( 今日の写真は山頂直下で見たエビのしっぽと雲海だ。針で突き刺すと蒼い液体が噴き出しそうだった「蒼い上空」に雲が増えてきた。
すじ雲とも呼ばれる巻雲で極めて小さい氷の結晶から成る。これが上空に現れると悪天の兆しで、明日のお天気は下り坂となる。
その下に見えるのは積雪だろうか、いや違う、雲海だ。真っ直ぐどこまでも歩いていけそうな気持ちになる。
しかし、私には目前の閼伽棚(あかだな)に供えられた海老のしっぽを壊して前に出ることは自然の冒涜に思えた。
閼伽棚には、自然の造作、すばらしい彫刻師が雪面を削り穿ち、水滴や雪片を貼りつけて創りあげた海老のしっぽが林立していたのだ。
山頂部には中腹部から雲がわき上がってきていた。薄い層雲であり、これで天気が崩れることはない。
写真中央下端の平らに見えるところは、風が這うように撫でるように吹き抜ける場所なので、雪が着かない。だから「平坦」に見える。だが騙されてはいけない。このような平坦な雪面の下には岩が乱立していて、その間隔が、氷河の「クレバス」のように待ちかまえている。
この辺りの、その「溝」は深くはないので、落ちても這い上がることは可能だが、それは決して楽なことではない。悪くすると、岩に足などを打つ付けてしまうかも知れないのだ。
「海老のしっぽ」:霧や雪が氷化してエビのしっぽ状に風に向かってのびるものをいう。 1月 山頂直下)
■■ 「岩木山てどんな山…なぜ、どうして40問」(その6)■■
子供が幼児から次第に成長していく過程で、盛んに周りの大人に疑問詞をぶっつける時期がある。この時期は子供の一生を左右するほどに重要な時期であるように思う。
だが、近年、子供の周りには、それらに答えるべき大人が少なくなってしまった。核家族という言葉が聞かれないほど、家族の構成が固定化して、子供の周りには「親」しかいない。
「これなあに?」「どうしてこうなるの?」「なぜなの?」などという「疑問」の矛先はすべて「親」に向かう。
「子供は親を選べない」という事実に私は小学2年生ごろに気づいた。それは非常にショックなことだった。そして、私も親になり、それから「子供は親を選べない」を胆に銘じながら自分の子供に接してきた。
子供の疑問に答えてくれない親は多い。「答える」愛情にも欠け、「答える」ための力量もなく、自分を含めた人生すべてに余裕がないのである。子供たちの「疑問」というのは精神的な欲求なのだ。だが、世の親はそれらに対して「物」を買い与えて答えようとする。
「物質」には「心」の鼓動がない。生身の暖かさがない。優しい言葉や語り口がない。肌と肌の触れあいがない。そろそろ子供たちの環境を家族構成から見直す時期にきているのではないだろうか。
最近の中国を見ていると「一人っ子政策」は「物質文明」と「経済政策」には有利かも知れないが、「精神的な欲求」に飢えて、それを「物」で埋め合わせしようとしているように見えてしようがない。
今日は「岩木山の植物」に関する質問の7番から8番までについて解答しよう。
7、高山植物の種類と特徴について知りたいと思います。
岩木山は本州の北端に位置していますから「高山帯」が、かなり低くなります。
岩木山の高山植物という時は、大体標高1000m以上に生えているものをさすと考えていいでしょう。
また、岩木山は同じ県内の高山である八甲田山や白神山地と比べると…
�独立峰に近い。�高層湿原がほとんどない。�生成(生まれ方)時期や条件、地質、構造などが違う一番「若い山」である。
…などの多くの特徴を持っています。
高山植物はこの特徴にそって生育しています。ですから次のような違いが出てきます。
★八甲田山にあって岩木山にない花★
ミネズオウ、ヨツバシオガマ、ミヤマオダマキ、タカネスミレ、ヒナザクラ、ホソバノイワベンケイ、イワブクロ、チングルマ、コバイケイソウ、イワギキョウなどです。
