http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071022i304.htm
防衛省は22日午前、海自補給艦の給油量訂正問題と、航泊日誌(航海日誌)破棄問題に関する内部調査報告書をまとめ、与野党に提出した。
報告書では、給油量の誤りは2003年5月9日に、海上幕僚監部の課長レベルで気付いたが、担当部署が違ったことなどから、上司への報告や訂正措置を取らなかった、としている。
報告書によると、03年2月25日の海自補給艦「ときわ」から米補給艦「ペコス」への給油量について、翌26日に派遣部隊から海上幕僚監部防衛部運用課に「80万ガロン」と電報で連絡があった。しかし、同課でデータ入力する際、25日に同じく補給した米イージス艦「ポール・ハミルトン」への補給量「20万ガロン」と取り違えて入力した。
同年5月8日に石川亨・統合幕僚会議議長(当時)が、「20万ガロンの補給を実施した」と記者会見で発表。翌9日、海幕内で誤りに気付いたが、海幕の防衛部防衛課長(同)が「燃料担当は他の部局」と認識し、「間接給油問題が沈静化しつつあった」ため、報告や訂正などの手続きを怠った。防衛省は「情報の取り違えに気づいていたにもかかわらず、報告が行われなかったことは、文民統制にかかわる極めて重大な問題だ」として、関係者の厳正な処分を行い、再発防止の検討委員会を設置するとしている。
一方、補給艦「とわだ」の航海日誌が破棄された問題に関しては、とわだの航海科員が艦長の許可を受けずに、シュレッダーにかけて焼却処分したという。
海上自衛隊といえども日本人のつくった組織である以上、その国民性から逃れるわけにはいかず。しかも日本国内において、「役人」が自己保身に長けた人種であることは異論がない。
「文民統制」という外来語、あるいは役所用語、を使用するまでもなく、「ホウ・レン・ソウ不足」という、TOBをしかけられそうな古い会社によく見られる事象に他ならない。
問題なのは、自衛隊は戦争に勝つために存在しているのであり、たとえ「入力間違い」であっても、情報が上がってこないなどあってはならない事なのである。
幸い今の防衛相は、いきがかりからもパーソナリティからもこういった「軍政」には適任と言え、「癒着」も含め処理してもらえるだろう。
個人的には「電文を元に手入力」などとさせずに済むよう、他の無駄を省いて防衛予算をつけてやればいいのにと思う。おそらく本当のところは、そうなっているのだろうが。
余談だが、「文民統制」について、これは民主主義国家の政治の軍に対する優位、概論でいえば「政治が軍事に対して最終決定権をもつ形態」であるに過ぎない。具体的には最高司令官、陸海軍大臣に「文民」をあてることで実現している国家が多い。
ここでいう「文民」とは「国民の代表たる政治家」のことであり、文官を指すものではない。
朝日新聞は本日の社説で
防衛省は急きょ、文民統制を確保するための検討機関を発足させた。徹底的に実態を解明し、対策を考えるべきだ。省内の問題だけに終わらせてはならない。
その文民の方にも、あきれた問題が噴出している。守屋前事務次官が取引先の業者にゴルフをたかり、さまざまな便宜をはかった疑いがもたれている。
と、事務次官が文民であるかのように書いているが、国家公務員である事務次官は「文官」ではなく、間違い。この新聞社があえてこのような誤記をするのも、政治そのものである。