かではあったが、確かに「ホーホケキョ」と聞こえた。優しくもあり、喜びに満ちた鳴き声だったのだ。
私はキーを打つ手を、しばし止めて外に出た。そして、耳を澄ました。間遠ではあるが、確かに、「ホーホケキョ」という鳴き声が聞こえる。
だが、昨年の4月に聞いた、あの絶叫するかのような「元気」さはない。どこか、弱々しく、控えめな鳴き声なのである。『ひょっとして、これ「ウグイスの初鳴き」なのか』と思ったが、にわかには信じられず、半信半疑であった。
植物や動物の状態が、季節によって変化することを「生物季節現象」と言う。そして、その現象の観測を「生物季節観測」と言うのだ。
この目的は、生物に及ぼす気象の影響を知るとともに、その観測結果から季節の遅れ進みや、気候の違いなど総合的な気象状況の推移を知ることにある。
全国の100ヶ所近い場所で、「イチョウの黄葉」「イロハカエデの紅葉」「サクラの開花」「モンシロチョウの初見」などの「生物季節現象」を観測している。その中に、「ウグイスの初鳴き」という項目もあるのだ。
そして、この「ウグイスの初鳴き」は「春の訪れを告げるもの」として、私を含めた多くの人々から親しまれているのではないだろうか。
ただ、「初鳴き日」とは、春にウグイスがさえずるのを初めて聞いた日のことなので、これは、厳密には「特定日」にはならないのではないかということである。つまり、非常に「個人的」なことであり、それを「何月何日」という形で「集約」して「抽象化」することには無理があるということである。
昨日の朝に、私は確かに「ウグイスの初鳴き」を聞いたとすれば、私にとっては「2009年3月16日」が「ウグイスの初鳴き」日になるということであろう。
日本の地図上で、ウグイスの「初鳴き日」の同じ地点を結んだ線を「ウグイスの初鳴日の等期日線図」と言う。それによると、弘前辺りは4月の20日から30日にかけて、この「初鳴き」を耳にすることになっている。
となれば、私が昨日の朝に聞いた「ウグイス」の鳴き声は「空耳」ということになる。事実であるならば、季節は確実に1ヶ月早く推移していることになろう。
「空耳」なのか「早い季節の推移」なのか、私は今朝も、これに悩んで「耳を澄ま」した。だが、聞こえてくるの鳴き声は「カラス」ばかりであった。
そういえば、今年も「カラス」が熊野宮の境内林に「巣造り」を始めたようだ。
巣材を咥えて運ぶ姿が数日前から、よく目につくようになった。「カラスの巣造り」も、「生物季節現象」の一つだろう。やはり、異常に早い「季節の推移」を示しているということが正しいらしい。(明日に続く)