★白神山地にあって岩木山にない花★
イブキジャコウソウ、シコタンソウ、ツガルミセバヤ、アオモリマンテマ、エゾハナシノブなどです。
★岩木山にあって他の二山のいずれかにない花★
ミチノクコザクラ、エゾノツガザクラ、ナガバツガザクラ、ガクウラジロヨウラク、ウコンウツギなどです。
☆標高1000m以上に咲く岩木山の高山植物で主なもの☆
ミチノクコザクラ、ミヤマキンバイ、ヒメイチゲ、ショウジョウバカマ、ツバメオモト、ミヤマスミレ、タニギキョウ、ミネザクラ、ベニバナイチゴ、イワナシ、ハクサンチドリ、ノウゴウイチゴ、ミヤマカタバミ、イワツツジ、イワカカガミ、コヨウラクツツジ、サンカヨウ、ミツバオウレン、ミヤマガラシ、コメバツガザクラ、ガクウラジロヨウラク、イワウメ、イワヒゲ、ナガバツガザクラ、ガンコウラン、クロツリバナ、ゴゼンタチバナ、オオバスノキ、コケモモ、エゾノツガザクラ、ウコンウツギ、イワハゼ、ハクサンシャクナゲ、ツマトリソウ、ミヤマカラマツ、ベニバナイチヤクソウ、イワオトギリ、ミヤマアカバナ、ヒメアカバナ、クモマニガナ、エゾシオガマ、コバノギボウシ、シラネニンジン、ヤマハハコ、ウメバチソウ、ミヤマセンキュウ、エゾオヤマノリンドウ、アラゲヒョウタンボク、ツルツゲ、オオバタケシマラン、ウスバスミレ、マルバキンレイカ、マルバシモツケ、シラタマノキ、ヤマブキショウマなどです。
8、高山植物はそれぞれどんな所で咲くのですか。
どんな植物でも、場所・地質・季節・時間・高さ・広がりなどを違えることで「棲み分け」をしてお互いが競合しないように工夫しています。だから、生えている場所も決まっています。これが子孫を残すための「自然の摂理(仕組み)」です。残念ながら、これに反して人間世界は競合と競争に明け暮れています。
たとえば、シラタマノキ…硫黄分の強い場所・ミチノクコザクラ…雪崩などで表土がはげた荒廃地・イワウメ…熔岩など垂直に近い岩肌などという具合です。
(明日、9番から12番までの解答を掲載する)
すじ雲とも呼ばれる巻雲で極めて小さい氷の結晶から成る。これが上空に現れると悪天の兆しで、明日のお天気は下り坂となる。
その下に見えるのは積雪だろうか、いや違う、雲海だ。真っ直ぐどこまでも歩いていけそうな気持ちになる。
しかし、私には目前の閼伽棚(あかだな)に供えられた海老のしっぽを壊して前に出ることは自然の冒涜に思えた。
閼伽棚には、自然の造作、すばらしい彫刻師が雪面を削り穿ち、水滴や雪片を貼りつけて創りあげた海老のしっぽが林立していたのだ。
山頂部には中腹部から雲がわき上がってきていた。薄い層雲であり、これで天気が崩れることはない。
写真中央下端の平らに見えるところは、風が這うように撫でるように吹き抜ける場所なので、雪が着かない。だから「平坦」に見える。だが騙されてはいけない。このような平坦な雪面の下には岩が乱立していて、その間隔が、氷河の「クレバス」のように待ちかまえている。
この辺りの、その「溝」は深くはないので、落ちても這い上がることは可能だが、それは決して楽なことではない。悪くすると、岩に足などを打つ付けてしまうかも知れないのだ。
「海老のしっぽ」:霧や雪が氷化してエビのしっぽ状に風に向かってのびるものをいう。 1月 山頂直下)
■■ 「岩木山てどんな山…なぜ、どうして40問」(その6)■■
子供が幼児から次第に成長していく過程で、盛んに周りの大人に疑問詞をぶっつける時期がある。この時期は子供の一生を左右するほどに重要な時期であるように思う。
だが、近年、子供の周りには、それらに答えるべき大人が少なくなってしまった。核家族という言葉が聞かれないほど、家族の構成が固定化して、子供の周りには「親」しかいない。
「これなあに?」「どうしてこうなるの?」「なぜなの?」などという「疑問」の矛先はすべて「親」に向かう。
