(今日の写真は、今月の中旬、午前10時頃、岩木山弥生地区の上空に漂っていた雲である。
私は「雲」が好きだ。岩木山に登っている時にも、このような「雲」を発見すると、立ち止まったり、時には腰を降ろして眺めてしまうことがある。
このブログにも、これまで何回か「雲」のことを書いた記憶がある。特に、この「綿雲」が大好きだ。それは、「柔らかい綿」や「甘い綿飴」を思い起こさせるからではない。
「綿雲」は何よりも優しい。それが、一番に惹きつけられるりゆうであり、「魅力」である。そして、必ず動いている。その姿や形を少しずつ変えながら動いているのだ。その動きも、軽快さに加え千差万別、自由自在、縦横無尽である。風のある時は速い動きだし、微風の時はゆっくりと移動していく。
高い空にある「絹雲・巻雲」などは殆ど動かないのに比べると、この「綿雲」は自由奔放である。気ままである。これもやはり、魅力である。私は、この綿雲を眺めながら、これまで何度「おまえのようになりたいよ」と呟いたことだろう。
「空」には必ず「雲」が存在しているのだそうだ。空を見上げると、「必ず雲が浮かんでいる」といわれても、俄には信じられない。だって、「雲一つない晴天」とか「雲のまったくない快晴」とよく言うではないか。
だが、それは、私たちの目に見えないだけで、実はうすい雲が空を漂っているのである。
秋の雲はメリハリがあって鮮やかである。これは「積雲」といわれるもので、高度も1000m以下だろう。ぽっかりと浮かんでゆっくりと動き、東の空に去っていった。雲はこれ以外は見られなかった。去っていった方をしばらく見ていたが、いつの間にかきれいに消えてしまった。まるで、今まであった雲が「ウソ」のようだったのである。
絶対に、二度と同じ姿を見せることのない雲、それ故に、その種類と名前を覚えることが大切なような気がした。名を知ると、距離感が縮まり、親密感が湧くのは、何も人の世界だけではない。
因みに、この「雲」は、日本語では、綿のような感じで浮かぶ雲ということで「綿雲」と呼ばれる。他には「積み雲」や「断片雲」、「ちぎれ雲」など呼ばれている。ただし、「ちぎれ雲」は「高層雲」や「乱層雲」でも見られることがある。)
◇◇ 秋の雲、日本語には「雲」の名が多いのだ。(その1) ◇◇
気象観測では「巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、乱層雲、層積雲、層雲、積雲、積乱雲」の10類に分類している。これは1956年世界気象機関が刊行した「国際雲図表改訂版」によるものだ。
だから、私たちが目にする「雲」は、このいずれかに入るのだ。あの広い空に湧いたり、流れたり、覆ったりする雲は10種類しかないのである。雲の名前を覚えるなんて簡単ではないか。たった「10個、10種類」なんだよ…といいたいところだが、そうはいかないのである。
たとえば、今日の写真の雲は地表付近から2000mほどの高さに生ずる、つまり、地表から一番低いところに出来る「下層雲」に区分されるものの一つの「積雲」である。
綿のようにふわふわと浮いている雲だ。いつの間にか消えるものもあれば、地表の熱を取り込んでどんどんんと発達するものもある。これが、積雲が乱れたもので、「積乱雲」と呼ばれるのである。
「積乱雲」は「雷雲(カミナリグモ)」でもある。雲の中では最も危険な雲であり、雲の高さは10km以上に達する場合もあるそうだ。この雲の下では、雷や竜巻が発生したり、激しい雨が降ったりするのである。
この積乱雲が発達して雄大積雲となり、雲の頂が坊主頭のように丸くなったものを「入道雲」というのだ。この頂は太陽を受けて輝くが、雲の底は真っ黒で、雨が降り、雷を伴うのである。
この「入道雲」ほど名前が多いものはない。何と「26」もあるのだから驚いてしまう。(明日に続く)
◇◇天気がいいとそれだけで「自然観察会」は成功だ。(5)◇◇
(承前)●寄生植物のこと●
…岩木山でよく見られる「ミヤマママコナ」も、「半寄生」する「腐生植物」の一年草で、「イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生」する面白い繁殖の仕方をする植物である。
「半寄生」であるから、「自立」も出来るのだ。自らも「葉緑素を持ち光合成を行う」が、他の植物からも栄養を摂り、「宿主(ホスト)」がない場合には草丈も小さくなるし、宿主がいる場合には大きくなる。だから、すべてが一様ではない。
この違いが「大きさ」や「花の色の違い」、それに、「全体の風姿」に、微妙な「異相」をもたらしているのかも知れない。
そう考えると、これらの花に出会って、一瞬「これは何だ」と訝しがることのあることは、別におかしいことではないように思える。
「寄生植物」には、この「ミヤマママコナ」のように「半寄生」する植物があるが、「半寄生」が80%を占めるそうである。
野山の道沿いで見られるのは、この「ママコナ」程度であるといわれている。「ママコナ」類は、その独特な風姿と形、色彩で人目を引く花である。
そして、同時に、私たちに理解があれば、「他の植物の根」に寄生(腐生)するという「生き方」で興味を引く花でもあるのだ。(明日に続く)