「子供は親を選べない」という事実に私は小学2年生ごろに気づいた。それは非常にショックなことだった。そして、私も親になり、それから「子供は親を選べない」を胆に銘じながら自分の子供に接してきた。
子供の疑問に答えてくれない親は多い。「答える」愛情にも欠け、「答える」ための力量もなく、自分を含めた人生すべてに余裕がないのである。子供たちの「疑問」というのは精神的な欲求なのだ。だが、世の親はそれらに対して「物」を買い与えて答えようとする。
「物質」には「心」の鼓動がない。生身の暖かさがない。優しい言葉や語り口がない。肌と肌の触れあいがない。そろそろ子供たちの環境を家族構成から見直す時期にきているのではないだろうか。
最近の中国を見ていると「一人っ子政策」は「物質文明」と「経済政策」には有利かも知れないが、「精神的な欲求」に飢えて、それを「物」で埋め合わせしようとしているように見えてしようがない。
今日は「岩木山の植物」に関する質問の7番から8番までについて解答しよう。
7、高山植物の種類と特徴について知りたいと思います。
岩木山は本州の北端に位置していますから「高山帯」が、かなり低くなります。
岩木山の高山植物という時は、大体標高1000m以上に生えているものをさすと考えていいでしょう。
また、岩木山は同じ県内の高山である八甲田山や白神山地と比べると…
�独立峰に近い。�高層湿原がほとんどない。�生成(生まれ方)時期や条件、地質、構造などが違う一番「若い山」である。
…などの多くの特徴を持っています。
高山植物はこの特徴にそって生育しています。ですから次のような違いが出てきます。
★八甲田山にあって岩木山にない花★
ミネズオウ、ヨツバシオガマ、ミヤマオダマキ、タカネスミレ、ヒナザクラ、ホソバノイワベンケイ、イワブクロ、チングルマ、コバイケイソウ、イワギキョウなどです。
★白神山地にあって岩木山にない花★
イブキジャコウソウ、シコタンソウ、ツガルミセバヤ、アオモリマンテマ、エゾハナシノブなどです。
★岩木山にあって他の二山のいずれかにない花★
ミチノクコザクラ、エゾノツガザクラ、ナガバツガザクラ、ガクウラジロヨウラク、ウコンウツギなどです。
☆標高1000m以上に咲く岩木山の高山植物で主なもの☆
ミチノクコザクラ、ミヤマキンバイ、ヒメイチゲ、ショウジョウバカマ、ツバメオモト、ミヤマスミレ、タニギキョウ、ミネザクラ、ベニバナイチゴ、イワナシ、ハクサンチドリ、ノウゴウイチゴ、ミヤマカタバミ、イワツツジ、イワカカガミ、コヨウラクツツジ、サンカヨウ、ミツバオウレン、ミヤマガラシ、コメバツガザクラ、ガクウラジロヨウラク、イワウメ、イワヒゲ、ナガバツガザクラ、ガンコウラン、クロツリバナ、ゴゼンタチバナ、オオバスノキ、コケモモ、エゾノツガザクラ、ウコンウツギ、イワハゼ、ハクサンシャクナゲ、ツマトリソウ、ミヤマカラマツ、ベニバナイチヤクソウ、イワオトギリ、ミヤマアカバナ、ヒメアカバナ、クモマニガナ、エゾシオガマ、コバノギボウシ、シラネニンジン、ヤマハハコ、ウメバチソウ、ミヤマセンキュウ、エゾオヤマノリンドウ、アラゲヒョウタンボク、ツルツゲ、オオバタケシマラン、ウスバスミレ、マルバキンレイカ、マルバシモツケ、シラタマノキ、ヤマブキショウマなどです。
8、高山植物はそれぞれどんな所で咲くのですか。
どんな植物でも、場所・地質・季節・時間・高さ・広がりなどを違えることで「棲み分け」をしてお互いが競合しないように工夫しています。だから、生えている場所も決まっています。これが子孫を残すための「自然の摂理(仕組み)」です。残念ながら、これに反して人間世界は競合と競争に明け暮れています。
たとえば、シラタマノキ…硫黄分の強い場所・ミチノクコザクラ…雪崩などで表土がはげた荒廃地・イワウメ…熔岩など垂直に近い岩肌などという具合です。
(明日、9番から12番までの解答を掲載する)