[連続1000回ブログ書き達成まであと、6回・連続1000日達成まではあと、15日]
私は「雲」が好きだ。岩木山に登っている時にも、このような「雲」を発見すると、立ち止まったり、時には腰を降ろして眺めてしまうことがある。
このブログにも、これまで何回か「雲」のことを書いた記憶がある。特に、この「綿雲」が大好きだ。それは、「柔らかい綿」や「甘い綿飴」を思い起こさせるからではない。
「綿雲」は何よりも優しい。それが、一番に惹きつけられるりゆうであり、「魅力」である。そして、必ず動いている。その姿や形を少しずつ変えながら動いているのだ。その動きも、軽快さに加え千差万別、自由自在、縦横無尽である。風のある時は速い動きだし、微風の時はゆっくりと移動していく。
高い空にある「絹雲・巻雲」などは殆ど動かないのに比べると、この「綿雲」は自由奔放である。気ままである。これもやはり、魅力である。私は、この綿雲を眺めながら、これまで何度「おまえのようになりたいよ」と呟いたことだろう。
「空」には必ず「雲」が存在しているのだそうだ。空を見上げると、「必ず雲が浮かんでいる」といわれても、俄には信じられない。だって、「雲一つない晴天」とか「雲のまったくない快晴」とよく言うではないか。
だが、それは、私たちの目に見えないだけで、実はうすい雲が空を漂っているのである。
秋の雲はメリハリがあって鮮やかである。これは「積雲」といわれるもので、高度も1000m以下だろう。ぽっかりと浮かんでゆっくりと動き、東の空に去っていった。雲はこれ以外は見られなかった。去っていった方をしばらく見ていたが、いつの間にかきれいに消えてしまった。まるで、今まであった雲が「ウソ」のようだったのである。
絶対に、二度と同じ姿を見せることのない雲、それ故に、その種類と名前を覚えることが大切なような気がした。名を知ると、距離感が縮まり、親密感が湧くのは、何も人の世界だけではない。
因みに、この「雲」は、日本語では、綿のような感じで浮かぶ雲ということで「綿雲」と呼ばれる。他には「積み雲」や「断片雲」、「ちぎれ雲」など呼ばれている。ただし、「ちぎれ雲」は「高層雲」や「乱層雲」でも見られることがある。)
◇◇ 秋の雲、日本語には「雲」の名が多いのだ。(その1) ◇◇
気象観測では「巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、乱層雲、層積雲、層雲、積雲、積乱雲」の10類に分類している。これは1956年世界気象機関が刊行した「国際雲図表改訂版」によるものだ。
だから、私たちが目にする「雲」は、このいずれかに入るのだ。あの広い空に湧いたり、流れたり、覆ったりする雲は10種類しかないのである。雲の名前を覚えるなんて簡単ではないか。たった「10個、10種類」なんだよ…といいたいところだが、そうはいかないのである。
たとえば、今日の写真の雲は地表付近から2000mほどの高さに生ずる、つまり、地表から一番低いところに出来る「下層雲」に区分されるものの一つの「積雲」である。
綿のようにふわふわと浮いている雲だ。いつの間にか消えるものもあれば、地表の熱を取り込んでどんどんんと発達するものもある。これが、積雲が乱れたもので、「積乱雲」と呼ばれるのである。
「積乱雲」は「雷雲(カミナリグモ)」でもある。雲の中では最も危険な雲であり、雲の高さは10km以上に達する場合もあるそうだ。この雲の下では、雷や竜巻が発生したり、激しい雨が降ったりするのである。
この積乱雲が発達して雄大積雲となり、雲の頂が坊主頭のように丸くなったものを「入道雲」というのだ。この頂は太陽を受けて輝くが、雲の底は真っ黒で、雨が降り、雷を伴うのである。
この「入道雲」ほど名前が多いものはない。何と「26」もあるのだから驚いてしまう。(明日に続く)
◇◇天気がいいとそれだけで「自然観察会」は成功だ。(5)◇◇
(承前)●寄生植物のこと●
…岩木山でよく見られる「ミヤマママコナ」も、「半寄生」する「腐生植物」の一年草で、「イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生」する面白い繁殖の仕方をする植物である。
「半寄生」であるから、「自立」も出来るのだ。自らも「葉緑素を持ち光合成を行う」が、他の植物からも栄養を摂り、「宿主(ホスト)」がない場合には草丈も小さくなるし、宿主がいる場合には大きくなる。だから、すべてが一様ではない。
この違いが「大きさ」や「花の色の違い」、それに、「全体の風姿」に、微妙な「異相」をもたらしているのかも知れない。
そう考えると、これらの花に出会って、一瞬「これは何だ」と訝しがることのあることは、別におかしいことではないように思える。
「寄生植物」には、この「ミヤマママコナ」のように「半寄生」する植物があるが、「半寄生」が80%を占めるそうである。
野山の道沿いで見られるのは、この「ママコナ」程度であるといわれている。「ママコナ」類は、その独特な風姿と形、色彩で人目を引く花である。
そして、同時に、私たちに理解があれば、「他の植物の根」に寄生(腐生)するという「生き方」で興味を引く花でもあるのだ。(明日に続く)
[連続1000回ブログ書き達成まであと、6回・連続1000日達成まではあと、15日]